ペパキャンのサバイバル日記

円形脱毛症で髪の毛がなくなりました。今はスキンヘッドライフ満喫です。
見た目問題当事者としての情報発信中!

彼の心の奥底に横たわる暗闇

2006-02-07 00:00:00 | インポート
 日曜ボランティアのイベントに顔を出した時、60代の男性A氏と少しお茶を飲みながら話をした。A氏は定年直前に奥さんから離婚届を突きつけられた典型的な熟年離婚組である。二人の娘は渡米し結婚。寂しい一人暮らしをしている。A氏と夫は面識があるので夫の借金問題を話すとひどく驚いていた。

 「なんでこんな風になる前にペパキャンちゃんにご主人は相談せえへんかったかなあ?男のプライドってやつかなあ?」と誰もが口にする感想をつぶやいた後、A氏は非常に興味深いことを口にした。「ワシもな、ええ歳して離婚されたクチやろ。普通やったら定年後は夫婦でのんびり孫の顔でも見ながら暮らすのが当然や。嫁は出て行く。娘二人はもう日本には戻って来よれへん。これはな、何かワシ自身に重大な問題があるってことやねん。ご主人もそうやで」。

 「え?重大な問題ってどういうことですか?」と私が問うと「女やギャンブルや暴力といったそんなわかりやすい問題ではない。」とA氏。60近くになって離婚されたり、恐ろしいほどの額の借金を作ってしまうような男というのは、性格や人間の根源にあたる部分に何か途方もない暗闇を持っているのだという。普段は北新地のお姉ちゃんを口説くばかりのスケベなA氏であるが、人生長いこと生きてきた彼の言葉にはやはり重みがある。

 それ以来「その人間の根源にあたる部分の暗闇」についてばかり考えている。私は夫のその暗闇をまだ見極めていない。両親、育ってきた環境も大体は把握しているつもりだし、これといった問題は見当たらない。だが彼の異常なまでの頑ななところや見栄や意地やプライドや弱音を吐かない性格にはある意味恐怖さえ感じてしまう。彼の心の奥底に横たわる何かを見出さない限り、借金を清算したところで事態は何も変わらないのではないかと。