オトナな世界デビュー

　夏休みも最後の週になってようやく夫と休みの都合が合った。家族3人揃ってお休みが取れるのはこの二日間だけ。よっしゃ、家族3人で近場のホテルにでも行こうやないか！ということで神戸の某ホテルに一泊だけしてきた。南京街で豚まんを食べてＦ４グッズを漁ろうかと思ったけど、今回は夫と息子が一緒なのでそれは断念。ちっ！

　息子はもう添い寝などということができる可愛い生き物ではなくなっているので、部屋はトリプル。プールとディナービュッフェに使える館内クーポン付きのプラン。チェックインした後、夫と息子をプールに送り出し、私はひたすらダラダラ読書＆昼寝。ホテル独特のエアコンの効いた室内は至福の時間。

　食事が終わって、さあ、部屋に帰ろうと思った時、ああ、ここはスカイラウンジの夜景がとてもキレイだったのだと思い出した。しかし、神戸の夜景を一望できる３０Ｆのラウンジに子連れで行ってよいものかどうか・・・。かつて子どもがいなかった頃の私だったら子連れでラウンジ？確実にキレていたよなぁ・・・。

　でもせっかく来たんやし、うちの息子自慢やないけどそこらへんの声でかいオヤジよりずっと静かやし、と、いろいろいい訳を考えながら足を踏み入れると、あっさりと夜景の見える側のテーブル席に案内された。は？子連れＯＫですか？息子はもちろん宝石を散りばめたような夜景に感激していたが、私的には息子と一緒に夜景を楽しみながらいただくマティーニに感無量！！

ついていけない今日この頃

　夏休みも終盤。そろそろ息子の毎日の昼ごはんを用意するのに疲れてきた。2学期よ、早く始まらないものか。いや、正確に言うと2学期ではなくて「給食」よ。いや、もうこうなると「給食様」か。お願いだからうちのバカ息子に誰か昼飯を食べさせてやってほしい・・・。

　ところで夏休みの宿題はちゃんと終わっているのだろうか？なんか薄っぺらい紙の冊子を持って帰っていたが、果たしてそれだけやってしまえばよいものなのだろうか？自由研究とか読書感想文とかやらんとあかんのちゃうんか？ぼーっと毎日テレビ見たりゲームしたりしてるけど大丈夫か？

　それにしても最近はよく口答えをするようになってきた。良くも悪くも知恵がついてきた証拠だ。「なんとか言いくるめて」とか、「ごまかして」という小手先の技が通用しなくなってきている。少しずつ大人への階段を昇っているのだろうか。子どもと大人が同居している状態とでもいうのか。見ていて面白い。

　しかし相変わらずギャグの連発はおさまる気配はない。年中ダジャレを言っては自分でバカ受けしている様子はオバカ少年丸出しである。最近は「おしりかじり虫ぃ～～、かじってナンボの商売だ♪」と歌っておいて間髪入れず「でもそんなの関係ねェ！ハイ、オッパッピー！！」だ。もう、ちょっとついていけない・・・・。

椅子取りゲーム

　夫は朝3時半に起きる。4時からの仕事に備えて3時半に起きる。普通の人なら一番深い眠りの中にいる時間帯だ。一方私は土日祝日に仕事をしている。普通の人なら家族や恋人や友人達と楽しく過ごしている時間帯に仕事をしている。私たちは好き好んで朝早く起きたり、休日に仕事をしているわけではない。

　そんな時間帯の仕事しかないのだ。それが現実なのだ。人が起きたがらない時間や日にちを選ばないとパートやアルバイトにすらありつけない。若い人ならともかく、正社員はおろかバイトですらこの状態だ。本当に厳しいなと思う。生きていくのは大変だと。

　この国の雇用環境は昔よくやった椅子取りゲームに似ている。ゲームに参加する人数より一つだけ少ない数の椅子が用意され、音楽が止まると皆が一斉に椅子に座る。一人だけはじかれた子はゲームから脱落して、また一つ椅子の数が減らされ、ゲームが進行していく。

　ただ昔の椅子取りゲームと違うところは椅子の絶対数が少ないということだ。100人くらいの子どもがゲームに参加しているのに椅子は数個しかない。そして音楽が再び流れ出しても一旦椅子に座ってしまった子は二度と席を立とうとしないことだ。私達の将来、目の前に椅子があるのかどうか、今は全く見えない。

ハリポタ寒くその後汗ポタ

　息子と二人でハリーポッターの映画を見に映画館へ。二人っきりでこうやって出かけるのは本当に久しぶりだ。朝起きた時から彼は「お母さんとハリポタや～～！！」と嬉しそうにしている。ああ、こんな風に無邪気に喜んでくれるのも今だけなんやわと思うと思わず頬が緩む。

　ジュースを買っていざ席に座り、しばらく画面に見入っているうちに気がついた。寒い。冷房が効きすぎの館内はかなり寒い。う～～、入り口でブランケットの貸し出しやっていたのに借りてくればよかった～～と思い、少し後悔する。そうこうするうちに息子が突然「お母さん、トイレ行きたい。」と。

　ホラ、やっぱり涼しすぎるんやわ、と思いつつ席を立とうとすると、あれ？コレ、結構見せ場ちゃいますのん？主演のハリーのキスシーンですやん！！ハリーもそれなりに成長して女の子とそういうことするようになったのね。ああ、でも当の息子はそんなことおかまいなしに出口に向かってひた走る・・・。く～～、実損ねた。

　トイレのついでにブランケットを借りて見ていたら、今度は私が激しい睡魔に襲われ途中から爆睡。だってやっぱりお子様向けなんやもん！しかも吹き替えなんやもん！ＣＧ多すぎて面白くないんやもん！映画館を出て食事を済ませ、地下鉄の駅を上がると今度は３５度の炎天下。実に身体に悪そうな一日になってしまった。息子自身は「あ～～、楽しかった！」と。そうですか。よかった、よかった。母は少し疲れた。

納得がいかん！

　引越の作業スタッフが作業中に熱中症でぶっ倒れ、救急車で運ばれた。幸い脱水症状で点滴で事なきを得たが、この酷暑である。こういうこともアリだよな～～。普通に家の中でも熱中症になる季節だものね。しかし、納得がいかないのは翌日の客からのクレームの電話だった。

　「救急車のサイレンの音が派手だったので、後でご近所に説明してまわらねばならず、サイレンの音を消すよう指示して欲しかった。」だと。あの、救急車、サイレン消したら急いで現場に到着できないんですけど！！ご近所も大切でしょうが、こっちは人命かかってるんですけど！！それが何か？

　時々、こういうワケのわからないクレームがある。いい歳をした大人が物事の優先順位がわからないのだろうか。じーっと外で立っているだけでも汗が吹き出すこの季節。しかもお盆で皆が休んでいるこの時期にせっせと働いてくれるスタッフを確保することがどれだけタイヘンか、わかっているのだろうか？と思う。

　結局一人が救急車で運ばれた後は、残されたスタッフがたった二人でおびただしい量の荷物を運んだ。その荷物だって客はほとんど荷造りしていなかったらしい。ご近所のことで文句言う暇があったら一つでもダンボールに荷物詰めとけよ！と、言いたかった。いや、言わなかったけどさ。納得がいかない客多し。余計に暑いやないですか！