北川竜二で、「アレは何したので・・・」でした。

脳内で文章を作った時点で書くのが億劫になってしまうのですが、それでも時々書きます。

終電2

2005-11-22 18:08:43 | Weblog
水端氏がコラムに書いた通り、俺と氏は同じ線を使っている。後、今回の共演者の蝦名氏も同様で俺の隣の駅に住んでいる。
そう、確かに先日水端氏は自分が頼んだメニューが一つも来なかった。

その日、稽古が終わり飯でも食べますかという話しになった。稽古場の最寄り駅の周りで入れる所を探すが全て満席。仕方ない帰るかと駅のホームへ移動。しかし基本的に水端氏は外食派だ。新宿で飯食いますかという話しになった。それを聞きつけた他の共演者も行く気になり、いざ新宿へ。一人が酒が飲みたいというので居酒屋へ。
店に入り席に座れた時には氏の終電まで後20分。つまり俺もそれを逃せば一つ手前までしか帰れない。俺はしょうがない一つ手前にすれかと決めた。
氏は急いでいた。焦ってもいただろう。素早くメニューを決めた。ソフトドリンクと白湯何とかラーメンと御飯。俺はその瞬間間に合わないんじゃないかと思った。店は混んでいる。店員も忙しそうだ。そして何より他の面子が氏のメニューを遅らせるが如く怒涛の注文をする。
飲み物は直ぐに来た…
後10分…少しづつメニューが来だすが彼のメニューは来ない。御飯さえも来ない。
氏がポツリと呟く。地元のすき家で食い直しだな…
開き直った氏は他のメニューをつまみ始める。そして勢いよくドリンクを飲み干し、夜風に消えて行った。その後ろ姿はとても寂しかったように…見えなかった。終電。奴に必ず乗る。乗ってやるという危ないオーラに漲っていた。まさに執念。意気込み。
その直後、御飯が来た。遅い、遅いよ。そしてラーメン。遅いよ、遅すぎるよ。残った面子で食す。何事もなかったように。

こうして水端氏の夜は終わりを告げ、我々の夜は深まって行った。

翌日、すき家に行ったか聞くと、金が足りなくて行けず、コーヒーと煙草で食欲をごまかしたとの言が。

ああ無常。終電さえ、奴さえもう少し寛容になってくれていれば…
水端氏の食と終電のあくなき時間対決はこれからも続く……

コメント
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