朝の通勤電車。ラッシュだ。満員だ。
先日、混み合う車内であるおっさんと面と向かうことになった。
なんでこっちを向いている? みんな向こう向いてんだからお前も向こう向けや…と腹の中で毒づくも、しょうがない、満員だし。
まあ面と向かうのはしょうがない。不可抗力だ。逆に意図的だったら怖い。
しょうがないのだが、そのおっさんの顔を何気に見たら、ボウボウだった。
久しぶりに見た。鼻毛ボウボウ。無数のこんにちは達。面白すぎて直視できん。この距離で半笑いになったらいらぬ疑念を持たれかねない。
だからと言って顔を背けると隣には別の人がいる。体の向きと顔の向きが違う、これはこれであらぬ疑念を持たれかねない。
とりあえず面白い。だから、次の駅で一度降りよう。ポジションを変えるのだ。
無事ポジションを変え一息。唐突に中学時代の数学の先生を思い出した。
もう名前も思い出せない。その先生が鼻毛こんにちはしてたかも定かではない。なぜ鼻毛おっさんと先生がリンクしたのか?
ただその先生、「X」を「エッキス」と呼んでいた。
職場に着くまで、「エッキス」がこだました。