目を覚ませば朝だった。遅い朝。もう一眠りすれば時計の針は天辺を指すはずだ。のそのそと起き上がる。隣を見ると友人が死んだように寝ていた。何だかコワイ。
自分の身体を確かめる。眠って何か変化があるかも知れない。足から頭までとりあえず色々触ったり動かしたりしてみる・・・特に変化はないようだ。
まずはタバコを咥える。一服だ。今日のシュミレーションを頭で考える。まずは病院だ。正規の診察を受け、診断書を貰い、警察に届ける・・・他は・・・特にないか。保険会社は彼が電話して、代理人が電話してくるだろう。自転車は・・・そうか、今日は面倒だ。とりあえず邪魔にならない所に置くか。後は、友人にお礼を兼ねて飯を奢る。
心配を掛けたせいで余り寝てないであろう友人をたたき起こす。出かける事を告げ、友人にも準備をさせる。合点が行ってない顔だったので飯の事を話す。寝起きに飯の話を聞いて直ぐにテンションが上がる友人は、急いで着替え始めた。変な奴だ。
事故に遭ったそのままの服装に戻り、友人と連れ立って昼近い街中をのそのそと歩く。車では近かったが、歩くとなると話は別で、結構な距離がある。季節はまだ夏、二人とも5分も歩いた頃には汗まみれになっていた。事故現場に着くと、自転車は無事だった・・・まぁ事故車なので盗られる事はないか・・・その自転車を邪魔にならない所に置きなおす。掛け忘れたチェーン錠もして。
どこかの飯屋に入る為に彷徨っている時、保険屋から電話が入った。馬鹿丁寧に「今回は誠に・・・」「こちらで出来る限りの・・・」と慰めと謝罪の言葉を連呼された。電話の相手が今回の事故処理の代理人だった。今後は保険屋が話を進めていく。とりあえず、これから診断書を貰い警察に届ける旨を伝えると、それを確認次第また連絡すると言って保険屋は電話を切った。
飯を食べる為に入った店に着く頃には、汗だくだった。急いで食券を買い、席に着き、出された水を一気に飲み干す。
午後の病院は混んでいた。友人とは店を出たところで別れ、今は一人ロビーで他の患者と同じように順番を待つ。混んでいたはずだが、意外と早く順番が回ってきた。昨日と違う先生が、昨日と同じ様な診察をし、看護師が傷口のガーゼを交換してくれた。汗はかかなかったがものの5分もしないうちに診察は終わり、再びロビーへ。会計で診断書を受け取る。金は払わない。事故だから。
警察に診断書を届け、家路に着き、地元の駅に着いた時には夕方になっていた。改札を出たところで、彼から電話が入った。保険屋と話したことを伝え、診察の結果も伝える。彼はホッとしていたようだ。彼は今後は保険屋が仕切るが、何かあったらこちらに言って下さい、また連絡します、と言って電話を切った。が、彼からの電話は2度となかった。
自分の身体を確かめる。眠って何か変化があるかも知れない。足から頭までとりあえず色々触ったり動かしたりしてみる・・・特に変化はないようだ。
まずはタバコを咥える。一服だ。今日のシュミレーションを頭で考える。まずは病院だ。正規の診察を受け、診断書を貰い、警察に届ける・・・他は・・・特にないか。保険会社は彼が電話して、代理人が電話してくるだろう。自転車は・・・そうか、今日は面倒だ。とりあえず邪魔にならない所に置くか。後は、友人にお礼を兼ねて飯を奢る。
心配を掛けたせいで余り寝てないであろう友人をたたき起こす。出かける事を告げ、友人にも準備をさせる。合点が行ってない顔だったので飯の事を話す。寝起きに飯の話を聞いて直ぐにテンションが上がる友人は、急いで着替え始めた。変な奴だ。
事故に遭ったそのままの服装に戻り、友人と連れ立って昼近い街中をのそのそと歩く。車では近かったが、歩くとなると話は別で、結構な距離がある。季節はまだ夏、二人とも5分も歩いた頃には汗まみれになっていた。事故現場に着くと、自転車は無事だった・・・まぁ事故車なので盗られる事はないか・・・その自転車を邪魔にならない所に置きなおす。掛け忘れたチェーン錠もして。
どこかの飯屋に入る為に彷徨っている時、保険屋から電話が入った。馬鹿丁寧に「今回は誠に・・・」「こちらで出来る限りの・・・」と慰めと謝罪の言葉を連呼された。電話の相手が今回の事故処理の代理人だった。今後は保険屋が話を進めていく。とりあえず、これから診断書を貰い警察に届ける旨を伝えると、それを確認次第また連絡すると言って保険屋は電話を切った。
飯を食べる為に入った店に着く頃には、汗だくだった。急いで食券を買い、席に着き、出された水を一気に飲み干す。
午後の病院は混んでいた。友人とは店を出たところで別れ、今は一人ロビーで他の患者と同じように順番を待つ。混んでいたはずだが、意外と早く順番が回ってきた。昨日と違う先生が、昨日と同じ様な診察をし、看護師が傷口のガーゼを交換してくれた。汗はかかなかったがものの5分もしないうちに診察は終わり、再びロビーへ。会計で診断書を受け取る。金は払わない。事故だから。
警察に診断書を届け、家路に着き、地元の駅に着いた時には夕方になっていた。改札を出たところで、彼から電話が入った。保険屋と話したことを伝え、診察の結果も伝える。彼はホッとしていたようだ。彼は今後は保険屋が仕切るが、何かあったらこちらに言って下さい、また連絡します、と言って電話を切った。が、彼からの電話は2度となかった。