北川竜二で、「アレは何したので・・・」でした。

脳内で文章を作った時点で書くのが億劫になってしまうのですが、それでも時々書きます。

結果的に無事でした5

2006-05-31 11:36:05 | Weblog
 洋平にも彼女がいた。付き合ってまだ1年にもなっていない。夏休みに入ってからは殆ど会っていない。就職希望の彼女はこの夏休みをバイト三昧に明け暮れると決めていた。最近では電話の回数も減ってなんだか付き合ってるのかどうかも疑わしい感じになっている。別に喧嘩してる訳でもないが、もう少し俺に対して時間を取ってくれてもいいんじゃないか・・・学校でも同じクラスではないのでそういつも一緒にいられない。
 洋平の高校は毎年クラス替えがある。彼女とは高2の冬から付き合っている。高3のクラス替えでは同じクラスになれなかったので、前ほど顔を合わせる時間がなくなった。いつしか部活をやっていた洋平にとって2人の共有時間は夜にする電話になった。部活を引退してからは一緒に帰る機会も増えて電話する回数も減ったのだが、その矢先に夏休みに入ってしまった。
 まぁ結局なるようにしかならないんだろうなあ・・・このまま自然消滅。誰が言ったか忘れたが、友人に言われた言葉を思い出す。彼女の事を考えるとモヤモヤした気持ちになる。今日はいい。考えないようにしよう。
 学生生活で彼女がいるなら、例えば昼休みとかは一緒にいたりするものだ。しかし洋平はそうしなかった。原因はクラスメートにあった。まぁ彼女がいても男同士でワイワイ遊ぶ方が楽しい事もある。男の付き合いもある。こんなトコだけ妙に大人ぶってるのだが・・・実際洋平は楽しんでいた。昼休みになると、洋平達はグラウンドに出てサッカーや野球をやっていた。全校生徒の中で昼休みに外で遊んでいるのは洋平達だけだった。少しでも昼休みが長くなるようにと、皆で早弁したりもしていた。勿論育ち盛りの健康児達は単純に腹が減っていたのでもあるが。
 サッカー部のGさんがボールを提供してくれ、野球は近所の駄菓子屋で買った軟球とビニールテープを巻いて重くして、飛距離が出るようにしたプラスチックのバット。そのバットは洋平が用意した。しかも小学生の時に使っていたバットを捨てずに置いていたのだ。そのバットが高校の教室の隅に置かれている。他の生徒達は不思議な目で見たいたが、中には一緒にやらせて欲しいと言ってくる奴もいた。その面子の殆どが今日来ている。確かに不思議なのかもな・・・
 車はやがてスピードを落とし、料金所をくぐる。坂を下り、一般道に出る。見知らぬ光景だった。シュウトンがもう少しと言う。久しぶりの海だ。
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結果的に無事でした4

2006-05-29 11:59:18 | Weblog
 車は高速を走る。まぁ高速なので道を間違えるという事はないが、ここまでの感じから、シュウトンは現地までの道筋が頭に入っているようだ。さすがバイクを乗り回していただけはある。しかし落ち着いて考えてみると、夏休みで海、車・・・なのに参加者は全員男なんだよなあ。洋平はふとそんな事を考えながら高速道路の流れる壁を見ていた。別に女がいない事に不満があるわけじゃなく、ちょっと欲が出ているんだな。洋平は落ち着いて考えていた。久しぶりに遠出してワイワイやるんだ、男だらけの方が気楽でいいはずなのに。車で遊ぶなんて何かまだ年相応じゃないし慣れてない。女と一緒にどこか行くなら電車が似合う。俺達はまだ大人になれてない。しかし、この面子で彼女がいるのは・・・Gさんだけだったっけ?後は聞いてないな。助手席の吉元っちゃんは相変らず喋り続けている。
 
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結果的に無事でした3

2006-05-26 11:47:58 | Weblog
 夏休みの日曜の朝。夏休みは学生だけか。まだ朝早いせいか車の流れは思ったよりも速い。原付を日頃乗っている洋平なので、道路の混み具合は分かる。洋平の家の前に横たわる道路は比較的大きな道路だ。東へ行けば内環状と外環状、そして高速道路。その間にも北と南へ向かうには便利な道路にアクセスできる。西へ行けば港まで行くことが出来た。しかし目指すはその港ではない。もっと南だ。車は東へ向かい、高速に乗った。
 運転しているシュウトンは初心者とは思えないほどの落ち着きっぷりだった。少なくとも洋平はそう思った。助手席で喋りまくっている吉元っちゃんと会話を楽しんでさえいる。オートマだからか?スムーズに車が動いていた。シュウトンは中型のバイクの免許を持っていて、確か250CCのバイクを乗っていた。運転感覚はそのあたりから養われたのだろうか。後ろを見ると、宮崎の車も着いて来ている。2人とも運転うまいんだな。でも宮崎ってバイクは乗ってなかったな・・・向こうの車中はどうなんだろう?
 車は順調に進んだ。洋平もようやく3人の会話に入って少しずつだが今日を楽しみ始めていた。目指すは南。車は走った。
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結果的に無事でした2

2006-05-25 14:25:56 | Weblog
 免許・・・早々に進路を決めてしまった連中・・・就職組や無試験で入れる専門学校組、車好き、は18歳を目安に免許を取りに行っていた。勿論学校は免許の類は校則で禁じていたがそれを守っているのは車やバイクに興味がない一部の生徒だけだっただろう。洋平も原付の免許は高1で取ったが、車の免許はまだ先の話のように感じていた。身近にいる友人が免許を取ってしまった。何か置いていかれた気分だった。
 海に・・・プールも含めて海水浴に行くのは高校に入って2度目だった。前回は確か当時付き合っていた彼女と行ったっけ・・・今まで部活が忙しかった事もあるが、やはり洋平にとってはどうでもいいことだったのかも知れない。洋平はもはや箪笥の肥やしになった海パンを引っ張り出した。
 当日は恐ろしい程晴れていた。待ち合わせは特になく、車が迎えに来てくれるという。洋平は何故かそわそわして家の前で待つ事にした。高3の人間が車で出かける。まだ実感が湧かなかった。約束の時間を少し過ぎてシュウトンはやってきた。遠目でも他に何人か乗っているのが分かる。洋平の前で車が止まりシュウトンが声を掛ける。後部座席に座り、他の連中の顔を見る。Gさんと吉元っちゃんだ。皆同じクラスだ。
「尾崎は?」と洋平。
「宮崎の車に乗ってるよ」とGさん。
「後、山田とヤスも」とシュウトン。
「宮崎も免許取ったのか?」
「うん」
いつの間に・・・シュウトンだけでなく宮崎まで。たかだか免許だが洋平にとっては大きなニュースだった。こうやって大人になっていくのだろうか?
「で、宮崎は?」
「後ろ」
「え?」
後ろを見ると助手席に座る尾崎が手を振っている。いつの間に後ろに!洋平は自分がこの程度でテンパッているのがショックだった。後ろに車がいた事にも気付かないないなんて。洋平が動揺しているのをよそに車は動き出した。まだ何も始まってない1日なのに洋平はすでに疲れていた。
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結果的に無事でした1

2006-05-24 19:09:44 | Weblog
 高須賀洋平は夏休みを暇で持て余していた。続けていたバスケットも春の大会で早々に負けて引退。いざ進路の事を考えても別段現実感がなく、秋の推薦調査で推薦勝ち取って行ける大学にでも行くか・・・じゃなければ適当に専門学校にでも入って・・・とにかく働くのはまだ早い、もうちょい学生でいたい。周りはやれ予備校の夏期講習だ塾だ、やれ専門学校行くからと自分の進路を早々に決めてる連中もいて焦りはあるにはあった。でも決められずにいた。
 親は進学を希望していた手前、親に顔を立てる感じで短期の夏期講習に行くことにはしている。しかし、学校の定期テストでは上位に入る洋平も、実力テストは散々。今更夏期講習を受けても勉強にはついて行けないと思っていた。
 家にいても暇なので、同じような連中とつるむ。余り金もないから、皆で日雇いバイトなんかもしてみる。受験生である手前、バイトバイトとは言ってられない。しょうがないから夏休みの宿題なんかに手を付けてしまう。暇だった。キャプテンの様に後輩の練習に参加しようかとも思ったが鬱陶しがられるのがオチなのでやめた。
 そんなある日、クラスメイトの尾崎から電話がかかった。「洋平、今度シュウトンの車で海行くんだけど行く?」「行く」海はあまり好きではないが暇よりかはいい。行こう。 
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ふぅ~

2006-05-23 13:37:09 | Weblog
いや~、随分とご無沙汰してしまった。2ヶ月ほど前から身辺がにわかにざわついていて、なかなか思うように行かなかった。珍しく複数のイベントが重なり、にっちもさっちも行かなくなり。面倒臭くて出来ることを放置してしまったり。
いやはや・・・
まだ完全に落ち着くには時間が掛かりそうだが、一つずつ解決していこう。

しかしまぁ、水端氏、PS3は高い買い物になるね。発売即買いはできねえかなあ。PS2の時のようにいつのまにか値段が下がりました、みたいな状況までは買えないでしょうな。

「続き」シリーズが終わったので、新しい何かを今考えている。まぁ実話でも創作でも何でもいいのだが。前に書いたと思うが、コラムだけを書き続けるには、ネタがない。ま、何か書きます。渡邉氏も最近「ライヤーの冒険」だっけ?なるものを始めたし。

今更だが、天気悪いですな。春の陽気に包まれて~ホニャララしようと思っても、晴れの日が続かない。先月久しぶりの花見も結局雨で出来なかったし。このまま梅雨明けまでこんな感じになってしまうのか?そして夏も。

林田氏がまあコラムでたまに書いてるが、9月の公演の準備をちょっとずつしている。まぁ人手不足ですね。公演の手伝いなんて、そんな訳の分からん、面倒臭そうな事誰がするか~的な。でも大丈夫なんですよ。そんなに難しくないですから。という訳で、ちょっと芝居に興味のアル方、林田氏の方まで連絡下さい。
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続きの終わり

2006-05-01 06:47:25 | Weblog
外傷はすぐに治った。足首の違和感も。しかし、首がおかしかった。動かすと痛む。恐らく鞭打ちの症状。医者の話しによると、最も軽い鞭打ち。いずれ治ると言われ、日常生活で特に注意する事もなかった。
結局、週一回の通院を一ヶ月続ける事になった。
その間、診断書を確認した保険屋とは事故で休んだ仕事の補償、壊れた自転車等の補償など、何回か電話と書類でやり取りをした。

一ヶ月も経つと首もよくなり、通院も終わりとなった。通院にかかった費用が計算され、最終的な示談金が提示された。それに合意し、書類にサインする。

全てが終わった。

新しい自転車で事故現場を通る。青信号なのに嫌な気持ちになる。少し鼓動が速くなる。完治にはもう少し時間がかかりそうだ。

おわり。

※この物語はフィクション?です。
コメント (1)
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