一関市狐禅寺「一関総合体育館」 2009年11月6日(金)
2009年11月6日(金)、一関遊水地記念緑地公園の近くにある一関市総合体育館(愛称:ユードーム、狐禅寺字石ノ瀬25-3)に行きました。裏側(西側)を通る市道沿いに植えられている数本のユズリハ(譲葉)/エゾユズリハ(蝦夷譲葉)が、それぞれに藍黒色の実を沢山つけていました。
ユズリハ(譲葉) トウダイグサ科 ユズリハ属 Daphniphyllum macropodum
暖地の山地に生える常緑高木で、庭や公園などにも植えられている。新葉が開いてから、あとを譲るように古い葉が落ちることから「譲葉」の名がついたという。親が成長した子にあとを譲るのにたとえて、めでたい木とされ、古くから正月飾りに使われてきたとのこと。まばらに分枝して高さ4~10mになり、大きな葉痕が目立つ。葉は枝先に輪生状に集まって互生し、長さ15~20㎝の狭長楕円形で、先端は急に尖り、縁に鋸歯はなく革質。表面は深緑色で光沢があり、裏面は白っぽい。側脈は16~19対。葉柄は普通赤いが、緑色のものもある。 5~6月、前年枝の葉腋から長さ4~8㎝の総状花序(花穂)を出し、花弁も萼片もない小さな花を垂れ下がってつける。雌雄別株。雄花には雄しべが7~8個あり赤い葯が目立つ。雌しべは無い。雌花には退化した雄しべが7~8個あり、子房は卵形で、花柱は2深裂して反り返る(緑色であまり目立たない)。果実は核果で長さ8~10㎜ほどの球形~楕円形で、10~11月に藍黒色に熟す。樹皮と葉は駆虫剤に利用される。用途:庭木、公園樹。 分布:本州(福島県以西)、四国、九州、沖縄、朝鮮南部、中国(中部~西南部)。
エゾユズリハ(蝦夷譲葉) トウダイグサ科 ユズリハ属 Daphniphyllum macropodum var.humile
ユズリハの変種で、日本海側の山地に多く生える常緑低木。ヒナユズリハとも呼ばれる。多雪地帯の林の下に多く、高さ1~3mになる。枝はしなやかで、幹の下部からよく分枝する。野生のものは雪の重みで幹の下部が地を這うものが多い。葉は長さ10~15㎝の倒卵状長楕円形で、ユズリハよりやや小さくて薄く、側脈も8~10対と少ない。5~6月、前年枝の葉腋から総状花序を出し、花弁も萼片もない花をつける。雄株は赤い葯が目立つ。雌雄別株。果実は10~11月に藍黒色に熟す。用途:庭木、公園樹、正月飾り。分布:北海道、本州(山口県滑山まで)、南千島。
[以上、山と渓谷社発行「山渓カラー名鑑・日本の樹木」ほかより]