ターコイズ別館・読書録

――図書館へ行こう。

98 待ってくれ、洋子 長門裕之

2010-04-03 17:07:46 | な行
 図書館より。主婦と生活者。

 本屋に平積みされたときから気になっていた本。
 老老介護。なんとさびしい言葉であろうか。

 台詞が「入らなく」なっていく南田洋子。ついに部屋と居間とトイレの往復だけになる。そんな中でも、奔放だった自分を愛してくれた洋子への感謝を持って、愛情をささげ続ける長門裕之。
 また自分のことをここまでできるか、と驚くくらい正直に告白している。借金のため豪邸を売ったこと(介護には広すぎることもある)、暴露本でバッシングを受けたこと、自分のおならで洋子が笑ってくれること。それがうれしいこと。決して二枚目ではない長門裕之がここまでになったのは、この誠実さも一因ではないであろうか。

 出会いのシーンもいい。無名の新人の長門が、豹革のコートの大女優に声をかけられる夢物語。表紙の笑顔も泣ける。

97 字幕の花園 戸田奈津子

2010-04-03 16:51:57 | た行
 図書館より。集英社。

 なくなってしまった雑誌「ROADSHOW」の連載。見開きで一本の映画を紹介し、いくつかの英文と字幕をピックアップするスタイル。
 私は彼女の字幕はあまり好きではないのであるが、この本を見ると目からうろこが連続して落ちる。こんな言い方があったのか、の連続。流行りの英語を勉強しているのだなあ、と感心。

*awesomeすごい wicked最高(逆の意味になる) tottalyとても hit口説く dumpふる super fun超楽しい cool最高・賛成・大丈夫 two of a kind同類

 スターの素顔や、豊富な写真も楽しい。

*リチャード・ギアは京都好き
*キャメロン・ディアスはインタビューのあとカップを片付けた
*ブラッド・ピットは若いころ一人でインタビューができずに監督にいてもらった
*ティム・バートンはやはりオタク
*ヒュー・グラントは本物も軽い男。好きな音は「ホテルのミニバーの扉が開く音」、嫌いな音は「それが閉まる音」。