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PADDY PHIELD RETURNS!

1977年、パンクロック勃発直後のロンドンへ渡った日本人ドラマー、パディが駆け抜けた激動の日々を記録するページ(管理人)

お宝/FC会員証

2009-05-27 15:56:00 | Reminiscence
レイプドやカドリートイズ時代のものを大切にしているパディさん。時々、びっくりするような貴重な品を見せてくれます。





これは、1979年に日本デビューしたカドリートイズのファンクラブ会員証。当時の所属レコード会社、テイチクが作ったオフィシャル・ファンクラブのものです。今ならプラスチックのメンバーカードも珍しくないですが、あの頃は会員証なんて厚紙が普通でした。こんな立派なカードを作ってたなんて、新人バンドとしては破格の待遇では? テイチクが力を入れていた証拠ですね♪

パディさんによると、カドリートイズのファンクラブは日本国内に3つ(オフィシャルFCひとつ、私設FCふたつ)とイギリス、ドイツ、スペイン、アメリカにもあったそうです。すごいっ!!

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日本上陸(12)

2007-03-18 12:58:05 | Reminiscence
『倒錯のギロチン・シアター』雑誌広告(1980年)

 前回に引き続き、アルバム『倒錯のギロチン・シアター』の雑誌広告ですが、これは発売から約1年後の1980年秋のもの。(資料提供/じょんこさん)

音楽専科(1980年9月号)


rockin' on(1980年10月号) 


広告の中のパディさん


(メインのキャッチ・フレーズ)
“混迷のロンドン・ニュー・ウェイヴ・シーンに単独で殴りこんだ日本人がいる!”

 ……なんだかスゴイことになってます。ヤ○ザの出入りみたいです(笑)。単独で殴りこみ=高倉健orシュワルツェネガーみたいな人を想像しますが……、パディさんですから! 

(↓こんなコピーも)
“湘南に生まれたということ以外、
何のインフォメーションもないが紛れもない日本人ドラマー
彼が率いる5人組が今ロンドンに燃える。”

 率いてますよ! 殴りこんで「組」を掌握したようです! それにしても、アルバム発売から1年近くたって急にパディさんを大プッシュしているのは、なぜ? ……というわけで、本人に聞いてみました。

「あー、その頃ね、カドリー・トイズの日本ツアーの計画があったの! 日本側のプロモーターはドアノブってところで、日本でいろんなところを回る予定だったんだよ。神奈川大学の学園祭に出る話もあったみたい。だけど、ビザの問題で僕がバンドをやめなくちゃいけなくなって、日本ツアーも流れちゃった。本当に残念だったなぁ!」

 なるほど、これはカドリー・トイズ『幻の日本ツアー』に向けての宣伝だったんですね。ロンドンに渡った日本人ミュージシャンがバンドを引き連れて日本に凱旋、という青写真が描かれていたのでしょう。1980年にそれが実現していれば、かなりセンセーショナルな話題になったはずです。

 そして今、フロントマンのショーンは亡くなりましたが、パディさんとトニー、フェビアンは、カドリー・トイズを再結成して、27年前に果たせなかった『CUDDLY TOYS IN JAPAN』を、今度こそ実現させようとがんばっています!

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日本上陸(11)

2007-03-16 00:51:01 | Reminiscence
『倒錯のギロチン・シアター』雑誌広告

1979年10月25日、日本先行でカドリー・トイズのアルバム『倒錯のギロチン・シアター』(Guillotine Theatre)とシングル『狂った抱擁』(Madman)が同時リリースされています。その広告がこちら。モノクロ1ページの半分以上を使って、同時デビューの他のバンドに比べて破格の扱い。当時のテイチク洋楽部門のイチオシだったのでしょう。宣伝用のコピーは、こんな感じです。
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Cuddly Toys カドリー・トイズ
80年代へ舞い降りる噂のニュー・グループ 倫敦からトーキョーへ……

神秘な感性を秘めた妖艶なヴォーカリスト“ショーン・パーセル”をメインとするカドリー・トイズは倒錯と幻妖の世界を描き出す。

マーク・ボランの遺作が彼らのデビュー・シングルになった。

何とドラマーは日本人だった!!

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日本上陸(10)

2007-03-13 11:54:40 | Reminiscence
『グラム・ロックにパンクの味付けをしたグループ、カドリー・トイズ登場!!』

★Part 8
 また、上記の様にカドリー・トイズは非常に幅広い音楽性を有したグループである。というと、一見、散漫であるかの様な印象を与えるが、決してそんなことはなく、彼らは多様な音楽性を身につけた上に、更に自分達のオリジナリティを兼ね備えているのだということを付け加えておこう。そしてベースにあるのは、あの70年代前半に一世を風靡したグラム・ロックに今風のパンク的な味付けがなされた、独自のサウンドだ。加えて、これはひとえにメンバーの一人に日本人がいることによるものと思われるが、どの曲も非常に日本受けしそうな感じがするのだ。ということは、日本においても彼らがメジャーになる日はそう遠くないかもしれない。

(END)

【ZOO / NO.24 昭和54年10月25日発行 p20-21】



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日本上陸(9)

2007-03-11 11:36:09 | Reminiscence
『グラム・ロックにパンクの味付けをしたグループ、カドリー・トイズ登場!!』

★Part 7
 続くB-4の「Join The Girls」では実に効果的にシンセサイザーが使われているのと同時に、エンディングのギターのアドリブも一段と冴えを見せている。
 B-5の「Front Page News」は、弾むように軽快なパンク・ナンバーだ。パンク特有のストレートに前へ前へと突進する勢いを持った実に歯切れのよい曲だ。
 さて、B-6の「The Fall And Decline Of The Universe」はこのアルバムの最後を飾るにふさわしい大作だ。つややかに伸び切ったシーンのヴォーカルとバックの楽器群との絶妙のアンサンブルは、彼らが類まれな資質を持ったグループであることの片鱗を垣間見させてくれる。
 以上、彼らのデビュー・アルバム「倒錯のギロチン・シアター」について若干の解説を試みたわけだが、手元に正式なクレジットがないのではっきりしたことはわからないが、A-3の「You Keep Me Hanging On」を除いた他の11曲は、恐らく全曲、彼らのオリジナルではないかと思う。

(管理人・註/B-1「Madman」も除いてくださいね。この項つづく)


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日本上陸(8)

2007-03-09 12:31:01 | Reminiscence
★Part 6
 B-1の「Madman」は、マイナー調のとても印象的なメロディーで、何やらクイーンを連想してしまう。このアルバムに収められている曲はどれも良い曲ばかりだが、なかでもこの曲はシングル・ヒットを狙えそうだ。
 続くB-2の「Time Warp」は軽快なアップ・テンポの曲で、シーンの小気味よく適度にワイルドなヴォーカルはとても説得力を持っている。ギターの間奏で「夜のストレンジャー」の1フレーズを演っているのは、ほんのご愛嬌か。
 B-3の「Alien」は、カドリー・トイズの総力を結集した力作といった感じで、非常にスケールの大きい豊かな曲想を持ったナンバーだ。曲の途中で3拍子から4拍子に変わるリズムや、コーラスのつけ方などにも彼らの工夫の跡が見受けられる。

(管理人・註/B-1「Madman」がマーク・ボランとデヴィッド・ボウイの共作という情報は、この時点では伝わっていなかったようです。この項つづく)

【ZOO / NO.24 昭和54年10月25日発行 p20-21】

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日本上陸(7)

2007-03-07 21:30:11 | Reminiscence
『グラム・ロックにパンクの味付けをしたグループ、カドリー・トイズ登場!!』

★Part 5
 次いでA-4の「Full Circle」はヴォーカルのシーンがしなやかに官能的に歌い上げるドラマチックなナンバーだ。この曲を聞いた人は誰でも、デヴィッド・ボウイのデビュー当時を思い起こさずにはいられないだろう。
 A-5の「Astral Joe」は、60年代のリバプール・サウンズ、マージー・ビートをベースにして作られた曲の様だ。懐かしさと同時に、カドリー・トイズの幅広い音楽性を窺い知ることができる。
 さてA面最後のA-6は、このアルバムのタイトルにもなっている「Guillotine Theatre」だ。このアルバムの中で唯一、この曲だけがライブ・レコーディングされているのも興味深いところ。場所は不明だが、ロンドンのライブ・ハウスの一軒だろう。ムンムンとした熱気が聞く側にも手に取る様に伝わってくる。

(管理人・註/A-6「Guillotine Theatre」が、どこでどんなふうにレコーディングされたのかは、パディさんによると「秘密!」だそうです。謎を残したまま、この項つづく)

【ZOO / NO.24 昭和54年10月25日発行 p20-21】


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日本上陸(6)

2007-03-05 18:20:25 | Reminiscence
『グラム・ロックにパンクの味付けをしたグループ、カドリー・トイズ登場!!』

★Part 4
 それでは次に曲の紹介に移ろう。
 まずA-1の「Introvenus」は、僅か3コーラスの非常に短い曲だが、文字通りこのアルバムのイントロといった感じで、きらめく様なバックの音となまめかしいヴォーカルがスロー・テンポの曲にうまく乗って、何やらおどろおどろしい雰囲気を漂わせており、嫌が上にも2曲目以降に耳を傾けたくなる。
 と思うや否や、切れ目なしにA-2の「Brain Saviour」のイントロに入ってしまった。初期のジェネレーションXを思わせる様なエネルギッシュでスピーディないかしたパンク・ナンバーだ。途中でサックスの間奏が入りセクシーなヴォーカルが後を追いかける。
 A-3は、何とバニラ・ファッジやロッド・スチュアートで有名なあの名曲中の名曲「You Keep Me Hanging On」だ。バニラ・ファッジのものよりも、よりハードに、よりアップ・テンポにアレンジが施されているが、コーラス・ハーモニーといい、キーボードの使い方といい、かなりの線を出している。
(この項つづく)

【ZOO / NO.24 昭和54年10月25日発行 p20-21】


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日本上陸(5)

2007-03-03 21:49:15 | Reminiscence
『グラム・ロックにパンクの味付けをしたグループ、カドリー・トイズ登場!!』

★Part 3
 さて、カドリー・トイズのデビュー・アルバム「倒錯のギロチン・シアター」に針を落としてみよう。聞いてみてまず感じることは、グラム・ロック全盛期に活躍したイギリスのグループ、シルヴァー・ヘッドに非常に近いサウンドを持っているということだ。とりわけ、ヴォーカルのシーン・パーセルは、声だけでなく、顔立ちや全体の感じまで、シルヴァー・ヘッドのヴォーカリスト、マイケル・デバレスによく似ている。(中略)
 さて、話が脇道にそれたが、このカドリー・トイズのサウンドの特徴は、哀調を帯びた美しいメロディ・ライン、ハードにアタックするリズム、妖気漂う官能的なヴォーカル、スペイシーなギターなど前述したシルヴァー・ヘッドを筆頭に、デヴィッド・ボウイ、T・レックス等のグラム・ロッカー達の影響を強く受けているが、それだけに留まらず、一連のパンク・グループの持っているパワーやスピードも兼ね備えていることだ。
(*途中のシルヴァーヘッドの説明が長いので省略しました。この項つづく)

【ZOO / NO.24 昭和54年10月25日発行 p20-21】



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日本上陸(4)

2007-03-02 02:59:46 | Reminiscence
『グラム・ロックにパンクの味付けをしたグループ、カドリー・トイズ登場!!』

★Part 2
 ところがどっこい、レイプトはしたたかに生きていた。メンバーを1人加えて5人編成になった彼らは、グループ名をカドリー・トイズ(抱きしめたくなるほど可愛いオモチャの意)という親しみやすい名前に改めると同時に、容姿もジャパンやクイーンを彷彿させるようなファッショナブルなスタイルに変身した。これは「いつまでもマイナーなパンク・バンドに甘んじていられるか、俺たちはメジャーな方向を目指すんだ」といった彼らの心意気のあらわれに他ならなかった。名前を変更したのも、レイプトというグループ名は、彼らの意図した意味と世間一般の受け取り方の間にかなりのギャップがあったからだ。彼らの本意は、レイプから連想される汚れたイメージではなく、「レイプト・バイ・ソサエティ」つまり「社会によって犯された人」言い換えれば「被害者」の意識をこめて名付けたものだったのだ。
 それでは、カドリー・トイズの5人のメンバーを紹介しよう。シーン・パーセル(ヴォーカル) フェビアン・クウェスト(ギター) トニー・バゲット(ベース) バディ・フィルド(ドラムス) ビリー・サージオナー(キーボード) このうち、ドラムスのバディが他でもない日本人である(日本名は不明)。
(*文中ではショーンが「シーン」、パディさんは「バディ」になってます。この項つづく)

【ZOO / NO.24 昭和54年10月25日発行 p20-21】



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