日本語教師の見た中国とか…

日本語教師が見た中国をつらつらと綴ろうとはじめました。帰国後、大学院生を経て今はとうとう専任日本語教師だ~。

ああ神様

2006-08-29 15:48:06 | 今日もトホホ
しらなかった。スサノオノミコトは実は暴れん坊だったのだ。古事記に出てくる神様だから、きっと聖人だとばかり思っていた。

 古事記によると、うんこを投げて人々を困らせたんだって。

 小学生か!!

 かくいう私も中国内モンゴル自治区にいたときは、草原で糞合戦なる遊びを考案して一大ブームを巻き起こしました(と思っているのは自分だけ)。まあ簡単に言うと羊のコロコロうんちを投げ合うという他愛もないゲームです。これは白熱してくるとやわらかい牛の糞に手を出す輩が出てきて大変困る。当てられた人の精神的ショックが大きすぎるのです。

 あの遊びはスサノオノミコトごっこだったのだ。

話は変わって、うんちのことをモンゴル語でバースといいます。かつての阪神の4番打者もバース。

 バース、打った、大きい!、バース大きい、バース大きい、バースはいった~~~!!!!

 わはははは。

 食事中の方は失礼いたしました。

 今日のテーマは古事記でした。←どこがやねん!

ランドマーク

2006-08-25 14:04:36 | 日本語
 エレキベースというバンドがいます。まだまだインディーズで、CDがオリコンチャートに入ったりするようなバンドではありませんが、ライブは超盛り上がります。そのライブが評価されたのか、台湾のフェスティバルに参加したそうな。そのときの紹介文がおもしろい・・・

 要チェック、奥田民生とパフィーを結合させたようなバンドです。

というタイトルに続き、「エレキベースは、後期ビートルズの影響をうけている」というような説明がありました。

 パフィーは民生がプロデュースしてるんだから、似てて当然、しかも民生がパフィーに提供した曲は、すんげービートルズをサンプリングしているから、結局紹介文が言っていることは一言に還元できます。

 エレキベースは、ビートルズっぽいのよ。ってこと。

たいした説明になってないなあ。例えば、「ルートビール」の味を説明するときに、発泡酒と第3の雑酒とビールを足した感じっていうてるようなものやんけ~。

 ちょっと違うかも・・・

それは置いておいて、なんでわざわざ民生やパフィーが例に挙がるかというと、台湾の人にとっては想像しやすいっちゅうことでしょうねえ。民生やパフィーと言えば、みんなどんな歌かわかるのです。こういう目立つ存在を認知言語学でランドマークといいます。ランドマークはみんながびびびっと瞬間的に理解できないといけません。

 椎名まことのエッセイ発売、今回はあのpa-hippyのブログのようなおもしろさです。

 な~んて例文はダメなんですね。ランドマークが弱すぎるから。

 えへへへへ、ははははは、ほっといてくれ!!

邦楽の方角

2006-08-21 07:15:22 | 日本語
ちょっと誘われて、邦楽の演奏会に行って来ました。

テンテケテンテケ、お琴と尺八ばっかりやったらきっと眠いだろうと思っていたのに、最近は結構進化しているのです。例えば曲目、

 ホワイトフォレスト

 ブルーウインドウ

などというハイカラなタイトルなんですよ。びつくりです。しかも二本の尺八で違うメロディーをハモったりして、なんだか邦楽ではないみたい。これらは平成になってから作られた、邦楽の曲なんですって。もちろん、

 越後獅子

とかいう、いかにも「ザ 昭和!!」って感じの曲もありましたが、どんどん伝統芸能も進化していくのだなあと思ってしまいました。最後に出てきたおじさんなんか、尺八吹きながら、体を揺らしてリズムを取っていました。これは伝統的なスタイルからみると、御法度なんだそうな。

 尺八吹くときはじっとしとれい!!

みたいな規範があるんですって。最後のあいさつに出てきた人間国宝の方は、いろいろチクチク皮肉っていました。

 「ホワイトフォレストなんていわずに、白い森でえーやんか!!(本人は関西弁で言った訳じゃないんだケド)」

やっぱ、保守的なんですね~。

こんなところでも、外来語の問題が出ているのですね。


 僕はホワイトフォレスト好きだけどな~。

 
 ピロピロピピロピロピロってところが。
  ↑
 どんなメロディかわからへんのう。
 

車の傷

2006-08-19 09:41:51 | 今日もトホホ
 今年の春に父の車をこすってしまいました。ちゃうねんちゃうねん、おれが悪いのではなく橋の幅が狭すぎるねん。だいたい田舎の橋は、みんな車で通過するんやさかい、もっとひろ~~くしておくべきやねん。すべて地方政府の責任やねん!!

 はあ、言い訳はむなしい。

それはおいておいて、こすったところがサビてきて、もうどーしようもなく目立つようになりました。当然のように親父にばれてしまい、聞かれました。

 「お前、車の横の傷しらんか?」

さ~て、ここでどんなリアクションをとるかで、今後の親子関係が決まります。


 1、しらん!! っと勢いでごまかす

 2、う~ん、そうねえ…と明らかにあわてる

 3、ゴメンゴメン、うっかりしてたんよ、父さんを迎えに行くときにこすってん(白状しつつ、無理やり人のせいにしている)。


1、だと、母親が容疑者になってしまい、どうも具合が悪い。2、だと白状しないのに自分が犯人だとばれて、これもいまいち。まあ、3、がいいとは思うのですが、自分自身も車をこすったことを忘れていたので、なかなか素直に3、は言えないものです。

 結局、2、のリアクションでごまかしてしまった。

 明らかに父は疑っている。

 どーしよっかな、どーしよっかな、どこで切り出したらいいものか。

 ある瞬間にぴたっとはまる適切な言葉、それが出てくれば人生のトラブルはだいたい回避できるんでしょうね~。

 
 言葉は偉大だ。

伝えたいことは何か?

2006-08-17 17:26:49 | 日本語
電車の中って、痴漢防止のポスターがたまにありますね。

関東では、「痴漢行為は犯罪です。決して行わないように。」みたいな、くどくどとしてて厳粛なムードのポスターです。ところが関西では・・・

 「ちかんアカン」

この一言。ストレートですね~。

これは少し前のドンドコドン(ぐっさんのいたコンビ)のネタです。う~ん、なるほど、関西は伝えたいことをストレートで言うんだなあって納得してしまいます。どっちがええかという問題ではなく、伝えたいことをどうやって伝えるかってのは地域差があってもおかしくはないはず。

 似たような話が尾上圭介先生の「大阪ことば学」に出ています。

関東の動物園ではオリの前に「危険ですから手や顔を近づけないでください。」と書いています。ところがところが、関西の王子動物園では一言だけ・・・

 「かみます」

わははははは、ストレートですねえ。しかもこのような看板は関西では多いみたいです。動物はかむもんやさかい、当然近づくなよ!!みたいな強いメッセージが感じられます。でもでもこうやって看板があるだけましです。まあ、親切というかおせっかいというか・・・

 動物がかむことなんて書かなくてもわかるやん。

こういう発想だってありえるわけですよ。妹尾かっぱさんがイタリア旅行して、ピサの斜塔は上ってから外に出られるということを旅行記に書いています。そこで、「この塔はこんなに傾いているのに手すりがないなんて危なくないの?」とイタリア人に尋ねたそうな。その答えは、

 「危ないと思ったら、外に出なければいいんだよ」

だそうな。この感覚すげ~大好き。

日本だったらとっとと手すりをつけた後で、「危ないですから、外に出るときはかならず手すりにつかまってください」な~んて書きそうでしょ。

 関東と関西、ちょっと伝え方は違えど、発想はやっぱりどっぷり日本なんですよね~。
 


田舎のにぎわい

2006-08-14 13:27:30 | 日本語
 お盆ですね~。

私の住む集落はこの期間、人口が二倍になるという超‘帰省先’なのです。Uターンなんていいますが、この集落の平均年齢も上がっており、あと何年Uターンは続くのでしょうかねえ。結局両親がいなくなるとみんな帰ってこなくなるわけです。

 そう考えるとお盆のラッシュなんてのもなくなっていくのでしょうかね。

話は変わって、このあたりの方言はちょっとかわいい。敬語があるんです。方言が敬語を持ってるってなんだか素敵です。

 今はかろうじて帰省中に方言を使っている若手世代も、だんだん方言を忘れていくのでしょうね~。そう考えるとなんだか寂しいものを感じてしまいます。

 とりあえずちびっ子をつかまえて、方言でもたたきこもうかな~

 な~んて、僕自身、ここの方言ができないんだった。

 
 昔、スノーモービルに乗っているエスキモーに向かって

 「エスキモーは犬ぞりに乗るべきだ!!」

っていきがっていた人類学者がいました。←ほっといたれよ~。

当時私は、ヨーロッパ人ってなんて傲慢なんだと思っていましたが、私のような部外者が現地の人に「方言を話すべきだ」な~んて言うのは同じことですね。

 よけーなお世話なんです、きっと。

 でもでもでもでも、やっぱ、方言ってかわいいんですよね。

 なんとか生き延びろよ~。
 
  

ランキング大好き

2006-08-12 19:34:41 | 異文化
 弟が教員採用試験を受けました。ろくに勉強もしてないので、合格するわけもなくC判定というめでたくもない結果が届きました。

 ‘不合格’と書けば一言で済むものをわざわざC判定だなんて、

 「チミは完全に合格ラインから離れとるよ!」

 と言外に批判されているようで、なんだかやるせないねえ。

 「日本人はどうもランキングが大好きなようだ」というのはいろんな人が指摘しています。その通りですよね~。毎日、新聞にはプロ野球の打率順、防御率順なんかが掲載されているし、時には「大阪は離婚率日本一だ」とか、どーでもいいことをランキングにしています。不合格者にも当然ランキングをつければ、喜ばれるだろうという配慮ですかね~。

 日本で野球がサッカーより人気なのはランキングしやすいからだと思ったりしています。サッカーの得点率なんて、個人だけの能力じゃないですもんねえ。

 ちなみにブログにもアクセス数でのランキングがあります。

 このブログはね


 ・・・圏外

 
 ばかやろー、うまい寿司屋は客を選ぶんだよー!!

 ふふふふ負け惜しみ。

日本語のアクセント

2006-08-10 15:45:00 | 日本語
日本語のアクセントは英語と全然違います。

 brother ← ‘o’ を強く発音する
 
 きょうだい ← ‘きょ’ を高く発音する(関西ではここが低い)

ある部分を、強く発音するタイプの言語と、ある部分を高く発音する言語というのが世の中にはあるわけです。人間である以上、強さか高さでアクセントを表すのがわかりやすいのでしょうね~。他にアクセントを表そうと思えば、例えば・・・

 ある部分だけ、やんわり言う

  ↑ こんなんやったら疲れそう
 
 ある部分だけニタニタする

  ↑ 効率悪いし、気持ち悪い~

 ある部分だけちっちっちって舌打ちする

  ↑めんどくさすぎる!

まあ、やっぱり、強さか高さに落ち着くのでしょう。ところでところで、かなり前に「笑っていいとも」で、楽器を吹いてもらって、その楽器が言ってる(であろう)ことばを当てるというゲームをしてました。楽器が表すことができるのは、音の上下だから、まさに、高さでアクセントを表す日本語ならではのゲームなのです。

 そう考えると、横山ホットブラザーズがのこぎりで奏でる

 お~ま~え~は~、あ~ほ~か~

っていうネタも、日本語ならではっちゅうことになります。ホットブラザーズがもし、みんなアメリカ人だったら、のこぎりで言葉を出そうなんて発想にはならなかったでしょうね~。


 あんな顔のアメリカ人がいたらおもろいなあ。

想定と理解

2006-08-08 11:20:44 | 日本語
今朝テレビを見ていたら、レポーターが漁師さんと会話をすると言う典型的ありがちな朝のぼのぼの番組でした。

 このレポーター、猟師の話をちゃんと聞き取ってない。

 「この魚は何ですか?」

 「おこぜ」

 「は?は?」

 「おこぜ」

 「は?ごごす?」

 
 ‘ゴゴス’ってなんやねん!レストランみたいやんか。

 もちろんね、このおじさんはなまっています。聞き取りにくいのは確か。でもでも、ちゃんと魚の名前くらい予習してからいくべきやろ~。名前を知っていればちゃんと聞き取れるものです。私(元漁師志願者)には聞き取れるんだから。

 そもそも会話のやり取りなんて、音声学的な音の連鎖を聞き取っているだけではなく、相手の発話から自分の想定した単語を確認する作業です。つまり、まったく知識のない言葉をそのまま聞き取るのは大変なことなのです。

 いくら方言でも、いくつか頭の中に魚の名前を思い浮かべながら聞けば理解はできるはずよん。

 
 先日父親と車に乗っていた際、カーステからガガガスペシャルを流していました。

 「誰が歌ってるの?」

 「ガガガSP」

 「は?」

 「ガガガSP」
 
 「うん?」
 
 「ガガガSP」

 「なかがわ家?」

 なんでやねん、漫才師ちゃうわ!!

 ガガガなどという有声軟口蓋破裂音が三つも連続するなんて、父親には想定外なのでした。

 言葉の理解なんてそんなものじゃないかな~。

ナイフとはさみのカテゴリー

2006-08-06 18:53:49 | 中国
ホストファミリーに料理を作ることになり、台所に入ってきた中国人留学生。

 「ナイフを貸して下さい」

ホストマザーは、果物ナイフを出してきて、手渡しました。

 「違います、刀を貸して下さい。」と留学生。

ええっ、日本刀なんか振り回して、あんた、なんばしよるのですか?と、びびってしまったのはホストマザー。
 
 この話は、「はてな?のニッポン」(作者:ポンフェイ)という本に出てきます。すげー、よくわかるんですよね~、この留学生が欲しかったのは包丁です。

 日本語で刃物を表す言葉を並べてみます。

 ナイフ、包丁、刀、はさみ、カッター、・・・全部名前が違う。

 ちなみに中国語では・・・

 小刀、菜刀、刀、剪刀、紙刀・・・すべて「刀」がつく。

そんなこんなで、冒頭のようないい間違いが出てくるんですね~。あるカテゴリを表す単語に、すべて共通点があるというのは、すごくわかりやすいんですよ。日本人が中国語を学ぶときも、すごく整理しやすいです。日本語の刃物類は、だめですね~。外国語やら漢語やら和語やらまざっててわからない。きっと勉強するひとにはめんどくさいのでしょうね~。

 
 みなさんも、もし留学生に「刀を貸して」と言われたら、

 「いや、せっしゃのは鯵さし(しょぼい刀のこと)でござる」

 などとわけの分からないことをいってごまかしましょう。

 きっとそこから会話は弾む・・・はず。


 料理は進まないだろうケドね~  

シュレックと関西弁

2006-08-02 13:35:06 | 日本語
「シュレック」のテレビ放送、みなさま見ました?

あの顔の表情リアルですよね~、などという感想が書きたいのではなくて、これはあくまで言語学的なブログ。興味の対象はシュレックの話していた日本語なのです。

 はまちゃんの関西弁、しっくりくるんですよねえ。

元々英語なんだから、何弁に翻訳してもええわけですよ。でもでもシュレックがウチナーグチとかで、話すのも変だ。

 「ちょっちゅね~、ちゅらさんがうみんちゅさー。さーたあんだぎー。」

あはは、知ってる沖縄語を書いたつもりですが、どう考えても‘ちょっちゅね~’は具志堅さんの口癖だな。話は戻って、シュレックの話。シュレックみたいに小太りで、ちょっとがさつで、ちょっと頑固なキャラってのは関西弁があうんですよね。

 昔「パーマン」という藤子不二夫の漫画に「パーヤン」という関西弁キャラがいました。彼もなんだか、こぶとりでがさつで・・・というステレオタイプを満たしておりました。当然ですが、関西人はすべてパーヤンみたいなキャラではないんですよ。

 「愛媛では蛇口からオレンジジュースが出る」っちゅうくらい偏ったステレオタイプです。

 話はクルっと変わり、UFO番組とかに出てくるアメリカ人農夫は、必ず方言に訳されます。 

 「あんだあ、あの山の上あたりに、黄色い光が降りてきただよ~」

うちらは言葉自体にステレオタイプを持っているのですね。金水敏先生の「ヴァーチャル日本語 役割語の謎」にはこんなおもしろい例がいっぱい出ています。


 方言を低く見てるわけではありませんからね~。

 
 わしは関西人じゃけー、方言はでら好きだわ。