日本語教師の見た中国とか…

日本語教師が見た中国をつらつらと綴ろうとはじめました。帰国後、大学院生を経て今はとうとう専任日本語教師だ~。

歌詞における指示詞

2008-01-30 19:35:31 | 日本語
こっこの『Raining』は歌詞が素敵。文法ウンチクが好きな人にはもってこいの教材ではないかと…。こっこにも文法にも興味がない人には全く面白みのないブログですが今日はご勘弁


「ママ譲りの赤毛を2つに束ねて みつあみ揺れてた なぜだったのだろうと 今も想うけれどまだわからないよ 静かに席を立って ハサミを握りしめて おさげを切り落とした」

ここまでがÅメロBメロ。状況設定がはっきりわからない「ある時点」においての悲しい出来事がつらつらと導入されています。

「それは とても晴れた日で 未来なんて いらないと想ってた 私は無力で 言葉を選べずに 帰り道のにおいだけ 優しかった 生きていける そんな気がしていた 教室で誰かが笑ってた それは とても晴れた日で」

サビになると指示詞「それ」が二回出てきます。「それ」というのは現実世界と直接関わりのない文章の中の世界を指示するとされており、この歌で言うとABメロで導入された「ある時点」を指すことになります。タイトルが「Raining」なのにサビでは「晴れた日」ってフレーズが耳に残ります。

なんやなんや!矛盾してへんか~??

っていう心配が、一部のせっかちな人(私を含む)の間に浮かんできます。2番は省略しますが、同様に「それ」は「晴れた日」ってフレーズがまたまたリフレインされるのです。

なんでやなんでや!?っていう疑問を抱いたまま終盤に差し掛かったとき・・・

「今日みたく雨なら きっと泣けてた」

そうか~、今日は雨だったのね。と納得するわけです。

「ある時点」を導入して、その架空の時点を「それ」でひっぱってきて、最後で今日の様子と比べるという展開は、「それ」という指示詞の功績が大きいのではないかと思うのです。英語見たく、「this」「that」しかない言語では、日本語みたいな架空の時点を明確にひっぱりつづけることはできないのではないかと思うのです。もちろん、似たようなことはいえるはずですが、ニュアンスが異なるはず…

そのへんのところを詩人はつくんだな。

そのへんっていうのはどのへんかというとですね…

はははは、やめとこ、話がおわらへんようになってまう。

それでは、失礼。

大笑い捕り物帳

2008-01-24 23:46:58 | 日本語教育
 前回ちょっとだけ登場したブラジル人ラルク君の話。

 昨日、授業をブッチして雲隠れしたのです。

うちの学校は超おりこうさんばっか集めているので、授業をサボるなんて人はいません。だからこそ、授業に来ない人がいると職員室はアワアワワラワラ。部屋に電話してもいない、授業にも来ない、「パソコンルームで見かけた」「食後大騒ぎで雪合戦をしていた」という未確認情報だけが寄せられました。

 先輩と私は急遽、ラルク捜索部隊を編成し、捜索開始。気分は水谷豊についていく寺脇康文。冷静に考えると、ラルクは私の担任クラスでもないし、担当授業もない。だから、私が捜索に加わったのは、

 おもしろそうだったから刺激が欲しかったの。

ラルクはカラオケ大好きなので、まずはカラオケルームに。気持ちよく歌っているところにブーツでドアをドカーッと蹴って、

 「観念しろ!!」

みたいなシーンを想像したのですが・・・残念。犯人はいない。この瞬間、もう捜索が面倒になってきた私は、先輩と一緒に適当に2,3箇所部屋をみて帰りました。

 夕方

のん気に買い物から帰ってきたラルクを私がこっそりチクッて、先輩が逮捕。

 「4時35分、身柄を押さえました。」

見たいな感じでした。その後、チマチマと取調べがあったんですが、めんどくさそうだったので私はパス(っていうか担当教師でもないんだから当たり前)。その時の会話がすごい。

 「なんで授業にでないんだ?」

 「昼ごはんを食べたら、体調が崩れすぐに部屋で休んでいました。」

 「部屋に調べに行ったときにいなかったでしょ?」

 「実は、友達の部屋で休んでいました。」

 「食後雪合戦してたじゃないか?」

 「あのあと、疲れて寝てました。」

 「パソコンルームにいたんじゃないのか?」

 「パソコンもしました。」

 「今、買い物からかえってきたんだろ?」

 「今は元気です。」

まあ、すごい会話。よくこれだけ、適当に言い訳が言えるなあ。全くつじつまが合ってなくても本人は気にならないみたい。

職員室は大爆笑でしたとさ・・・

ひなたぼっこ

2008-01-19 13:21:38 | 日本語教育
 うちの学校には無駄にでかいロビーがあり、2階にもロビーがあるという、ロビー大好き学校です。2階のロビーはさして人通りもないので、学生がグダグダすることができます。通りすがりにちょこちょこ目線をやっていると、実は、いつも同じ学生がいることに気づきました。バングラデシュのベンガル君(仮称)。

 ベンガル君はソファーが似合う。ベストジーニストならぬ、ベストソファニストがあったなら、必ず選ばれるであろう男です。

 よーくよーくみると、ソファーにゴロゴロしながら、毎日必死に漢字を覚えているのです。

 まあ、勉強スタイルは人ぞれぞれやから、ソファーでゴロゴロしないと漢字が覚えられない人もいるわけです。ふふーんって思っていたんですが、来る日も来る日も、ベンガル君は一生懸命ゴロゴロしながら漢字をやっているのです。思わず声をかけてしまいました。「よくがんばるね~」って。

 対照的なのは、ブラジルから来たラルク君(仮称)。漢字は全くやる気がない。日本に来日した初日から漢字テストを放棄したという、我が学校始まって以来の武闘派。ラルク君は会話などを通して、会話日本語を習得したようで、人の発話を聞きながら勉強するタイプ。これはこれで立派な態度だとは思います。

 でもね~~~

やっぱ、コツコツする人が好きだな~。覗き込んだノートに並んでいるベンガル君の漢字は全日本金釘流宗家って感じのもので、おせじにもうまいとはいえないんだけど…

継続は力なりよ。

なんか、コロ助みたい。


晴れすぎた空

2008-01-11 10:35:43 | 異文化
 最後のハワイネタ。

 滞在最終日、私はまとわりつきたがる父を振り払って一人でブラブラさせてもらいました。ワイキキは人間の臭いがなくて嫌なので、思いっきり郊外に…そこではライトバンを止めてキャンプ用のいすに腰掛けたおじさんがいました。よ~くみるとコソコソと何かを売っているようなのです。コソコソした人々が大好きな私は、近寄ってみると、ちいさな看板に

 pickled mango

ふふ~ん、ベビーブーマー受験戦争を勝ち抜いた私をなめるなよ~、と思いつつ看板の文字を解釈しようとした私。頭に浮かんだ単語は・・・tickle(くすぐる)。その時点では誤解しているだなんて全く思ってもいなかった私は…
 
 くすぐられたマンゴー・・・ぜったい甘そう!!

とおもってしまったのです。そんなこんなで、キャンプイスでうつらうつらしているおやじを一喝。はあ~い!呼んでみても、おやじはまったく起きてこない。もういっかい、えくすきゅーずみー!と呼ぶと、おやじは寝たママなのにライトバンから奥さんらしき人が起きてきました。

 なんじゃい!夫婦一緒に寝てたんかいな!

その奥さんの顔、うちの近所に住んでいる上田のおばあちゃんにそっくりでした。そんなことは気にせず、「甘いマンゴーおくれよ!」と言うと、「ウチのはpickledだよ。」とのたまう上田オババ。わかってるよ、そんなことは、甘いんでしょ?などと思いつつ、品物を見せてもらったら、クーラーボックスから出てきた写真のマンゴ。上田オババは私が日本人だとわかったらしく、突然・・・

 ゼニ アルカイ?

とカタコトで聞いてきました。あるに決まってるよ。金もなく物売りに声かけたらただの嫌がらせやんか!と思いつつ、勢いで「pickled mango」を買いました。上だのオババはカタコトで、

 ア・リ・ガ・ト

と言ってくれました。よくよく考えると、日本人狙いの物売りなら、わざわざ郊外でやったりしないだろうし、なにより引っかかったのは‘ゼニ’という単語。きっと日系人なんでしょうねえ、両親から習った単語を私に話してくれたんだと思います。

 明治期以降にハワイに移った日系人。帰りの船賃も持たずに捨て身で渡ったと言われています。ハワイでは農業労働者としてこき使われて、そのまま太平洋戦争が始まり踏んだり蹴ったり。戦争でハワイ出身将兵の戦死者は806人、その内日系人は506人。この数字から、当時の日系人の苦悩が読み取れます。外国人がよそのコミュニティに入り込んで生活するのは本当に大変なことなのです。能天気に夫婦で昼寝している上田のオババもきっと言葉では言えない苦労をしてきたんだろうなと思ってしまいました。

 そんなことをグダグダ考えながら、歩きつつかじった「pickled mango」。


 なんじゃなんじゃ!ものすごい、すっぱーい!!


 そうか、‘pickled’って「ピクルス」って意味だったっけ。


 最終日は文字通り甘酸っぱい思い出になりました。   

 
 ハワイ紀行オワリ。

弾丸・ポルノ・ハッシッシ

2008-01-09 17:53:45 | 異文化
 どうもいけない。前もエジプト滞在中に感じたことですが、日本人男児のイメージがよくない気がするのです。ハワイでもやたら寄ってくる人は、

 実弾撃ちませんか?

 ポルノDVDどう?もしくは ストリップどう?

 ハッシッシやる?

ちなみに、実弾とポルノは合法なので、堂々とコソコソしてるんだけど、ハッシッシはコソコソしまくりです。実弾とハッシッシは、海外の浮かれポンチな外人ならだれでもやりそうなもんだけど、問題は真ん中のエロ関連商品ですわ。

 完璧に、日本人狙いで売り込んでくるもの。

イエローモンキーならぬ、エロエロモンキーですね、うちらわ。前もエジプトで知り合ったデンマーク人から「日本ではエンコウというビジネスで女が金を稼ぐらしい」などと言われたものですが、ハワイでは、日本人が喜んでストリップに行くと思われているようです。確かに喜んでいく人は多いんだろうケド。

 ぼーっと海を見ていたとしても、

 「やべやべ、現地人は僕のことを水着ギャル目当てのパパラッチ野郎だと思ってるんじゃないか」

などと、心配で、ろくにぼーっとしてられない。おもむろに目線をちびっ子にむけたりしましたよ(それはそれで怪しまれるかもしれないケド)。


 なんとかならんかなあ、このステレオタイプ。


 いやいや、僕は行ってないっちゅうねん。

 今、疑ったでしょ?そこのあなた。
 

世界の車窓から

2008-01-08 19:21:28 | 異文化
 さあさあ、久しぶりにやってきました「世界の車窓から」。だれもそんなこと覚えていないだろうけど、このタイトルはちょこちょこ書いているのです。ハワイは鉄道がないので、仕方なくバスの話。バスだって、車窓があるんだからしょうがない。

 ワイキキを出たローカルバスは一路山中を北進、「さ~てのんびり外を見よう」と思った矢先・・・。

 なんにも見えへん。窓が汚すぎる。

ハワイとはいえ、ローカルバスはそんなもんですよ。たった2ドルで4時間かけて島を一周するというおそろしく安価なバスなんです。当然(当然か!?)窓そうじなんかやってられねーんだよっていうおじさんの鼻息が聞こえそう。

 1時間ちょっとで諦めて下車。外見えないんだもの。下車すると次のバスに乗れるけど、もう一度お金を払うシステム。まあ、2ドルくらいいいのよ。ちょっと町をブラブラして次のバスに乗り込んでみると・・・

 またまたなんにも見えへん。窓が汚すぎる。

仕方なく目線を車内に移す。安価バスにはフランス人パッカーとシャイシャイジャパニーズ(古い!)の私。そのたローカルピーポー多数。なんと車内には3人連れの白人女子高校生が!!目立つのなんのって。その理由は、真ん中に座っている女の子の存在感。

 両端の子の体重の和<真ん中の子の体重

真ん中の子は、昔ドラゴンボールに出てきた魔人ブーにそっくり。なぜかその魔人ブーはフランス人パッカーに話しかけているのです。

 うちはホテルやってて、テント村もあるから、宿がまだならどうよ?

女子高生ながら、なんともけなげじゃないですか!両親の仕事の手伝いだなんて。っていうかただおしゃべりしてただけって感じでしたが…

 その後乗り込んできたのは、ハワイ人男子高校生3人組。真ん中の子はランディーズの高井そっくりで色男でした。三人ともボディーボードを持って乗り込んできました。これからひと泳ぎしよーぜっていうノリですね。

 その後来たのは、ハワイ人カップル。どっちが男でどっちが女の子なのかななんていう失礼な妄想をしてしまう、中性的な二人でした。

 島一周が4時間。

この間に見たのは、白人は白人と群れてて、ハワイ人はハワイ人といっしょ。前にも書きましたが、ハワイ人の母語は白人(本土アメリカ人)と同じ英語です。白人とハワイ人がもっと混ざっているのかと思いきや、やっぱ、生活は別々なんですね~。もちろん混ざっている人もいるんだろうけど…

 これから日本には数十万単位でフィリピン人・インドネシア人労働者が入ってきます。入ってきてくださります。そうしないと社会が成り立たない時代になってきます。英語母語話者同士でも混ざらないのに、母語が異なる我々はうまくやっていけるのでしょうか?それを混ぜていく方法はかんがえ続けにゃいかんなあ。

 そんなことを考えてしまうローカルバスの旅でした。

カ・メハメハ(ハワイ語2)

2008-01-06 09:34:05 | 言語
 ハワイ語について書いたらえれーアクセスが伸びました(まあ、たぶんなんかの偶然だろうケド)。それでもなんでも二匹目のドジョウを狙ってハワイ語ネタ。ハワイ語は畳語形式が多いことで知られています。

 冒頭のメハメハとは「孤独」という意味

 ヒラヒラ 恥ずかしい
 ホロホロ 散歩する

なんか、かわいいでしょ??しかしこういった形式は、「子供っぽい」としばしば批判対象になっているのでした。ほんまにヨーロッパ人って自己中心だわ。この形式は実は機能的に非常に優れているのです。

 クイ 殴る  →  クイクイ 殴り続ける
 ハイ 言う  →  ハイハイ 言い合う
 アウ 泳ぐ  →  アウアウ 水浴びする

ある単語と別の単語に関係性がつけられますよねえ。これは暗記の効率を上げるし外国人にとってもうれしいことです。こういう関係を言語学で類像性(iconicity)といいます。日本語にも似たような現象があるから、うちらにはなじみやすいのですよ。

 キラ → キラキラ
 クルリ → クルクル

これらは英語などでは副詞をつけて表すような微妙な表現を言い分けることができると言われています。表現が豊かになるんですね。こんなところからもハワイ語と日本語の近さが感じられます。

 最後に復習

 文法について熱くハイハイした私は、頭を冷やそうとホロホロに出た。
 ジャイアンがのびたをクイクイした結果、みんなに嫌われメハメハになった。
 しずかちゃんはアウアウしているところをのびたに見られてヒラヒラだ。


 かわいい

 



 

ハワイ語

2008-01-04 08:24:41 | 言語
 ワイキキのサービス業関連の人々は、アロハ~とかマハロ~などとあいさつしてくれます。なんだか南国気分で気持ちいいのですが、彼らは観光地モードでハワイ語のあいさつを使っているだけで、ハワイ語ネイティブではありません。みんな母語は英語。

 ハワイ語母語話者は現在1000人足らず(お年寄りばかり)と言われております(『ハワイ語のすべて』(2007))。この数は近いうちに必ず絶滅してしまう絶滅確定言語になります。ある言語が消滅するということは、外野からみれば悲しいことですが、本人達は意外と何も思っていないこともあります。政策や経済活動の結果としてこうなってしまうのです。

 「英語をしゃべったほうが便利だ」

っていう発想が、現在の状況につながっていくのだと思います。ところで、ハワイ語は子音が少ないことで有名です。摩擦音のsや破裂音のd、半母音のyなどがありません。だから…

 クリスマス→カリキマカ
 ダイヤモンド→カイマナ

なんて発音に変わってしまいます。メレ、カリキマカ!なんていうあいさつは、日本人にとってものすごく発音しやすいと思うのです。日本人にとって使いやすいのは当然であり、薄いけど日本語との血縁関係が認められるのです。日本語の起源の一部とされるオーストロネシア語が、

台湾→インドネシア→オーストラリア→タヒチ→ハワイ

という順に広がっていったと考えられています。そういうふうに考えると、日本語と関わりのあるハワイ語が絶滅してしまうというのはなんだか他人事のように思えないのです。

 日本語は漢字を輸入して平仮名を発明することで文字を持つことができました。ハワイ語は文字をもたなかったのです。それも絶滅に関わっている気がします。

 文字の力は大きいのだ。
 

 アロハ、マハロ、なんていう語彙レベルでハワイ語が英語に溶け込んで生き残ってくれたらいいな~と思うのです。


 おくればせながら・・・メレ、カリキマカ!!!

「日本語通じます」考

2008-01-02 22:00:30 | 日本語
 もう日本に帰ってきてしまったけど、いろいろ気になることがあったのでつべこべ論じさせていただきます。たいがいのガイドブック書いてあるのは…

 「ワイキキでは日本語が通じます」

たしかにそうです。サービス業関係者は日本人がいたりして、「このライターは嵐のマツジュンが買った」だとか、いろいろな情報を下さります。ところが、バスとかタクシーの運ちゃんは微妙です。

 ある日乗ったトロリーバスは、運ちゃんがマイケルジャクソン似のおばちゃんでした。

 ホー!!

とか言いそうでやんの。

 乗るなり私に「ドコイクノ!?」ときいてきやがりました。どこいくもなにも、ブラブラ街を見たいがけやがな~と言っても通じなさそうな臭いがしたので適当にごまかしました。そもそもなんで行き先を聞かれるのかわからなかったのです。
 
 そのおばちゃんは、子連れのアメリカ人客が乗ってきたとき日本語で私に、「立って!」と言うのです。おいおいおいおいまってくれよ~(出川さん風)。そこに太っているアングロサクソンがいるじゃねえかよ~、なんでイエローモンキーにだけ注意するんだよ!と思ったものの、めんどくさいから、席を譲りました。後から知ったのですが、トロリーバスにはルールがメチャ多い。

 子供を立たしたまま運行出来ない。
 車中に3カ所立っては行けない場所がある。
 ピンク路線で行けるところに赤路線で行ってはいけない。
 足をブランブランしてはいけない。

まあ、すべて安全上・機能上の理由です。これらの理由を日本人に伝えるときに、「ちょっと待って、ちょっと立って、ちょっとおりて、ちょっとやめて」なんて日本語で言うんですが、促音が苦手だったりして「ちょっと待て」「ちょっと立て」みたいに聞こえることもあり、かなり感じが悪いんです。

 そんなこんなですっかり気分を害していたわたしですが、根本的な違和感はなにかというと、我々高コンテクスト文化のイエローモンキーには、命令形を連発するよりも、命令の理由を言ってくれた方が気持ちいいのではないかということです。

 すみません、子供を立たせてはいけないことになっています。
 すみません、そこは危ないですよ。

などと理由を言ってくれたら、日本人はもうちょっと気持ちよく動くと思うのですよ。そういうのを言わないで、命令だけ言ってしまうと本当にきつく聞こえます。


 日本語で命令するしかできないなら、英語でゆっくりしゃべった方がいいんじゃないかな~。


 言葉が通じるっていうのは、上っ面だけのものではないはず。

 
 日本語を学びたいなら、いつでも教えてあげるのに