日本語教師の見た中国とか…

日本語教師が見た中国をつらつらと綴ろうとはじめました。帰国後、大学院生を経て今はとうとう専任日本語教師だ~。

ワイハーでうかれて候

2007-12-30 16:14:50 | 異文化
 やばいっすやばいっす、パッカーには禁断の地、ハワイにきてしまいました。快適、安全を絵に描いたような楽園は、いまだに日本人観光客をひきつけてやまないんですね。アメリカ本土のアメリカ人にとってもここは楽園なわけで、アメリカンもたくさんいるのですが、明らかに日本人とアメリカ人は住み分けしている気がします。

 ダイアモンドヘッドを登山しているのは、9割くらいはアメリカ人(他のヨーロッパ人もいるんだろうけど、見分けがつかない)。(入場料1ドル)

 パールハーバーで行列を作っているのも9割は欧米人。確かに日本人は居心地がよいものではないけど。(無料)

 チャイナタウンで屋外カフェなんぞに行くと、ほとんど日本人には会わない。

 ところが、アラモアナショッピングセンター行きのバスには9割以上日本人。運ちゃんも日本語で注意したりするし、どこにいるんだかわかりゃあしない。まあ、旅の楽しみ方はいろいろあると思うんだけど、日本人は旅行者というよりも、消費者って感じですね。海外の買い物は確かに楽しいもの。

 ハワイ経済は日本経済と連動しているというけど、人当りの消費が圧倒的に多いのが日本人。まさに経済の主軸とかかわっている気がする日本人。
 

 もっと、どうどうと歩こうかな。

中央線

2007-12-26 13:40:16 | 日本語教育
 昨日テレビに宮沢さんが出てて、『中央線』を歌っていました。何をかくそう(だれもなにも隠さないケド)、1990年当時、私の回りでは大流行した歌です。みんなぽろろ~んっとチューニングはずれのギターを爪弾いては、

 きみのいえのほう~に~♪

ってやっていました。日本語教師になってはじめて教えた歌も『中央線』、みんな拍の裏取りが苦手で、教材としては成り立たないと気づいた曲でもあります。
 
  中央線
  ↓↓↓
http://www.youtube.com/watch?v=95QwzcZFTfc

 そんなセンチメンタルな思い出話はどうでもえーねん。

当時関西の田舎モノだった私は、『中央線』っていうのが東京に実在する路線だなんて知るよしもなく、勝手にいろんなことを想像していました。大人になってはじめて中央線に乗ったときは、想像世界が壊れていくのを感じました。当時の宮沢さんの彼女が、中央線沿線に乗っていたんだと昨日おっしゃっていました。

 ところで、『中央線』が『京浜東北線』だったら、あんなにヒットしなかったと思うのです。

 はしりだせ~、けいひんとうほくせん♪

まず、拍数が合わないからこれは論外として、『環状線』にしたところで、やはりイメージが違うのです。

 はしりだせ~、かんじょうせ~ん♪

 「ええ?つるはしに焼肉でも食べに行くの?」

みたいな歌になってしまうのです(もんのすごい主観的解釈)。やっぱ、実在する中央線を知らなかったからこそ、不思議な仮想世界が高校生だった私の頭をクルクルまわったんだな~と思うのです。

 『脳と仮想』茂木健一郎

では、サンタクロースが仮想であるからこそ、切実な存在としてありえるということを述べておられます。すげー納得。


 脳って不思議。

使役と受身

2007-12-23 21:50:09 | 日本語
 関東に来てみてテレビに出てくる芸人さんが関西とずいぶん違うな~と実感。番組が違うんだから当たり前かなあ。ライト東野とレフト藤井が夜中にやっている芸人さん番組にはビミョーな芸人さんがたくさん出てきます(関西でもやってるのかなあ?)。関西では昔に活躍していた人が、今頃出てきたり(Gメンズのザコシショーとか)、関西では全く知らなかった人とか…

 芸人さんもビミョーなクラスになると「笑わせて」いるんだか、「笑われて」いるんだかどっちかわからへん。

 使役と受身は本質的に似ているんだなあと実感。

 息子に死なれた vs 息子を死なせた

なんていう対立も、基本的な意味は同じだと言われています。つまり、自分の息子がなくなったんですね。そこでなにか被害や影響が自分に及ぶと前者の例を発し、自分が責任を感じると後者を発することになります。

 ちなみに中国語には使役と受身をどちらも表現できる形があります。

 インドネシア語では授受表現と受身を同じ形で表現できるとか…

  サンドウィッチマンにM1を取られた(受身)

  サンドウィッチマンにM1を取ってもらった(授受表現)

前者は、トータルテンボスのコメントで、後者はサンドウィッチマンの事務所のコメント。授受表現と受身ってのもよく似ているんですね。

 いろんな文法カテゴリーは、お互いにちょいとずつ似ていて重なっているんですね。それをどこかでチョキンと切って授業で教えます。そうじゃないと理解しにくいから。でもむしろその連続性をチマチマ考える方が面白いと思うんだけど…


 おもしろいと思われる授業、おもしろいと思わせる授業


 この二択なら、どっちでもええわ。

「あれこれ」考える

2007-12-19 21:49:33 | 言語
 論文はなんとか出したので、かねてから気になっている調査をしようと近所のウイグル料理屋に行ってきました。

 指示詞を調べています。ほぼ、趣味レベル。

「あれこれそれ」ってやつです。モンゴル語では指示詞が2つしかありません。近いところと遠いところを指すんですね。まあ、英語も中国語も二つだから、二つあればえーんでねえの?などと最近の若い人は思うかもしれませんが、もう若くない私には気になるんですよ。

 モンゴル語は2つなのに、回りのアルタイ諸語であるウイグル語、朝鮮語、日本語はみ~んな三つあるんです。まあ、日本語と朝鮮語は厳密なアルタイ諸語ではねえんですが、ここではそんな細かいことどーでもいいのです。西に広げていっても、カザフ語、ウズベク語、キルギス語、トルコ語など、すべて三つなのです。

 チンギスハンはどこかで一つ忘れてきたのかも。

まあ、指示詞がみっつあると一言で言っても、日本語と全く同じとは限らないわけで、トルコ語なんかは、「近くのもの、遠くのもの、相手が気づいていないもの」なんていうわけ方をしているようです。

 ウイグル語はどーなんだろとウイグル人のおやっさんに話しかけるチャンスを狙う。

まずは顔つなぎと思って、すでに2回くらい行っているんですが…。いつもお店は忙しそうだし、今日は早く行ったもんだから、仕込みで忙しそうでした。自分の母語のことなんて考えたことない人にとってチマチマ質問されるのは迷惑かな~などといろいろためらってしまい、なかなか声をかけられないんですよね。あ~やっぱり今日もダメだな~、声かけるのは無理でした。

なんて小心者なんだろう。

梨元さんみたいなずうずうしさが欲しいわ。


まあ・・・いいのいいの今日も顔つなぎだけで…

創作とメタファー

2007-12-16 11:25:45 | 今日もトホホ
 あかん、完全に論文に煮詰まってしまった。

「どーせたいした論文を書いていないんだからグダグダのまま出せばえーやん」っていう悪魔と、「ダメですよ、文章を公表するってことは重いことです」っていう天使が毎朝枕元でけんかしております。

 こっちはこっちで、他人のミクシーにちゃちゃいれたり、昔のCD聞きなおしたり、トイレ掃除したり、完全にスランプですな。ブログに向かうのもスランプの証拠かな~。

 思い返せば、悩んで作ったものは駄作が多い気がします。グレート3の「ロマンス」ってアルバムは、セールスはよかったけど、本人たち曰く悩んで作ったものだそうです。初期のグレート3の中では、一番嫌いな作品です。他のが良すぎるからかなあ。

 谷村シンジさんが、作曲をこう喩えています。

 「いいウンチはするっと出る。

『いい日旅立ち』や『昴』は、ウンチだったのか!

そう言われるとちょっと気が楽になったりして。所詮、私の論文なんてウンチなのよ。とっとと出してレバー入れたら、流れていくのさ~

 あかんあかん。またまた悪魔のささやきでした。

まあ、悩んで悩んで、答えが出なかったとしても、そこにはちょっと成長があるはずだ!と信じております。便秘の後のような爽快感が味わえるかもしれないし。←やっぱ、この喩えはお下品ですねえ。


 もう!シンジのバカ

バナナ論争

2007-12-14 20:32:53 | 日本語教育
 インドネシア語って、なんだか親近感がわいて覚えやすいと思いません?

 なんて突然聞かれても、インドネシア語なんか知らないって言う人にとっては寝耳にウォーターなわけですが、覚えやすいのですよ。

 ナシゴレン(焼き飯)、ミーゴレン(焼きそば)、ピサンゴレン(揚げバナナ)

なんて一度聞いたら頭に残りそうな音の連鎖じゃないでしょうか。日本語の起源に南方語が混じっていることは常識ですが、インドネシア語はその南方語のひとつ。特に音韻的に日本語と似ています。

 そんなこんなでインドネシア人学生といっしょに「揚げバナナ食いにいこうぜ~」ということになりました。みんなでぞろぞろインドネシアレストランに行って、バナナについて議論してしまいました。

 「やはりインドネシアの(揚げバナナ用の)バナナはおいしいです。」

  「えっ。これって、日本でも売ってるやつやでえ。」

 「いやいや、味が全然違いますよ。」

  「僕が今朝食べたチキータバナナと同じ味するけどなあ」(その日二本目のバナナだった。)

 「いやいや違います」

まあ、そこまで言うならわかったよ、っつうことで、その場は私が大人の対応を見せ付けることになったのですが、おさまらない学生が店員さんをつかまえて聞いてみました。

 学生「&%$#&%&&?」

 店員さん「#$%”&$#%”$。」

 学生「%&$#%!!!!!!」

最後のびっくりマークで類推できると思いますが、バナナは日本のスーパーで買ったようですね。わははは、私の味覚の勝利。でも、学生はあんまり気にしていない様子でニコニコしています。この辺のゆるさがいいですね~。帰り道はJR一駅分ブラブラ歩いて帰ってきました。別れ際に・・・

 「先生、またジャランジャラン(散歩)しましょうね。」

 ね?なんだか、なじみやすいでしょ?

 音がかわいい

机の上の朝鮮人参キャンディ

2007-12-11 19:02:34 | 今日もトホホ
どうもおかしい。毎日、授業から帰ってくると、机の上に

チョコン

と朝鮮人参キャンディーがおいてあるのです。朝鮮人参キャンディというところがミソで、僕の体のことを考えてくれているのだという好意的解釈もできれば、嫌いだから悪食のやつに食わせてしまえ的ないじわる解釈もできるのです。

迷ったときは、好意的解釈。

実はとなりの席には若い事務員さんが座っていて、ひょっとしたら彼女が置いてくれているのかもしれない!と思い立って聞いてみました。

   「いつもキャンディ置いてくれてる??」

  「違いますよ」

そりゃそうだろうなあ、まあ、妄想が膨らんで暴走する前に確認してよかったよ。そんなこんなで数日間、毎日机の上に朝鮮人参キャンディが・・・毎回机のひきだしにしまっておいたらとうとう引き出しいっぱいに・・・。食べるとすごい臭うから、そうそう食べてもいられないのです。仕方なく学会に行ったとき、大学院の後輩連中に強引に配って食べさせました。

 これぞ、ザッツパワハラだ。

 権力って素敵

そんなこんなで(どんなんや)数日前、とうとう犯人がしっぽを出しました。隣の部屋の課長がコソコソ持って来ていたのです。な~~~んや、おっちゃんやんか!!と落胆したものの、まだ、好意的解釈を維持していたお人よしな私。先日課長に合ったとき、たまたま違うキャンディが手元にあったので、課長に手渡しました。

私  「これどうぞ~」
 
課長 「いつもの仕返しですか?」


おいおいおいおい、やっぱり嫌がらせやったんかいな。

今日から私は性悪説。

欧米だ!!


ライブにおける言葉遣い

2007-12-08 11:29:40 | 日本語
 12月は師走などというくらい教師が忙しいのに、おもしろそうなライブも目白押し。ほぼ週一で誰かのライブに行ってます。ライブ中のMCで話す言葉遣いに注目して見ると、大きく2種類があるな~ってことに気づいたのは昨日のこと(気づくの遅すぎ!)。

 タイプ1:です・ます体を多用し、やたら腰が低くあいさつするバンド。

今まで見たバンドは、圧倒的にタイプ1ですね。「お前らいくぞ!!」などと最初はタメ口をきいてみても、最終的には、「ほんまにありがとうございました。」と感謝するガガガSP。結局は好青年やな~と思ってしまいます。

 タイプ2:です・ます体を絶対に使わないバンド。

ぱっと見は、えらそうに見えてしまうのですが、ぶっきらぼうな感じが段々カッコよくなってきてカリスマになっていくのです。昨日見た、ピローズなんてのはまさにこのタイプ。ナガブチさん、エーちゃんなんかもこっちですね(ライブ見たことはないけど)。

 タイプ2は、実は戦略的に非常に難しいのです。昔いっしょにライブしたことがある某ビジュアル系バンドは、お客さんが3人しかいないのに、

 「お前ら、もっとこいよ!!」

などと連呼してて、なんだかかわいそうでした。


 です・ます体を使わないと、親近感が増すと言われますが、大事なのはタイミングとバランスですよね。

 これは本当に難しい。日本人でも、変換のスイッチに失敗してる人いっぱいいますよね~。

 来週の授業のテーマは、敬語なのだ。敬語の使用状況を伝えるのは本当に難しいなあ。

 本当に難しい。

飛んでエクアドール

2007-12-01 00:41:05 | 日本語教育
 
今日は勝手にブログ紹介させてくださいませ。

『海外の日本語教育紹介ブログ』

http://j-support.cocolog-nifty.com/blog/

現在「エクアドルで出会った“Angelito(アンヘリート)”」ってハナシが、全部で4回に渡って紹介されています。はじめから読んでみてくださいませ。

 
 胸がキューンとします。