日本語教師の見た中国とか…

日本語教師が見た中国をつらつらと綴ろうとはじめました。帰国後、大学院生を経て今はとうとう専任日本語教師だ~。

視点が変われば

2009-03-26 11:57:05 | 異文化
 WBC優勝で盛り上がる日本。優勝の瞬間、日本のあちらこちらで歓声があがりましたねえ。経済効果も小さくないようで、我々の財布のヒモがゆるむんだとかなんとか。

 ちょうど、優勝の瞬間、私は郵便局にいました。みんながテレビを見ながら、最後の一球でわーーーーーっと大騒ぎ。やんややんやと勝手がってに発言が飛び交っている最中・・・

 局の隅には韓国人の教え子ちゃんが

 同情うんぬんではなく、興味があるだけ。

 どんな気持ちだったのかな~

ジェームズの引率

2009-03-25 06:02:31 | 日本語教育
 大学時代に仲良しだった留学生のジェームズ。現在はイギリスで日本語教師をしているというのは知っていました。突然のメールで、

 「学生の引率で名古屋に行く。時間取れる?」

と聞いてきたので、名古屋まで会いに行ってきました。イギリス人中学生を数人引き連れて、彼はすっかり先生になっていました。イギリスの中学生って幼いな~。みんなヒヨコみたい。小学生ですって言われたら信じてしまう。

 英語なんてしゃべる気もない私は、ジェームズと日本語でおしゃべり。

イギリス人中学生たちはそれが気になるみたいで、チラチラこちらを気にしています。「ひゃ~先生はすごいなあ、日本人のおっさんとしゃべっているもん。」などと思ってくれたらうれしいのになあ。さらに、

 「僕もいつか日本人と日本語でしゃべりたいなあ」

などというモチベーションになってくれたらもっとうれしいんだけど。引率のくせにオチャケを飲みまくる彼は相変わらずでした。
 
 そんな引率でえ~んかいな!  ええんやろなあ。

一冊の本の歴史

2009-03-11 14:59:49 | 言語
 冠詞(aとかtheとかのことね)研究をしている人には、バイブル的な文献なんですが、ホーキンスという人が書いた『Definiteness and Indefiniteness』という本があります。1978年に出たんですが、今だにいろんなところで引用されています。

  突然読まざるをえなくなった(全部じゃないけど)

探してみてびつくり。広島の図書館や大学にはまったく置いていないんです。検索しているとなんと、広島工業大学の図書館に一冊あるとの情報が・・・なんで工業大学なの??

 そんでもって、ほんでもって、借りてきたわけですよ。(プレミア付だから米アマゾンの中古で買おうとしたら300ドルくらいしてた!)1978年に出版、1983年に工大図書館に入ってきたわけです、それ以来ずーーーーーーーーーーっと!

 誰も借りてない←閑古鳥ね

寄る年波のせいか、全体的に古びてはいるんですが、借りた人は私が最初です。一体この子はなぜ工業大学にはいって、今までどんな人生を送ってきたのだろう??25年もたって、僕が借りてあげたからいいものの、誰も借りなかったらなんて悲しい人生なんだろう??

 本を抱えてみるとなんとも感慨深いものです。

 運命ってこういうときに使うのかもね。

 

ファンデの好み

2009-03-08 09:21:57 | 日本語教育
 ボランティア日本語教室でいつも会うのは私の母くらいの年齢の韓国人の方。最初はなにもしゃべれないもんだから、まったくコミュニケーションもとれませんでした。僕に向かって

 「$!%$”#%!%$&%”」

韓国語で話してくるもんだから、いつも慌てていました。それが最近、かなり片言でコミュニケーションがとれるようになってきました。自分のこと、子供のこと、話は展開して81歳になる母のことを話してくれました。

 「私の母は、資生堂のファンデーションしか使いません。」

はははは、なんか違うんでしょうかね~。まあまあ、お母さんの好みなんだから仕方ないですねえ。話を聞いていると、どうもお母さんは、毎日資生堂のファンデを使っており、それをいつも彼女が日本で買わされているようなんです。

 「私だって、週1回しか使えないのに!!」


ははははははは。

日本語でグチが言えるなんてすばらしいですよ!!

不思議惑星キンザザ

2009-03-04 15:24:14 | 言語
 冒頭のタイトルは、1986年のソ連映画です。異文化コミュニケーションに興味のある人はおもしろいと思いますよ~。ソ連で大ヒットをとばしたコメディでもあり、SFでもあります。

 ちょっとだけひっかかったのは、宇宙人の言語についてです。彼らの言葉では、身分を表す言葉など一部の語彙を除くと、

 クー

という表現しかありません。ののしるときには、

 キュー!

というんですが、それ以外のコミュニケーションはすべて、「クー」で成り立つというのです。つまり、会話はすべて、「クー」だけで進行するという恐るべき超コンテクスト依存型の言語!!

 そんなアホな・・・

しかも、彼ら宇宙人は、未確認生物である地球人に会っても、数時間経つと言語中枢にアクセス可能になり、突然ロシア語ぺらぺらになるという設定。今まで「クー」「クー」「クー」「くー」「くー」「くー」「食う」しか言わなかった宇宙人が、ある瞬間から突然

 「スパシーバ、ウニベルシチェ、ガガーリン、シュビイチ。(デタラメです!)」

などという会話をしだすんですよ。『言語のレシピ』のマークベイカーによると、1950年代には、近い将来コンピューターが完全な言語を話すようになると想像していたが、その期待は裏切られたと言ってます。要は、言語能力を完全に解明することは当初思っていた以上に難しいってことですね。だから、こんな宇宙人はありえないってことになります。終盤でアルファ星という別の星にも行くんですが、そこの連中なんか、初対面からロシア語ぺらぺらやっちゅうねん。


 映画自体はとてもおもしろいのよ。

 オススメ クー!