日本語教師の見た中国とか…

日本語教師が見た中国をつらつらと綴ろうとはじめました。帰国後、大学院生を経て今はとうとう専任日本語教師だ~。

伝えたいことは何か?

2006-08-17 17:26:49 | 日本語
電車の中って、痴漢防止のポスターがたまにありますね。

関東では、「痴漢行為は犯罪です。決して行わないように。」みたいな、くどくどとしてて厳粛なムードのポスターです。ところが関西では・・・

 「ちかんアカン」

この一言。ストレートですね~。

これは少し前のドンドコドン(ぐっさんのいたコンビ)のネタです。う~ん、なるほど、関西は伝えたいことをストレートで言うんだなあって納得してしまいます。どっちがええかという問題ではなく、伝えたいことをどうやって伝えるかってのは地域差があってもおかしくはないはず。

 似たような話が尾上圭介先生の「大阪ことば学」に出ています。

関東の動物園ではオリの前に「危険ですから手や顔を近づけないでください。」と書いています。ところがところが、関西の王子動物園では一言だけ・・・

 「かみます」

わははははは、ストレートですねえ。しかもこのような看板は関西では多いみたいです。動物はかむもんやさかい、当然近づくなよ!!みたいな強いメッセージが感じられます。でもでもこうやって看板があるだけましです。まあ、親切というかおせっかいというか・・・

 動物がかむことなんて書かなくてもわかるやん。

こういう発想だってありえるわけですよ。妹尾かっぱさんがイタリア旅行して、ピサの斜塔は上ってから外に出られるということを旅行記に書いています。そこで、「この塔はこんなに傾いているのに手すりがないなんて危なくないの?」とイタリア人に尋ねたそうな。その答えは、

 「危ないと思ったら、外に出なければいいんだよ」

だそうな。この感覚すげ~大好き。

日本だったらとっとと手すりをつけた後で、「危ないですから、外に出るときはかならず手すりにつかまってください」な~んて書きそうでしょ。

 関東と関西、ちょっと伝え方は違えど、発想はやっぱりどっぷり日本なんですよね~。