日本語教師の見た中国とか…

日本語教師が見た中国をつらつらと綴ろうとはじめました。帰国後、大学院生を経て今はとうとう専任日本語教師だ~。

研究者のセンス

2007-05-28 09:36:49 | 日本語
 文科省が、敬語を5種類にわけるという発表をしました。それに伴って、正しい敬語、正しくない敬語、なんていうものも発表しています。お役所はいつもいつもそういった規範的な発表をしていますが、日本人の一体何人がそれを守っているのでしょう??

 言葉の使い方は法律やルールなのでしょうか??

 「よろしかったでしょうか?」という発話の文法違反と、「赤信号無視」という交通違反は同質なのでしょうかねえ~。

 違うと思うなあ。
 
「言葉は常に変遷するモノであって、これが正しい日本語だなどと規範的に指摘するのはナンセンスである」

社会言語学の普及とともに、こういった認識は今や研究者の間で共有されているのですが、実は50年以上も前から主張している人がいるのです。

 金田一京助 『日本語の変遷』(1942)←講談社学術文庫で安く手に入ります。

読んでいたら、びつくりで、鼻血がでるかと思いました。戦争中にこんなこと書いていたのですねえ。

 ‘ストライク’は‘よし!’
 ‘スタルヒン投手’は‘須田’になれ!

などと、規範的国語教育バリバリのさなかに、よくぞそんなことを言えたなあと思うのです。

 思うに、わたしなぞは流行に乗っかって、「「正しい日本語」なぞ世の中に存在しない」なんて言っていますが、そんなことを本質的に理解出来てしまっている人間が世の中にはいるんですねえ。やはり、天才っていうのはそういう人のことなのでしょう。

 センスなんですよ、センス。

 こればっかりはね~、生まれ持ったモノなのかなあ。


 「私にはセンスがない」ということを知っているだけでも、センスがあるのだ

 ってことにしておきましょう。

スタンドバイミー

2007-05-22 21:45:02 | 日本語
なんでか今頃になって読み返してみました。映画のほうが有名ですが、原作はなかなか味のある作品ですよ~。この作品に

 『スタンドバイミー』

っていうタイトルをつけた人、、偉いなあ。

ぼん ぼん ぼぼ ぼん ボン ♪

で始まる主題歌は、みなさん一度くらいは聞いているはずですよねえ。これだけの知名度を誇るに至った経緯には、タイトルの秀逸さが光っていると思うのです。

原題は『The body』

直訳すれば、・・・・  『死体』 

だって、ちびっこがみんなで死体を見に行く話だもんねえ。映画化のときにベンEキングの名曲、「スタンドバイミー」が選ばれたので、このタイトルになったんだろうけど、変に日本語訳なんてつけて・・・

 『僕をささえてヨン』

なんてしてしまったら、今日の知名度はありえなかったことでしょう。このタイトルからは完全にB級ちょいエロ映画のにおいがする。ちなみに私が小学生の時に流行ったホラー映画『The toxic revenger』は、日本語訳が・・・

 『悪魔のどくどくモンスター』でした。

これも秀逸。

素敵

在日外国人

2007-05-10 08:00:17 | 異文化
以下の中から、住民票を持っている方を選びましょう。


日本語を母語とする在日韓国・朝鮮人
来日10年以上の留学生
英会話講師のアメリカ人
多摩川のタマちゃん(あざらし)
日本企業で働く中国人
帰化したドイツ人
日系3世かつ日本で働くブラジル人
鉄腕アトム


ちっちっちっちっちっちっちっちっちーん。

選んだ?

答え:帰化したドイツ人、タマちゃん、鉄腕アトム


それ以外は、基本的に住民票がありません。帰化しない限り、つまり日本人にならない限り住民票はもらえないというのが日本の方針です。住民票がないと言うことは、選挙権がありません。選挙権がないと言うことは、政治家が活動の対象とはみなさないということだから、そのハンデはすごいものがあります。

住民税は払っているんですよ、上記の人たち。

ちなみに、イギリスのブレア首相、当時留学していた鼻垂れの私が一票投じております(正確には地方の労働党に投じた)。ということで、たった9ヶ月の交換留学生にも選挙権がもらえる国があります。

イギリスが進んでいるとは思いません。

当時の私(あんな適当な野郎が・・・)でも投票してしまうなんてちょっと軽率。

ただし、日本に住んでいる外国人は、少なからず不満を持っているはずです。いろんな人と話をしていると、そういう声にも耳を傾けねばならないなあと思うようになってきたのです。

アザラシにはくれるのに、住民税払ってる人間にくれへんてどないやねん!!

 
  ↑
アザラシがなかったから・・・