日本語教師の見た中国とか…

日本語教師が見た中国をつらつらと綴ろうとはじめました。帰国後、大学院生を経て今はとうとう専任日本語教師だ~。

刺激ー反応

2006-09-30 17:19:00 | 日本語
先週韓国に滞在中、ちょっと気になるできごとがありました。

何かしゃべらないかんと思うと、

「ドドド多少銭?」

思わず、中国語が出てしまうのです。相手は韓国人なのに・・・これはイチビッて中国語を自慢してるわけでもなく、体が勝手に反応してしまったのです。

このように、「言語なんてしょせん刺激に対する反応である。」などという発想が一時日本語教育を支配していました。行動心理学の発想です。パブロフの犬って、高校の生物かなんかで習いましたが、ベルを鳴らすと犬がよだれをたらすように、人間の心理も刺激と反応で説明しようとしました。

この行動心理学がベースになり、オーディオリンガルメソッドという教授法が広まりました。簡単に言ってしまうと「慣れてしまえ!!」という教授法です。何回も繰り返し発音すれば、体が覚えるので、発話場面で自然に外国語が出てくるというものでした。

今も英語教育とかで、先生に続いて発音練習とかしますが、あれはオーディオリンガルメソッドの名残。

あまりにも機械的な発音練習はつまらないし、コミュニケーションが伸びないので、この教授法はかなりたたかれましたが、今でも一理あるなあとは思うのです。もちろん、これがすべてではないんだけど。

今、日本なのに、お店とかでついつい

「カムサハムニダ」

って言いそうになるもの。

そんな経験ありませんか?

スキーマの隙間

2006-09-28 19:31:28 | 日本語教育
「鳥を定義しろ」っていわれたらどうしますか?

飛べる・くちばしがあるとか、いろいろ思いつくのですが、それだけでは鳥のすべてを定義したことにはなりません。

飛べる←ぺんぎん・キュウイはどないやねん。

くちばしがある←カモノハシにもありまんがな。

細かく言おうとしてもうまく定義できないのですが、それでもわれわれは鳥という動物がどういったものか漠然と理解しています。モモンガは鳥じゃないとわかるのです。このようにはっきりとは定義できないけどなんとなく持っている抽象的な知識の枠組みをスキーマと言います。スキーマがあるから、鳥の定義はなんとなくわかるのです。もちろんスキーマは拡張して変化していきます。

また、鳥の典型例はなんだ?と聞かれたら、多くの人はスズメとかの小鳥を挙げます。これをプロトタイプと呼びます。人間はものごとのカテゴリーをこのようにぼやっと流動的に理解しているんじゃないかというのが最近の認知言語学では言われております。

話は変わって、試験の話。テストで四択とかが出されるとやたらに強い奴がいます。団塊の第二世代である私にはよくわかるのですが、四択があるとなんとなく答えがわかってしまうのです。出題者の意図とかもなんとなく見えてしまう。

これを私は試験のスキーマと呼んでいます。

スキーマは多くの事例にあたっていけば強化されていきます。つまりはね、場数を踏めってことですよ。

ちなみに私の弟は試験のスキーマが悲しいくらいにない。

ちょっと本屋さんに行けばわかりますが、認知言語学はいまの流行です。日本語教育能力検定も流行に敏感なんで、ちょこちょこ専門用語が出てきています。

ちなみに私にとって女優さんのプロトタイプは市毛ヨシエさん。

         俳優さんのプロトタイプは永瀬マサトシさん。

ちょっと年齢差があるなあ。

仲間はずれ探し

2006-09-27 10:16:57 | 日本語教育
日本語教育能力検定の定番、仲間はずれはだ~れ?

1 チェコ語
2 ロシア語
3 ポーランド語
4 ルーマニア語
5 クロアチア語

これは実際に出た過去問題ですが、どーよ?こんなんすぐにわかる人はいるのかなあ。

「こんな知識を知っていたって日本語教師の実力とは関係ないズラ!」

なんていう批判が出てきそうですが、検定試験とはそういうものじゃないのかなあ。試験とは、自分は教師になるために前向きに努力をしてきたということをアピールする場なのです。かつ、5000人の受験者の中から1000人だけを選別する場なのです。みんなが知っている問題を出しても意味がありません。

ちなみに、問題の答えは4のルーマニア語。ルーマニアとはローマニアンという意味で、ローマ人の国なのです。つまりイタリア語と近いのです。その他はスラブ語系なのでちょっと離れています。同じ印欧語ですが、その中での違いです。

せめてアジア圏に絞ってくれたらやりやすいんだけど、ちょっと試験範囲が広いなあ。東欧ってのが盲点でしょ?

ルーマニア語を知らない人は、「恋のマイアヒ」を聞きながら踊りましょう。


まいあひ~まいあふ~まいあは~♪

のまのまいぇー。

言葉の比較

2006-09-26 23:10:53 | 日本語
話は突然18世紀末のカルカッタ。

Wジョーンズという判事が行った講演がきっかけ。

「どうも、サンスクリット語はギリシャラテン文学に出てくる文と似とるんだがや(イギリス人だから名古屋弁ではなかったはずだが)」

という発言からヨーロッパの言葉を比較しやがれ~~~っていうムーブメントにつながりました。いわゆる印欧語という概念が出てきたわけです。比べてみたらフランス語もドイツ語もまあ兄弟だわねということが明らかになってきたのです。インドからヨーロッパにかけて一大言語圏が現れました。

日本人が英語ヘタでもいいのよ。ってことですよ。言語が離れているんだから。

それはおいておいて、ヨーロッパの中に印欧語からもれてしまう言語がちょこちょこ出てきたのです。ハンガリー語、エストニア語、フィンランド語、これらはアジア系の言語なのです。当時のハンガリー人なんかはどう思っていたのでしょうね~。暗黙のうちに包摂と排除の構図ができあがっていたんじゃないかなあ。

 うわ~ん、うちらは仲間はずれにされちゃったよ~ん

みたいな感想も出たはず(確信はないけど)。こういった言語の系統を明らかにするために比較を行う分野を比較言語学と言います。系統を明らかにすることが目的なので、日本語とインド語を比べてみても比較言語学にはなりません。まったく他人だから。

しかしね~。どう考えても英語とロシア語が兄弟だなんて思えないんですよね~。親戚のおっさんの嫁はんくらい離れている感じがする。←これだと他人だな

とにもかくにもこんなことを言い出したのは判事であるってことにひっかかるなあ。法律の知識だけじゃなく言語の知識もあるなんてジェラシー。

こっちは言語をほじくるだけで精一杯だもの。


わしもコリアで考えた

2006-09-25 09:02:42 | 日本語教育
ちょっっくら誘われて韓国の学会に参加してきました。おもろすぎるので検定対策は一時中断して、コリアンレポート。


 韓国の日本語教育関係者や日本からの研究者が集まり、領事館員なども参加して大盛況のうちに国際学会ははじまりました・・・

 ・・・表向きはね。

行ってみてびつくり。僕の名前がプログラムから消えている!!しかも送っておいた発表原稿も予稿集に載っていない!いっしょに行ったつれも名前が間違っていたり、名前が載っていなかったり、所属が違っていたり・・・も~~~のすごいミスだらけ。

まあまあ、名前も原稿も載っていないのは私だけでした(なんの自慢やねん!)

「大丈夫です、明日にはちゃんとプログラムに追加して原稿は配ります。ちゃんと届いていますから」
 ↑
コラコラコラコラ、ちゃんと届いているならちゃんと印刷してよ~~

次の日、ドキドキしながら、発表会場に赴く。会場は5つあるので、それぞれに司会者がいる。だんだん、自分の番が近づいてきて、そろそろかな~と思っていたら、

司会者「今日の発表者はここまでです」
      ↑
  こら~~~~!!!結局わしのこと忘れているやんか~~~
 
仕方なく、手を挙げて「あの~私は発表者なんですが~~」というと会場はざわめくし、司会者はいぶかしそうに私を見るし、お手伝いの学生は嫌な顔するし・・・

 自分から手を挙げて出て行く学会なんて前代未聞やわ。ごっつしゃべりにくかった。自分で自己紹介して自分でレジュメ配って、・・・かわいそうな私。なによりなによりつらかったのは、観客の視線。どこからどうみても、わたしって・・・

 飛び入りで入ってきたおっさんやん?

 
 その他、興味深かった点を挙げてみます。

 ・初日発表時間は30分くらいだったのに、2日目から15分になった。←ちなみに私は20分かっちりで練習してたからドあせった。

 ・指定質問者がたいてい来ていない

 ・ベルが無駄にでかい←これはただのいちゃもん。

 ・時間が押したぶん、懇親会を短縮して、マッハで終わらせる←笑えたなあ
 
いや~、大変でしたが興味深い学会でした。日本で学会運営をしていて、ありえないことがあまりにも連続するので、私の常識がガラガラ~って崩れる音を聞きましたよ。

 「もっと力抜いてやりなよ~」

って言われているみたいで、なんだか心に響きました。他所を見ると自分らのことがよくわかりますね~。日本の学会も、もうちょっと力を抜けばいいのかな~。

 いやいやいやいや、プログラムに名前くらいは入れて欲しいな。

 よく考えると、私が学会で発表したという記録が全くありません。状況証拠だけになってしまった。

 でもでも、関西人としては

 ・・・ちょっと おいしい。
 

 

「な」と「にゃ」の言語学

2006-09-24 08:25:27 | 日本語
なんだかどんどんマニアックになっていきますが、教育能力検定的には大事な話です。エッチなサイトだと思ってきた人(そんなやついないかな!?)にはなんの面白みもない話です。

またまた音声の話。

「母音と子音とはなんでしょう?」 きけろさま

 のどボトケを通ってきた声を口の中のどこかで妨害すれば子音
 
 妨害がなければ母音

妨害がないので母音はずーっと伸ばして使えます。

 さ~~~~~ か~~~~~ な~~~~~

などと伸ばしてみると、途中からすべて「あ~~~~~」になっているのは母音には持続性があり、子音にはないからです。

「「これらの「ん」の音は、上から順に「ま」行の子音、「に」の子音、「なぬねの」の子音、「ンガ」というガ行鼻濁音の子音、を子音だけで発音したものです。」とありますが、「に」の子音は「n」で「なぬねの」の子音も「n」ではないの?というのが素人の第一感です。」 きけろさま

 そうですね。「なにぬねの」は日本人にとって同じ子音です。しかし、日本人は無意識に区別しているのです。その証拠に、

 な(ぬぃ)ぬねの
 
 にゃににゅにぇにょ

という別々の段を作って発音することができます。これはとりもなおさず、「な」と「に」の子音が違うからなのです。その違いは舌の前後です。上の「な」行は歯茎と舌が接触しますが、下の「にゃ」行は少し後ろの方と舌が接触します。もし日本語の「な」行は一種類しかないのだと仮定すると。

 ニュース → ヌース
 にゅうぎゅう → ぬうぎゅう
 にゃんこ → なんこ
 ろうにゃくなんにょ → ろうなくなんの

なんていう音体系になります。あかちゃんの発話てこんな感じですけどね~。

そんなこんなで「な」行子音には2つ音があるのです。

常識が崩れるのって楽しいですよねえ。

そんな大げさなものでもないかな。

「ん」音考2

2006-09-22 19:30:12 | 日本語教育
 二回前にいただいたきけろさまのご質問についてつべこべ考えてしまいました。ちょっとここいらでまとめてみます。

「質問なんですが、六つの「ん」や二つの「ザ行」をそれぞれ別の記号で表現している言語は多いのでしょうか?」 滋賀県 きけろさま 

 日本語はほとんどの音に母音をくっつけてはなす言語です。外来語を見ればすぐわかります。

 basketball → バスケットボール

明らかに原音よりも母音がおおいですね。英語は3つなのに日本語では7つもの母音が使われています。こういった母音がいっぱいつく言語のことを開音節の言語といいます。日本語やスペイン語、中国語も比較的開音節言語です。ところが、日本語は100%開音節ではなく規則からはずれる音があります。

 それが、「ん」「っ」の特殊音素です。これらは子音のみで構成されます。

  さんま     両唇鼻音
  きんにく    歯茎硬口蓋鼻音
  きんたろう   歯茎鼻音
  コンガ     軟口蓋鼻音
 
これらの「ん」の音は、上から順に「ま」行の子音、「に」の子音、「なぬねの」の子音、「ンガ」というガ行鼻濁音の子音、を子音だけで発音したものです。つまり、後ろに母音をくっつけた状態なら、日本人は上のよっつをちゃんと区別しているのです。ところが、

  あんい     鼻母音
  パン      口蓋垂鼻音

このふたつは、「ん」のときにしか現れない音になります。上のよっつに関しては日本人もちゃんと区別していると言えます(母音をつければね)。

 ちなみにお隣の韓国や、中国、さらにはインドネシア語なんかでは、日本人なら「ん」としか表現できない音を二つもっています。上の例で言うと「きんたろう」の「ん」と「コンガ」の「ん」を区別するのです。日本人には難しいですねえ。中国語の壁と私は呼んでいます。しかし、六つとも「ん」の音として区別している言語は聞いたことがありません。特に「あんい」の「ん」なんてのは、フランス語では母音になりますし、分類も変わってきます。

 一言で言えば、日本語の「ん」はなんでもありだなあってこと。

 ただし鼻を共鳴させるという共通点はありますからね~。

 すげー、めっちゃ硬いブログになってもうた。

 むむむ、アクセス数の落ちて行く音が聞こえる~。

借用ってなんだ?

2006-09-21 10:16:08 | 日本語
戦時中、「敵国の言葉はやめろ!!」という大号令の中、

 ベースボールは野球
 ストライクはよし
 ピッチャーは投手

などという外来語規制がありました。これはよく聞く話でしょ?でもでも難しいのは外人の名前。当時、日本にいた外国人ピッチャー、スタルヒン投手。

 お前は今日から‘須田’になれ!!

なんていわれたんだって。本人はどう思ったのかな~。よりによってなんで須田やねん。もうちょっと違うのにしてくれ~って思ったのか思ってないのか・・・

 よくよく考えると、投手とか野球とかに使われる漢語。これもれっきとした中国からの外来語です。しかも当時は中国と戦争中だったから、敵対国のはず。その辺の矛盾はいいのかな~~。日本語にするなら、

 ピッチャー→たまなげびと
 キャッチャー→たまうけびと
 センター→そとのところのなかあたりにいるひと
          ↑
      めっちゃいいにくいっちゅうねん。

なんて平仮名ばかりになってしまう。ところがところが、ひらがなはご存知、漢字から作ったものだから、ぶっちゃけどんな文字を使っても外国製のしかも敵対国のものになってしまうのです。

 たまなげびと なんていう和語にしたところで、日本語は大雑把に見ても南方系とアルタイ系が混ざっているから、どちらが借用で、どちらが本籍かなんてのもわからないのです。橋本マンタロウ先生は、南方系の人間がいたところへ、アルタイ系の民族が来て支配してしまった結果日本語が生まれたのではないか、などとおっしゃっていますが、そう考えると、文法のほとんどが借用になってしまいます。
 
 つべこべ書いておりますが、言いたかったことは・・・

 純日本語なんて定義次第なのよん。

 てこと。

 しばらく日本語教育能力検定的な話を書きますね~。
 

 これで受験生のハートをわしづかみだ。

「ん」音考

2006-09-20 08:30:55 | 日本語教育
 音声の話は反応がよかったので、調子こいてもう一発。

 今回は「ん」の話。

「ん」には6種類の音があります。
  
  さんま     両唇鼻音
  きんにく    歯茎硬口蓋鼻音
  きんたろう   歯茎鼻音
  コンガ     軟口蓋鼻音
  あんい     鼻母音
  パン      口蓋垂鼻音

この6単語はすべて違う種類の「ん」です。6つもあるっちゅうことは、ほぼ平仮名の常識を脱線しております。

 「何いうてんねん!、「ん」はひとつやんけ~」

なんて思ってしまうのは、日本人が「ん」という記号だけしか持たないから。外国人から見たら雑多な音の組み合わせに過ぎません。共通点といえば、すべての「ん」は鼻の奥の空間を共鳴させているということだけ。後はまったく異なった音です。

 さんまさんまさん

 こんがこんがこん

と言ってみて、最後の「ん」の口を鏡で見るとわかります。完全に音の出る場所が違います。

日本語教師の卵さんに読んでもらいたいな~と思って専門用語もつけておきました。


がんばりんちゃいよ~。

ビバ、受験生

2006-09-18 17:34:14 | 日本語教育
日本語のざ行は、音声的にみると2種類あります。

 ざじずぜぞ za ji zu ze zo
 
 ざじずぜぞ dza dji dzu dze dzo

専門的にいうと、摩擦音のざ行と、破擦音のざ行ですが、日常会話において「かざり」という時の‘ざ’は前者、「ざぶとん」という時の‘ざ’は後者になります。微妙に舌が上あごにくっつくのが後者の特徴。

ちなみに、上のアルファベットを見るとわかるように、い段の‘じ’は表記が違います。これはざ行において、‘じ’だけ他の音と種類が違うからなのです。音の出る場所が‘ざずぜぞ’よりも後ろなんです。

まあまあ、細かい話はどーでもいいんだけど・・・。

外国人にはこういった一貫性のなさが気になるものです。日本語の‘ん’なんて6種類の音からできているんだもの。ざ行の例もしかり、日本語教師は少なくとも基本的な日本語の特徴くらいは知っておくべきだという発想から、日本語教育能力検定試験などというものが毎年行われております。

 あんなもん受けてどうすんねん、などという批判はあるものの、やはりきっちり勉強してから教えたいという姿勢はすばらしいですね~。
 
 今年もいよいよもうすぐです。

 受験生がんばれ~。

 

朝日ソーラーじゃけん。

2006-09-15 10:45:41 | 日本語
 タイトルは昔、菅原ブンタさんが出演していたコマーシャルより。広島弁で‘~だから’を‘じゃけん’というそうな。

昨日まで岡山にいた私は、漫画喫茶でぼーっとしながら、岡山ネイティブの方々の会話をじーーーっと聞いておりました。一応「カバチタレ」を読みながら・・・。

岡山も基本的に広島風で、~じゃが、~じゃ、~じゃけ なんていう方言でした。女の子が話す方言はドキドキすると昔つれと話題になったことがありますが、女性の岡山弁も素敵でしたね(残念ながら漫画喫茶の主人はおばさまでした)。吉本興業の千鳥っていう漫才師はバリバリの岡山弁。岡山弁もだんだん市民権を得てきた観があるのは、私の周りに千鳥ファンが多いからかな。

 面白いな~って思ったのは、不可能を表す「~できない」が強くなると、岡山の人々の会話では、「~もんか」っていう風に、反語的に言うところ。

 「○○さんは、あそこの学校から通ってるのよ」

 「あんなところから来れるもんか!」

「あんなところからくるのは不可能やろ~」くらいの意味でしょうねえ。全体の会話の流れを忘れてしまったのですが、相手を否定しているわけではありませんでした。反語ってのは昔古典の授業とかでも習いましたねえ。「~~できるだろうか、いやできない」みたいなちまちました訳をつけさせられて・・・

 なんて昔のやつはまだるっこしい話し方をするのだ、言いたいことははっきり言えよ。

なんて、思っていたのは高校受験の頃。しかし実際に反語的な発話を聞いてみると、すごく会話に勢いがあっていいんですよねえ。

千鳥の漫才がおもしろいのはそのへんかな~。

な~んて考えていたら、日が暮れてしもうた。

まあ、岡山で漫画喫茶も悪くないかな。

おわかれの季節

2006-09-09 08:44:27 | 日本語教育
 9月は日本語教師にとってお別れの季節。

 多くの国では9月、10月が新学期なので、学生さんとお別れなのです。それだけじゃなく、海外に出て行く日本語教師もこの季節にお別れになります。今年は知り合いが5人も出て行きました。エジプト2人、カタール1人、インドネシア1人、中国1人、日本語教師はいろんなところへ行けるのが魅力ですね。

 親友のピンニャオ(頻尿:日本人よ)もインドネシアに行ってしまいます。彼は個人契約という形なので、出発までのトラブルがいろいろありました。一番の問題は労働ビザ。

 なんでそんなにもめるねん!!

っちゅうくらいにトラブリます。ビザ申請したのが春休み。英文の履歴書やらハンコやらをインドネシアに持っていったんですよ。それを向こうの引き受け先機関がインドネシアの外務省へ持って行って手続きをする。

 まだかな、まだかな、・・・待つこと5ヶ月。

 やっとビザが降りました。それはインドネシア外務省から、インドネシアの引き受け先機関におりたっていうこと。それから日本に来るのがまた時間かかる。

 まだかな、まだかな、・・・ピンニャオのファックスが調子悪いから別のファックス番号を教えてくれと言われる。

 まだかな、まだかな、・・・別のファックスにもうまく送信できない。
                  ↑
              この時点で原因は向こうのファックスやろ!!

 まだかな、まだかな、・・・スキャナで取り込んだビザがメールで到着。これを日本のインドネシア大使館にもっていかねばならない。

 この時点で9月3日。ちなみに新学期は9月4日に始まります。

 まにあうかっちゅうねん!!

 しかもしかも・・・ビザの居住地が・・・「TOKYO」って書いてある。ピンニャオは大阪の人。まだまだトラブルが予想されますね~~。うふふふふふ、他人事だとこんなに楽しいのね~~

 ただいま9月9日、とっくに新学期は始まっています。なのになのに・・・ピンニャオは相変わらず日本でぐだぐだぐだぐだ。

 もう5回も送別会したっちゅうねん!!
        

みんなの遠足

2006-09-06 08:53:15 | 日本語教育
大学院の留学生や教え子たちが日本のザ・田舎を見るため私の実家に集合いたしました。いいだしっぺは、ベトナムのグエンさん(仮称)。

 「うわ~お米(稲のこと)がたくさん」と言っては写真をパッチリ

 「うわー農業機械」と言っては写真をパッチリ

 「うわー山!」と言っては写真をパッチリ。

なんや、変なところにばっかり興味があるのね。もうちょっとあるやん、写真のポイント。うちの隣なんて茅葺の家なのよ。

留学生のみんなが田舎の何に惹かれるのかっておもしろいですね。携帯電話の電波が入らないことにみんな大盛り上がりでした。オクラを知らない留学生は、じろじろ見ながら、

 「これはものすごく苦いに違いない(意訳)」

ってしかめっつらしていました。←苦くないっちゅうねん!

同じ留学生がししとうを見ながら、

 「これはものすごく辛いに違いない(意訳)」

ってしかめっつらしていました。←辛くないっちゅうねん!!

 「ベトナムの田舎も景色はとてもきれいです。でも住宅の環境はあまり整っていません。」

うんうん、確かに、私の実家は携帯も使えないくらいド田舎ですが、お風呂もあればインターネットも使えます。その辺はちょっと違うのでしょうね~。

うちに来たのはみんなアジア(ベトナム、中国、台湾)人でした。みんなお箸でご飯を食べるし、出したものをなんでも残さず食べるし、やっぱアジアは同じ文化を共有しているんだな~って思いました。

さ~て、そろそろ夏休みも終盤だ。

32歳にもなって宿題がたまっている私。

ハンサム兄弟

2006-09-02 11:56:23 | 日本語
 日本語教師になってから、ずーっと引っかかっている語彙があります。それは・・・

 ハンサム

こんな単語を、今の人たち使う??

 多くの初級教科書に出てくるのではないでしょうかねえ。僕なんか、この語彙を使われることが多いので(大ウソ)やたら気になります。

 「先生、王さんはハンサムですね。」

いやいや、意味はわかるし、間違ってるわけでもないんだけど・・・なんだかじじくさいのだ。

この微妙な語彙に注目してバンド名にしてしまった人々がいます。

 「ハンサム兄弟」

なんだかちょっと心引かれるんですよね~。ジャケット見てCD買ってしまうことをジャケ買いといいますが、私は「ハンサム兄弟」を名前だけで買ってしまいました。バンド情報は弟さまに聞けばなんでもわかるので早速電話。

 「なあなあ、ハンサム兄弟って知ってる?」

 「けっこうええで、ナンバーガールっぽい。~~のホームページでPV見れるよ」

ホームページの場所は聞き漏らしてしもた。

それはおいて置いて、このちょっと力を抜いた感じのバンド名にすごく心惹かれてしまうのです。

 ちなみにメンバはさほどハンサムではありません。

 そこがまたいいのよね~。