日本語教師の見た中国とか…

日本語教師が見た中国をつらつらと綴ろうとはじめました。帰国後、大学院生を経て今はとうとう専任日本語教師だ~。

想定と理解

2006-08-08 11:20:44 | 日本語
今朝テレビを見ていたら、レポーターが漁師さんと会話をすると言う典型的ありがちな朝のぼのぼの番組でした。

 このレポーター、猟師の話をちゃんと聞き取ってない。

 「この魚は何ですか?」

 「おこぜ」

 「は?は?」

 「おこぜ」

 「は?ごごす?」

 
 ‘ゴゴス’ってなんやねん!レストランみたいやんか。

 もちろんね、このおじさんはなまっています。聞き取りにくいのは確か。でもでも、ちゃんと魚の名前くらい予習してからいくべきやろ~。名前を知っていればちゃんと聞き取れるものです。私(元漁師志願者)には聞き取れるんだから。

 そもそも会話のやり取りなんて、音声学的な音の連鎖を聞き取っているだけではなく、相手の発話から自分の想定した単語を確認する作業です。つまり、まったく知識のない言葉をそのまま聞き取るのは大変なことなのです。

 いくら方言でも、いくつか頭の中に魚の名前を思い浮かべながら聞けば理解はできるはずよん。

 
 先日父親と車に乗っていた際、カーステからガガガスペシャルを流していました。

 「誰が歌ってるの?」

 「ガガガSP」

 「は?」

 「ガガガSP」
 
 「うん?」
 
 「ガガガSP」

 「なかがわ家?」

 なんでやねん、漫才師ちゃうわ!!

 ガガガなどという有声軟口蓋破裂音が三つも連続するなんて、父親には想定外なのでした。

 言葉の理解なんてそんなものじゃないかな~。

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