日本語教師の見た中国とか…

日本語教師が見た中国をつらつらと綴ろうとはじめました。帰国後、大学院生を経て今はとうとう専任日本語教師だ~。

ハーチルさんのメガネ

2007-01-11 17:16:26 | 日本語教育
 今日は絵本に挑戦(絵はないけど・・・)。それでは勝手にはじまりはじまり~・・・ 



ハーチルさんはインドから来た留学生です。毎日一生懸命日本語を勉強しています。ハーチルさんにはとても大事なものがありました。それはインドから持ってきたメガネです。

 「いいメガネですねえ。」

と先生に言われましたが、ハーチルさんは意味がわかりません。ニコニコしてごまかしました。ハーチルさんはホームステイをしていました。ある日、ホストマザーの子供と遊んでいたら、子供がハーチルさんのメガネをかけたいと言いました。やさしいハーチルさんはメガネを子供に貸してあげると、子供は

 ポイッ

とメガネを投げてしまいました。メガネは床にあたり粉々に割れてしまいました。でも安心、ハーチルさんは同じメガネをもうひとつ持っていました。

 ある日、ハーチルさんは大学で勉強しているとき、疲れたのでメガネをはずそうとしたら、手が滑って落としてしまいました。当たり所が悪く、メガネは片方だけ割れてしまいました。困ってしまいましたねえ、ハーチルさんにはもうメガネがありません。仕方なくハーチルさんは片目だけのメガネをかけて勉強しました。困っているハーチルさんに先生は言いました。

 「次から日本へくるときには、メガネを三つ持ってきましょうね。」

今度はなぜかすべて意味がわかったので、ハーチルさんも友達もみんなで大笑いしました。

 ははははははははははは

でもハーチルさんは片目メガネをかけながら、心の中で思いました。

 「笑い話じゃないっちゅうねん!」



いや~、いいですねえ、最後にインド人なのに関西弁でつっこむあたりが秀逸です。っていうか、人名以外ほとんどノンフィクションです。ハーチルさんはメガネをインドから送ってもらい、いまは新しいのをかけております(後日談)。

おしまい。