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日本語教師の見た中国とか…

日本語教師が見た中国をつらつらと綴ろうとはじめました。帰国後、大学院生を経て今はとうとう専任日本語教師だ~。

ユニコーン再考

2007-01-13 11:30:00 | 日本語
 6個前のブログは「雪が降る町」というタイトルでしたが、これはユニコーン(奥田タミオのいたバンドね)の名曲をそのままタイトルにしています。個人的に好きなんですよね~。

ところがところが、2日前のうたばんを見ていたら、なんと井上ヨウスイさん(リスペクトをこめてさん付け)もこの曲が好きだと言っているのですよ。

 やっぱ、ヨウスイやるな~

ユニコーンってのはなかなかおもしろくて、単身赴任とか、野球とか、サラリーマンとかをテーマにして、他の類をみないテーマでヒット曲を出しまくったバンドです。当時私は中学生。

 そのなかで、井上ヨウスイが取り上げたのが「雪が降る町」の歌詞。以下、引用しますね~

 ♪ 僕らの町に今年も雪が降る いつもと同じ白い雪さ つもるつもる
   あと何日かで今年も終わるけど 世の中はいろいろあるから
   どうか元気で お気をつけて

この後半部分を聞いて、びびびっとキタそうです。それがきっかけで結成したのが井上陽水奥田民生のユニットなんだって。まあ、結成秘話がほんまかうそかはおいておいて、この歌詞に目をつけていたのが日本で僕とヨウスイさんだけだったとこが素敵だ~。
 
 そんなわけないか。

この歌詞にびびびっと来た人は、センスがある!

 

 かどうかは知りません。  



日本語が来た道

2007-01-09 10:48:01 | 日本語
 今日は真っ白な雪景色。ちょっとは院生らしくアカデミックなことを書きたい気分です。

日本語は音声的には南方諸語系で、文法的にはアルタイ諸語・朝鮮語系であると言われております。

 なんで音だけ南から来て、文法だけ北から来て、それらがきれいに混ざるのか?

これが非常に興味深い点です。渡来人がわらわらと来たのなら、敦賀経由や北九州経由で朝鮮語がじわじわと広がっていくはずですが、今日のように朝鮮語の形跡が文法面でがっちり残っている事実が説明できません。そもそも後からきた人々の言葉を土着民族が学ぶとは思えないですよねえ。現代の日本で例えるのはお門違いですが、滋賀県にブラジル人が増えてきたからと言って、私の母親の日本語にポルトガル語の語彙や文法が入ることはないですねえ。

 そこでちょっと気になる話。

 『騎馬民族国家』江上波夫(旅ガラスさんのコメントで紹介してもらった)

日本に朝鮮系の騎馬民族が来てそれが天皇になった。っちゅう話です。騎馬民族が来たという話は、みんなからこてんぱんにたたかれてしまい、そのへんの話は、

 『騎馬民族は来なかった』佐原真 

にくわし~く書いてあります。かなり攻撃的にたたいておられます。素人考えでも、江戸時代以前、肉を食べなかった日本人が騎馬民族だなんてなかなか納得できないですもんねえ。

ただ、これらの議論の流れで注目したいのは、日本に来たのは騎馬民族かどうかっていう論点が強くて、日本に朝鮮系の支配者が来たということ自体は否定されているわけではないということです(佐原さんはそれにも若干否定的ですが・・・)。

 支配者が朝鮮系、非支配者が土着系(南方系)と考えると、日本語の現状がよくわかるんですけどね~。

 つまり、インドネシアやベトナム経由できた土着日本人が、朝鮮系の支配者に支配されて、南方語なまりの朝鮮語を話さざるをえなくなった、これが日本語になっていくという流れが想定できます。外国語を習得するときのことを思い出せばわかるように、文法は英語なのに、発音だけ日本人っぽいな~んてことよくありますよねえ。それが日本全体で起こると文法は朝鮮系、発音は土着系となるわけです。ピジンやクレオールの研究でも、こういった混成のプロセスは説明できるそうです(『現代博言学』橋本萬太郎)。

 ユンソナさんの日本語も、文法は完全に日本語ですが、発音は韓国語なまりが残ってますよねえ。

 支配された!なんていうと大げさですが、統一国家などのなかった当時、たまたま日本を統一したのが朝鮮系だったっていうだけのことじゃないのかなあ。

 これは言語を説明するためだけの勝手なアプローチですけどね・・・
  
 ちなみに僕の友人、ユージローさんはパプアニューギニアからボートで直接関東地方に流れてきたのではないかというような顔立ちをされています。
 

 まあ、多かれ少なかれ我々はハイブリッドなのですよん。
 

映画を見てて考えた。

2007-01-08 11:32:24 | 日本語
 「タナカヒロシのすべて」という映画を見ました。日常生活がとんとんとんと進んでいくタイプの映画が好きな人には超おすすめです。おもしろかった~、

 満足度は星・・みっつ!!

 な~んていう映画評論を書くのがこのブログの主旨ではありません。あくまで言葉や文化を扱いますよん。


 映画の途中で主人公が会社をズル休みするシーンがあります。セリフはだいたい以下のようなことを述べるのです。

 「すみません、昨日病気になってしまい病院に泊まりました。」

正確にはもうちょっと長いんですが、正確さはここではあまり大事じゃないので適当です。実はこの発話、自分が飼っている猫について述べているのです。ところが電話相手には主人公の話として伝わるんですね~。ここがこのセリフのおもしろいところ。こんなところでも主語のない日本語の特徴をフル活用しております。映画を見ててふと思ったのは、

 これって、英訳するときたいへんやろな~ってこと。

翻訳を自分に頼まれたらどうしようどうしようと、考えてしまいました(絶対に頼まれることはないから心配はいらないんだけど)。

 I had a sick yesterday then I stayed the hospital.

な~んて訳したら、完全に主人公をウソツキ少年にしてしまいます。翻訳の仕事って大変やなあっとしみじみ思いました。


 まあ、頼まれてもいない仮定の話で盛り上がるだなんて、ちょっとさぶいワ・タ・シ
 
 
 

初○○

2007-01-04 16:05:34 | 日本語
 あけましておめでとうございます。もう4日か~、遊んでいると早いなあ。初詣をして、初仕事をして、初ブログに取り掛かろうとしております。初○○なんて言葉が定着しているなんて、日本語はよほど新年のスタートを意識している民族の言葉なんでしょうかね~。

 初CDを買いました。ピーズのCD。

ゆっくり読んでくださいね、ピーズですよ。ピーズ。

たぶん、これを読んでいる人の90%の人が

 「誰やねん!??」

と思っていることでしょう、そして残りの7%くらいの人はB'zと読み違えていることでしょう。

結構メジャーなんですよ、ピーズも。

 大多数の人が、「ピーズはビーズをぱくったものであろう」などと思うでしょうが、ピーズのほうがずっと古い。長いですよ~経歴は。ネーミングの研究では、先行する有名な名前をまねることで自信の価値や知名度を上げようとするなんてことが言われています。

 ボブディランをまねた ホフディラン
 
 ビートルズをまねた ずうとるび

 ローリングストーンズ、ガンズアンドローゼスをまねた ストーンローゼス

そんなこんなで、ピーズもまねしんぼうみたいに思われてしまうのです、残念だなあ。

 初ブログなのに、どーでもいい話でした。

 
 ちなみに私のブログタイトルは、アーネストサトーの作品、「一外交官のみた明治維新」をパクッています。

 
 わからんやろなあ、あんまり似てないし・・・
 

雪が降る町

2006-12-29 11:34:09 | 日本語
 滋賀県湖北地方は結構雪が降っています。

 なぜか昨日「虫の知らせ」を感じた私は、バイクを小屋にしまったり、父の車のタイヤをスタッドレスに代えたりと、今年一番の働きではないかというくらいまめまめしく働いたのです。

 ここでひっかかるのは、どうして「虫」が私にメッセージを送るのか??

日本語には「虫」を使った表現が多いんですよね~。

 あいつには虫唾がはしる。

 むかついて、腹の虫がおさまらない。

 あの人、今日は虫の居所が悪いで~~

のように、人間の体にはどこかに虫がいるんですね~。なんや、例文見ると、むかついているときにやたら虫が関わっているような・・・

 きっと、エヘン虫みたいなのがいるのかな。←ちょっと似てない??

 
 人間を虫に例えている表現もあります。

 泣き虫 弱虫 本の虫 芸の虫

こちらは何か同じことばっかりしている人を虫で表しているようですねえ。

 森本哲郎さんは「日本語 表と裏」で、虫に対する恐ろしさからこういった表現につながると言っておられます。

 怖さ→神秘→不思議な力→言語表現

ってな感じかなあ。僕は、むしろ虫が好きなので、かわいさを感じてしまう。

 かわいさ→好意→言語表現

じゃないのかなあ(言語学者らしからぬ全く根拠のない主観的判断)。

 
 今年はテントウムシとカメムシが大量発生しました。

 ←これはカメ

 どっちもかわいいけど、カメムシはおならをするから嫌いだな。


 な~んていうのは虫のいい話。
 

オチに関する日本語学的分析

2006-12-24 10:08:20 | 日本語
 ハンバートハンバートのライブに行って来ました。日本の童謡にアイリッシュとアメリカンポップスを混ぜたような、なつかし~音です。今の私のお勧め。男女二人で歌うのですが、かっこいいですよ~~。今年は3回も行ってしまった。

 二人のMCより…

「実は、ツタヤで会員延長をするときに、クレジットカード付きの会員証を勧められました。」

「お願いしたら数ヵ月後・・・審査に落ちたって言われたの・・・」

「それはいいとして、また次の年会員延長したら、同じことを勧められて・・・」

「お願いしたら数ヵ月後・・・またまた審査に落ちたって(ここで笑い)」

「っていうか、それ僕の話だよね。(大爆笑)」

最初は女性ボーカルのさのさんが話しているんですが、自分の話のように見せかけておいて、・・・実は男性ボーカル佐藤さんの話なのです。というオチ。


 このオチがなぜ成立するのか??

 日本語は主語を言わなくても会話がずんずん進んでいくのです。「私はあなたがすきです~」なんて言わずに、「あなたが好き」とか、「好き」って言えば済んでしまうのが日本語なのです。

 英語だったら同じ形では成立しないよ。主語が必須だから・・・


ライブ見てても、日本語のことを考えてしまう私でした。あっちなみに、ハンバートハンバートはミュージシャンですからね、あしからず。


いつも~おなじ~話~~♪

ながら勉強

2006-12-02 11:52:36 | 日本語
ひさびさにまじめな文法の話。

「ながら」という文法には同時性をあらわす用法があります。

 ごはんを食べながらテレビを見る。
 鼻歌を歌いながらカレーをつくる。

もうひとつ、「ながら」には譲歩の意味があります。

 悪いとは知りながらタバコをやめられない。
 ウソとは思いながら彼女に金を貸した。

日本語能力検定2級試験では、同時性だけでなく譲歩の意味もテストに出てきます。学生さんは丸暗記していますが、教えながら

 「どーして、同時性が譲歩に拡張するんかいな?」

って考えてしまいました。←さすが言語学者の卵の殻 

 「ながら」の基本は同時性を表すものです、きっと。

 AとB似たような二つの動作が同時に起こっているときは、同時性。しかし、そのAのところに思考の動詞などがくると同時性に感情が加わるんですね。

 そもそも何かを同時に行うときって、ちょっと罪悪感や否定的なキモチがあったりするんじゃないかな~。「ながら勉強」なんて言葉、すげーネガティブですよねえ。そういった罪悪感が言語を運用しているうちに「ながら」の意味として付加されてきたのが譲歩じゃないのかと思うのです。

 英語の as にも同時性と譲歩の意味がありますねえ。人間なんて同じようなものなんですよ。


 こんなネタ書いて誰かおもろがってくれるのだろうかと迷いながら、ついつい文法を語ってしまう。


 だれかおもろがって~~~。

ひこにゃん登場

2006-11-15 15:08:15 | 日本語
 滋賀県彦根市には、知る人ぞ知る彦根城があります。築城400年ですよ!エレベーターがぶっ通してあるどこかのお城とは格が違います。国宝だもんね。400年記念イメージキャラが、なんと写真のひこにゃん。

これが決まるまでにはきっとモメたんだろうなあ。

年寄り衆「なんで、35万石のお城にねこやねん!!しかも軽薄なネーミングで格が落ちるがな。」

若者衆 「あんたらは頭が固い!固いのは城の石垣だけで十分や。これからは若者に受ける町づくりが大事なの。」

年寄り衆「どアホう!チャラチャラと若者に受ける必要はない。」

若者衆 「なにいうてんの、若者に受けんかったら観光客は減り続けるでえ。」

年寄り衆「う~ん、そんなら妥協案で、ひこねドンにしよう。」

若者衆 「あきまへん。おもいっきり九州の臭いがするがな。」

 などという紆余曲折を経て、今のキャラになったんでしょうねえ。若者が押し切った感がするなあ。


僕は結構好きだな。

ひこにゃん。←若者のこころに届きますように~~~


お経の威光

2006-10-19 10:31:58 | 日本語
 ちょっと法事に出ていました。お経をじーっと聞いていてふと思ったのは・・・

 「意味わからへんところが有り難いのではないか?」

ってことです。お経はインドのサンスクリット語に中国で漢字が当てられて、それを日本人が読んでいるわけです。意味わかるわけがない。

 もしお経の内容がすべて聞き取れたとしたら・・・

 「インドの山奥で修行したお釈迦さんが、あるとき小さな男に会いました。小さな男は一匹のおさるさんを連れていました。なんと、おさるさんの名前は「キタロウ」というのです。小さな男は言いました、「おい!キタロウ!!」。お釈迦山さんは言いました。「なんでおさるさんがキタロウなんですか?」・・・」

 みたいなこと言ってたりして・・・(そんなことありえないけど)。

 とにかく聞き取れたら、有り難くない気がする。

 気になったのでお坊さん(うちの親父)に聞いてみた。

 「ちゃんとお経の意味わかってるの?」

 「ほんなもん、しらん。」

 こらーーー、インチキ坊主め~。

 そもそも、意味のわからない音の連鎖を意味のわからない人が読んでいて、それを意味のわからない人が聞いているんですよ。

 ほんまに意味わからへんわ。

 それでもお葬式の雰囲気は大事だと思うんだけどね~。

刺激ー反応

2006-09-30 17:19:00 | 日本語
先週韓国に滞在中、ちょっと気になるできごとがありました。

何かしゃべらないかんと思うと、

「ドドド多少銭?」

思わず、中国語が出てしまうのです。相手は韓国人なのに・・・これはイチビッて中国語を自慢してるわけでもなく、体が勝手に反応してしまったのです。

このように、「言語なんてしょせん刺激に対する反応である。」などという発想が一時日本語教育を支配していました。行動心理学の発想です。パブロフの犬って、高校の生物かなんかで習いましたが、ベルを鳴らすと犬がよだれをたらすように、人間の心理も刺激と反応で説明しようとしました。

この行動心理学がベースになり、オーディオリンガルメソッドという教授法が広まりました。簡単に言ってしまうと「慣れてしまえ!!」という教授法です。何回も繰り返し発音すれば、体が覚えるので、発話場面で自然に外国語が出てくるというものでした。

今も英語教育とかで、先生に続いて発音練習とかしますが、あれはオーディオリンガルメソッドの名残。

あまりにも機械的な発音練習はつまらないし、コミュニケーションが伸びないので、この教授法はかなりたたかれましたが、今でも一理あるなあとは思うのです。もちろん、これがすべてではないんだけど。

今、日本なのに、お店とかでついつい

「カムサハムニダ」

って言いそうになるもの。

そんな経験ありませんか?

言葉の比較

2006-09-26 23:10:53 | 日本語
話は突然18世紀末のカルカッタ。

Wジョーンズという判事が行った講演がきっかけ。

「どうも、サンスクリット語はギリシャラテン文学に出てくる文と似とるんだがや(イギリス人だから名古屋弁ではなかったはずだが)」

という発言からヨーロッパの言葉を比較しやがれ~~~っていうムーブメントにつながりました。いわゆる印欧語という概念が出てきたわけです。比べてみたらフランス語もドイツ語もまあ兄弟だわねということが明らかになってきたのです。インドからヨーロッパにかけて一大言語圏が現れました。

日本人が英語ヘタでもいいのよ。ってことですよ。言語が離れているんだから。

それはおいておいて、ヨーロッパの中に印欧語からもれてしまう言語がちょこちょこ出てきたのです。ハンガリー語、エストニア語、フィンランド語、これらはアジア系の言語なのです。当時のハンガリー人なんかはどう思っていたのでしょうね~。暗黙のうちに包摂と排除の構図ができあがっていたんじゃないかなあ。

 うわ~ん、うちらは仲間はずれにされちゃったよ~ん

みたいな感想も出たはず(確信はないけど)。こういった言語の系統を明らかにするために比較を行う分野を比較言語学と言います。系統を明らかにすることが目的なので、日本語とインド語を比べてみても比較言語学にはなりません。まったく他人だから。

しかしね~。どう考えても英語とロシア語が兄弟だなんて思えないんですよね~。親戚のおっさんの嫁はんくらい離れている感じがする。←これだと他人だな

とにもかくにもこんなことを言い出したのは判事であるってことにひっかかるなあ。法律の知識だけじゃなく言語の知識もあるなんてジェラシー。

こっちは言語をほじくるだけで精一杯だもの。


「な」と「にゃ」の言語学

2006-09-24 08:25:27 | 日本語
なんだかどんどんマニアックになっていきますが、教育能力検定的には大事な話です。エッチなサイトだと思ってきた人(そんなやついないかな!?)にはなんの面白みもない話です。

またまた音声の話。

「母音と子音とはなんでしょう?」 きけろさま

 のどボトケを通ってきた声を口の中のどこかで妨害すれば子音
 
 妨害がなければ母音

妨害がないので母音はずーっと伸ばして使えます。

 さ~~~~~ か~~~~~ な~~~~~

などと伸ばしてみると、途中からすべて「あ~~~~~」になっているのは母音には持続性があり、子音にはないからです。

「「これらの「ん」の音は、上から順に「ま」行の子音、「に」の子音、「なぬねの」の子音、「ンガ」というガ行鼻濁音の子音、を子音だけで発音したものです。」とありますが、「に」の子音は「n」で「なぬねの」の子音も「n」ではないの?というのが素人の第一感です。」 きけろさま

 そうですね。「なにぬねの」は日本人にとって同じ子音です。しかし、日本人は無意識に区別しているのです。その証拠に、

 な(ぬぃ)ぬねの
 
 にゃににゅにぇにょ

という別々の段を作って発音することができます。これはとりもなおさず、「な」と「に」の子音が違うからなのです。その違いは舌の前後です。上の「な」行は歯茎と舌が接触しますが、下の「にゃ」行は少し後ろの方と舌が接触します。もし日本語の「な」行は一種類しかないのだと仮定すると。

 ニュース → ヌース
 にゅうぎゅう → ぬうぎゅう
 にゃんこ → なんこ
 ろうにゃくなんにょ → ろうなくなんの

なんていう音体系になります。あかちゃんの発話てこんな感じですけどね~。

そんなこんなで「な」行子音には2つ音があるのです。

常識が崩れるのって楽しいですよねえ。

そんな大げさなものでもないかな。

借用ってなんだ?

2006-09-21 10:16:08 | 日本語
戦時中、「敵国の言葉はやめろ!!」という大号令の中、

 ベースボールは野球
 ストライクはよし
 ピッチャーは投手

などという外来語規制がありました。これはよく聞く話でしょ?でもでも難しいのは外人の名前。当時、日本にいた外国人ピッチャー、スタルヒン投手。

 お前は今日から‘須田’になれ!!

なんていわれたんだって。本人はどう思ったのかな~。よりによってなんで須田やねん。もうちょっと違うのにしてくれ~って思ったのか思ってないのか・・・

 よくよく考えると、投手とか野球とかに使われる漢語。これもれっきとした中国からの外来語です。しかも当時は中国と戦争中だったから、敵対国のはず。その辺の矛盾はいいのかな~~。日本語にするなら、

 ピッチャー→たまなげびと
 キャッチャー→たまうけびと
 センター→そとのところのなかあたりにいるひと
          ↑
      めっちゃいいにくいっちゅうねん。

なんて平仮名ばかりになってしまう。ところがところが、ひらがなはご存知、漢字から作ったものだから、ぶっちゃけどんな文字を使っても外国製のしかも敵対国のものになってしまうのです。

 たまなげびと なんていう和語にしたところで、日本語は大雑把に見ても南方系とアルタイ系が混ざっているから、どちらが借用で、どちらが本籍かなんてのもわからないのです。橋本マンタロウ先生は、南方系の人間がいたところへ、アルタイ系の民族が来て支配してしまった結果日本語が生まれたのではないか、などとおっしゃっていますが、そう考えると、文法のほとんどが借用になってしまいます。
 
 つべこべ書いておりますが、言いたかったことは・・・

 純日本語なんて定義次第なのよん。

 てこと。

 しばらく日本語教育能力検定的な話を書きますね~。
 

 これで受験生のハートをわしづかみだ。

朝日ソーラーじゃけん。

2006-09-15 10:45:41 | 日本語
 タイトルは昔、菅原ブンタさんが出演していたコマーシャルより。広島弁で‘~だから’を‘じゃけん’というそうな。

昨日まで岡山にいた私は、漫画喫茶でぼーっとしながら、岡山ネイティブの方々の会話をじーーーっと聞いておりました。一応「カバチタレ」を読みながら・・・。

岡山も基本的に広島風で、~じゃが、~じゃ、~じゃけ なんていう方言でした。女の子が話す方言はドキドキすると昔つれと話題になったことがありますが、女性の岡山弁も素敵でしたね(残念ながら漫画喫茶の主人はおばさまでした)。吉本興業の千鳥っていう漫才師はバリバリの岡山弁。岡山弁もだんだん市民権を得てきた観があるのは、私の周りに千鳥ファンが多いからかな。

 面白いな~って思ったのは、不可能を表す「~できない」が強くなると、岡山の人々の会話では、「~もんか」っていう風に、反語的に言うところ。

 「○○さんは、あそこの学校から通ってるのよ」

 「あんなところから来れるもんか!」

「あんなところからくるのは不可能やろ~」くらいの意味でしょうねえ。全体の会話の流れを忘れてしまったのですが、相手を否定しているわけではありませんでした。反語ってのは昔古典の授業とかでも習いましたねえ。「~~できるだろうか、いやできない」みたいなちまちました訳をつけさせられて・・・

 なんて昔のやつはまだるっこしい話し方をするのだ、言いたいことははっきり言えよ。

なんて、思っていたのは高校受験の頃。しかし実際に反語的な発話を聞いてみると、すごく会話に勢いがあっていいんですよねえ。

千鳥の漫才がおもしろいのはそのへんかな~。

な~んて考えていたら、日が暮れてしもうた。

まあ、岡山で漫画喫茶も悪くないかな。

ハンサム兄弟

2006-09-02 11:56:23 | 日本語
 日本語教師になってから、ずーっと引っかかっている語彙があります。それは・・・

 ハンサム

こんな単語を、今の人たち使う??

 多くの初級教科書に出てくるのではないでしょうかねえ。僕なんか、この語彙を使われることが多いので(大ウソ)やたら気になります。

 「先生、王さんはハンサムですね。」

いやいや、意味はわかるし、間違ってるわけでもないんだけど・・・なんだかじじくさいのだ。

この微妙な語彙に注目してバンド名にしてしまった人々がいます。

 「ハンサム兄弟」

なんだかちょっと心引かれるんですよね~。ジャケット見てCD買ってしまうことをジャケ買いといいますが、私は「ハンサム兄弟」を名前だけで買ってしまいました。バンド情報は弟さまに聞けばなんでもわかるので早速電話。

 「なあなあ、ハンサム兄弟って知ってる?」

 「けっこうええで、ナンバーガールっぽい。~~のホームページでPV見れるよ」

ホームページの場所は聞き漏らしてしもた。

それはおいて置いて、このちょっと力を抜いた感じのバンド名にすごく心惹かれてしまうのです。

 ちなみにメンバはさほどハンサムではありません。

 そこがまたいいのよね~。