9月の連休に,以前から親しくして頂いているセクシー・加納さん(以下セクシーさん)の工房へお邪魔させていただくことがかなった。
G.W.にも一度お邪魔しているが,あのときはセクシーさんのお酒の好みがわからずにお土産が適当になってしまった。そこで今回は貢物(魂胆が見え隠れ
)をもってお邪魔させていただくことにした。なにしろ,子供の頃からの夢「タナゴ」(ウミタナゴはいくらでも釣っているのだが...)を釣らせてくれるというのだ。環境省のお役人では絶滅危惧種といわれるタナゴを,釣らせてもらえるとのことなのである。
9/15は家事都合により13時過ぎに東京出発。外環までの道路が混んでしまったが,それでも大洗まで2時間で着いた。ETC割引で片道1950円。120キロほどの道のりだから,潮来周辺に行くのと距離的には変わらない。潮来は片道500円ですが
。
そしてセクシーさん宅にいきなりいき,以前お話したときに話題になった昔のバス雑誌などで盛り上がった。
あっというまに夜は更けて,大洗港に散歩に行ってみようということになった。
巨大な「さんふらわ」。苫小牧まで出ているんだ。
来年の夏はこれで北海道旅行,もいいよね。
ボクの朧気な記憶では,小学生スイミングスクールのときに新島へ行って以来のホンモノである。そして震災のときにこの船は直ちに出港したという。津波警報が出るか出ないかのタイミングで全乗務員を乗せて苫小牧まで出たという。だからここに船がある。船長の英断に拍手
を送りたい。
やはり被災地。大洗。
こうした看板はいままでテレビでみるだけであった。しかし実際は生々しい。大洗町がつくった記録集も頂いて熟読したが,本当によくここまで復興したものだと思う。
そうしてまた話を続けていると,なんとセクシーさんも仏像に興味が
彫刻に,だそうです。
さすがに難しくて諦めたとか。でも,ボクがみる限り「一木造り」の作り方だった。「寄木造り」なら部分作業になるし,器用なセクシーさんなら作れるんじゃないかな
まあそれにしても,「仏像”観賞”」が趣味のボクと,「仏像”彫刻”」に興味がいったセクシーさん。やはり縁とはオモシロイものだ。
そして就寝し,起床して向かった先は,なんと地元のセクシーさんも知らない水路だという。当然僕も知らないわけであるが,覗いてみると小魚の群れが見える。そのすばしこさは水郷でもよく見かけるものだ
。
それを黄身練りで狙う。これを半月(針の名前)につける。
オカユポンプですよ。
黄身をホットケーキミックスで練り込んでこのような専用ケースに入れると,あまりギルなどの猛攻を受けずにタナゴが狙えるのだという。
では,レンタルタックルで勝負開始(いつも甘えてスミマセン)
群れは見えるがなかなかエサにアタックしてこない。そこで考えたのが,寄せ餌を入れてみる作戦。黄身練りを丸めて流してみるのだ。そうすると,小魚達は水草の影に隠れていることが判明。かなりカシコイ相手だ。ますますやる気になる
。
そうして水草の間にいれながら流していると,群れがオズマのエサをつついている。そして1匹が浮きを消しこんだ。
ヤリタナゴだ。絶滅危惧種なんて嘘
人生で初めてですよ。釣りキチ三平で「小さなビッグゲーム」(26巻)に出会ってからずっと憧れだった。
このあと同様に流しているとセクシーさんにもヒット。オズマにも...。
カネヒラです。元気がいいね。
みんな可愛くて,元気いっぱい。ちなみに,水路の雰囲気はこんな感じです。
三面護岸だけど水草がある。透明度がある。
ちゃんと居るんだ。バスなんて関係なく。
このくらいで止めて満足。みんなリリースしました。
つくづく思ったのが,外来魚の少なさ。もちろんカネヒラだって淀川水系固有種だったはずから厳密には在来種でないだろう。それでも,この水路では肩身せまそうに泳いでいるブルーギル1匹しか見かけなかった。クチボソ・モロコもいなくて,みんなタナゴの群れ。まさにタナゴパラダイス。ある意味偏っているともいえるが,コイ科でも住み分けがあるのだろう。
そしてこれが現実なのだと思う。8月に水郷で水路探しをしていたときもこの種の魚の群れはことごとく見つけていた。それがつまりタナゴだったらしいということ。タナゴとバスは見事に住み分けているという現実があるのだろうということ。イナッコとバスは連動しているように思いますが...。
それにしても,より小さくなると「こっちのほうがちいさいぞ」などと自慢できる釣りってオモシロイ。
こうして,少年時代からの悲願は達成されたのだった。名ガイド・セクシーさんに感謝。そして茨城の自然にも感謝
。