た・たむ!

言の葉探しに野に出かけたら
         空のあお葉を牛が食む食む

3月6日

2009年03月06日 | Weblog
 一本の電話を待つとき、わたしは身を丸める。沈黙した空気に五体が触れるのを忌み嫌うかのように。

 激しさを増す雨が、そんな小さなわたしをあざ笑う。へへへ、さっきから鳴らしているこの雨音こそが、あんたのための呼び出し音だよ。

 わたしは外に飛び出したい衝動に駆られる。

 もちろん、わたしは飛び出さない。私が待っているのは、一本の電話の呼び出し音である。 
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