た・たむ!

言の葉探しに野に出かけたら
         空のあお葉を牛が食む食む

戸谷峰

2020年11月16日 | 写真とことば

なんということだ

わずかナノメートルのいたずらで

もう世の中はこんなにも生きにくいじゃないか

街では息すらろくにできないじゃないか

 

さあ靴を履き山に向かおう

名が知られてなくていい

看板もない里山でいい

ふかふかの朽葉を踏みしめ林をゆけば

木漏れ日に顔を洗い、汗ばむ背中を風で流せば

他に何が必要だったかわからなくなるのだ。

それだけで

もう自分には十分な気がしてくるのだ。

 

ここには絵画があり、音楽があり、すべてがある。

哀しみがあり、喜びがあり、生と死がある。

ほら────見渡してごらん!

ああ、なんと豊饒な枯葉色───────。

 

※写真は戸谷峰

 

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曙光(つづき)

2020年11月04日 | 写真とことば

私は目を瞠った。

 

 

もう一度目覚めよう。もう一度。まるで、今日生まれた赤子のように。氷点下の曙光を全身に浴びながら、私は心にそうつぶやいた。

 

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曙光

2020年11月02日 | 写真とことば

十月末、燕岳に単独登頂。燕山荘泊。

午前五時過ぎ、極寒。東の空が次第に赤らみ始める。

 

これを見に来たのだ。

 

 

 

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