た・たむ!

言の葉探しに野に出かけたら
         空のあお葉を牛が食む食む

秋山一句

2023年10月27日 | 俳句

先週日曜日、美ヶ原に登る。天気良好、暑くも寒くもなく、誠に気持ち良い。

 

猛暑逝(ゆ)き 火照りを遺(のこ)せし すすきかな

 

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常念乗越日帰り

2023年10月02日 | essay

 常念乗越まで日帰り往復。午前三時起床のつもりが、興奮したのか二時に目覚めた。遊びと仕事はかくも違うのかと思う。

 一時間早く行動したおかげで駐車場も何とか確保できた。丑三つ時でも車はいっぱいである。あちらこちらでライトを照らしてごそごそしている。みんな睡眠時間を削って、わざわざ疲労困憊しに来ているのである。物好きな連中だなあと自分のことを差し置いて感心する。

 暗いうちに歩き始め、山腹で朝日を浴びる。

 

 中秋や 夜明けの森の 鈴の音

 

 登るにつれてぽつぽつと紅葉が始まった。立ち止まって眺めれば、山の斜面を走るようにして黄や赤に色づいているのが確かめられる。雲が流れ、暑くも寒くもない。実に快適な登りであった。

 乗越まで出ると、途端に風が強くなった。これだから山は侮れない。小屋に逃げ、体を温めようとカップ麺を啜る。

 

 下山は登りと同じくらい時間がかかった。常念は三回目だが、いつ来ても下りが長いと感じる。同じ道を来たはずなのにおかしい。いくら何でも長過ぎる、と感じる。不思議な山である。車にたどり着くころには、ちゃんと足が棒になった。

 もうこりごりと思いながら、またいつか登るのだろう。そんな山である。

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