都立高専交流委員会ブログ

都立高専と城南地域の中小企業(特に製造業)との交流・連係を図り、相互の利益と地域社会・地域経済の発展を目指します。

新年度活動方針の現状認識 / 問われるのは 危機に立ち向かう主体性

2013年04月19日 | Weblog
 皆 様
 
 
 平素よりお世話になります。
 
 
 4月20日の支部総会に提出される
 都立高専交流委員会の 新年度の活動方針 について
 
 1月の 委員会運営会議、2月の 拡大幹事会 に
 その骨子を提案しております。
 
 当方の仕事のスケジュ-ルの変調もあり
 今日、明日で 最終的なまとめをしようと思いましたが
 
 水曜日の 支部幹事会 に提出とのことですので、
 急遽、暫定版をまとめましたので、ご覧いただけば幸いです。
  http://blog.goo.ne.jp/ota-doyu-kosen/e/eb7258ea8662faa7e7abe16d347b90d8
 
 この 活動方針 ですが、
 これまでは、活動報告 と 新年度方針 の2本立てでした。
 
 昨年より、
 「はじめに」という 現状認識の項 を つくり、
 
 従来と比べ 活動方針らいしもの を
 つくることができるようになってきたと思います。
  
 活動報告/活動方針 につきましては、
 すでに、議論させていただきましたので、
 本年度の 現状認識 について、解説させていただきます。
 ご意見をいただけば幸いです。
 
 
 
   新しい危機へ向かう日本経済 と 安倍ミノクス
 
 
 活動方針のタイトルは、
 新しい危機に向かう日本(日本経済)
 「坂の上の坂」を登る課題を明確にする年に! とさせていただきました。
 
 「新しい危機に向かう日本経済」が 現状認識 となりますが
 
 安倍内閣成立などを通して痛感したのは、
 民主党政権(あるいは「危機の5年」←後段で説明)と安倍内閣成立 を 介して
 
 物事の評価基準が、
 180度と変わる(変わった)ということです。
 (個々の物事の評価が変わったのではなく、評価基準が変わる……)
 
 これについては、
 交流委員会ブロクの 年頭所感 に書かせていただきましたが
  http://blog.goo.ne.jp/ota-doyu-kosen/e/8c298acfe850e5b59cc97d4588d51952 

 
 ここから 次の一歩 に踏み込むのが
 安倍ノミクス と
 日銀黒田体制が進める 異次元 未体験ゾ-ン の金融政策となりました。
 
 
 
  「危機の5年」をへ、引かれる スタ-トライン
 
 
 経済の中期循環から言えば
 2007年の サブプライムバブル崩壊 が、目に見える折り返し地点となり
 株式市場の崩落、かつてない水準の円高へと向かいますが
 ここに、リ-マンショック と 大震災/原発事故 などが押し寄せ
 
 株式市場は、
 リ-マンショック後に、バブル後最安値を更新
 円/ドル 為替レ-ト は、
 東北大震災後に、過去最高の円高を記録し、
 円の対韓国ウォンレ-トは、100%の切り上げとなりました。
 
 この一連の危機への
 企業の対応能力の差異が明確になったのが、昨年度の3月決算です。
 
 電気、通信などの大手企業が大穴を空け、
 上場企業全体の経常利益金額は20%減となりましたが
 
 実は、上場企業の 半数以上 が 経常増益
 10%の企業は 過去最高の経常利益 を計上しています。
 
 国内の市場が縮小し、海外市場も難問山積
 自動車などを除いた、
 多くの分野で最終市場の主導権を失う困難な環境ではありますが
 新しいスタ-トラインが意識され始めます。
 
 昨年秋以降、
 株価と為替レ-トの反転が始まり、
 最初の「危機の5年」のサイクルが終わります。
 
 株式市場での企業業績(過小評価)の見直しや
 国際経済の相対的安定による為替レ-トの反転が始まる中
 大胆な改革や新しい課題に正面から取り組むことが問われますが
 我が国と世界の経済がかかえる課題は重く
 世界経済の「非常時」も終結したわけではありません。
 
 新しいスタ-トラインと「実体経済の重し」が同居する空間が
 昨年秋以来の我が国経済の現況です。
 
 そのことが、3月の日銀短観などに明確にあらわれています。
 中小製造業の景況感は5四半期連続(一昨年末来、一貫して)悪化
 大企業も、マイナス8と、震災以降でも大変悪い水準が続いています。
 日経新聞なども、期待と現実に引き裂かれているのが実際です。
  http://yamikabu.blog136.fc2.com/blog-entry-728.html
  http://yamikabu.blog136.fc2.com/blog-entry-729.html  

  
 
 
   異次元/未体験ゾ-ン へ進む 金融政策
 
 
 こうしたなか、
 安倍ノミクスを具現化する黒田日銀の新金融政策が明確になりました。
 
 その「異次元」の意味するものを、
 添付文書(略)が詳しく(丁寧に)解説しています。
 お時間のある方には、是非、お読みいたたきたく思います。
 
 「2013年度の2~40年国債の新規発行額の75%相当を
  日銀が、『無制限』に買い入れる」という未体験ゾ-ンへと入り
 新金融政策発表の翌日早朝に、10年物国債の金利が、
 世界(人類?)史上最低の 0.315% を記録したしました。
 
 安倍ノミックスの「3本の矢」とは
 「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」
 もちろんここに、
 消費税増税を含めた「財政再建」が入らなければなりませんし
 規制緩和とTPPなどと結びつけた通商政策の確立も問われ
  
 「シングルイシュ-」と言われた小泉政権の時(一点突破)とは、
 違ったアプロ-チを進めていくことが前提となるのは当然のことです。
 
 
 
   金融政策の異次元的転換を基盤とする経済の意味
  
  
 商品経済とは、使用価値の交換価値によるコントロ-ルですから
 金融政策転換主導の経済政策を進めていくとは、
 交換価値の再構築を基軸に経済政策を進めていくことを意味し
 金融政策の変更は、
 実体経済への資金配分と信用供与のあり方全体を変革する基盤となるものです。
 
         知 識 経 済 
 
    使用価値 ←→ 情報 ←→ 交換価値
    実物経済 ←→ 情報 ←→ 資本市場(金融経済)
 
         知 識 経 済
 
 経済危機に対応する「異次元」の金融政策は
 従来の経済システム全体を揺さぶりながら
 新しい市場の創造/より付加価値の高い分野へと
 資本市場の資金を振り向けていく基礎のとならなくてはなりませんし
 
 何より、バブル崩壊後の「失われた20年」を介して
 自律的な資金配分機能を失った我が国の株式市場(とより広い資本市場)を
 再生していく展望を持つものでなくてはならないでしょう。
 
 今回の新金融政策は、
 中長期的な経済危機、経済構造改革に対応するものであり
 短期の出口を探る通常の金融緩和と違うのは、
 添付文書にも記載されている通りです。
 
 であれば、新金融政策を基盤に問われていることは 
 中長期的な我が国経済の「出口」を明瞭に描き
 これを実現していく 戦略的/包括的な政策と
 その道筋を示していくことにつきるでしょう。
 
 
 
    危機に引き込まれる5年 から 危機に踏み入れる5年へ
 
~~ 問われるのは、危機に立ち向かう主体性 ~~
 
 
 これまでの「危機の5年」
 リ-マンショック → 大震災/原発事故 → という
 打ち続く危機の中で
 社会や政府に問われたのは、有事対応の能力に他なりません。
 
 民主党政権失敗の原因は、
 平時の政策形成の延長に、これらの事態に対応したことにこそあるでしょう。
 
 もちろん、「安全神話」による原子力発電の管理を含め
 その原因の主な点は、
 我が国の政府が関与すべき多くの分野に
 有事対応のインフラが形成されていなかったことに求められるでしょう。
 
 この「危機の5年」の経験を踏まえ
 安倍内閣の政策は、
 政府が自ら「非日常」の世界に踏み込んでいくものとなりました。
 
 サブプライムバブルの崩壊から始まる「危機の5年」は、
 我が国(経済、社会と政府)が、
 グロ-バルな金融危機 や 大震災によって派生した危機に
 引き込まれていくものになりました。
 
 そして、これからの「危機の5年」は
 私たちの社会や政府が、自ら、危機の中に踏み入れていく
 「新しい危機の5年」となるでしょう。
 
 この危機に立ち向かう、私たちの主体性こそ問われています。
 
 
 《新しい危機に向かう日本(日本経済)》とは、
 以上の様な現状認識により書かせていただいたものです。
 
 そして、その出口は、
 「『坂の上の坂』登る」意思を結集し、
 その課題を明確にしていくところから開かれていくでしょう。
 
 (昨年は、「坂の上の坂」を登る礎をつくる ……
  本年は、「坂の上の坂」を登る課題を明確にする ……)
 
 
 本腰を入れて進めなければ達成できない課題設定ではあります。
 時間の使い方も、容易ではないものになると思います。
 
 今後とも、ご高配を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。
  
  
 
2013. 4.13
  
グロ-バルコミッション 田中基茂
東京都大田区山王 4-19-6 4F
TEL 5746-3041 FAX 5746-3081
gc-t@ac.auone-net.jp
 

 

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