都立高専交流委員会ブログ

都立高専と城南地域の中小企業(特に製造業)との交流・連係を図り、相互の利益と地域社会・地域経済の発展を目指します。

「文部科学時報」 に、「中小企業家経営塾」 が紹介されました。

2007年07月01日 | Weblog

     「文部科学時報」 に、「中小企業家経営塾」 が紹介されました
 
 
 都立高専で行なっている中小企業経営者を講師とした授業
 「中小企業家経営塾」への社会的認知が少しずつ広がっていますが、
  
 今回、ご紹介するのは
 「文部科学時報」の2006年12月号の記事です。
 
 「文部科学時報」は、文部科学省が発行する月刊誌、
 全国の教育関係者、とりわけ、管理職を中心に回覧されていく
 その筋では、大変「権威」がある刊行物とのことです。
 
 この記事がでた直後、
 大田区教育委員会の柿本伸二氏(社会教育課長)とお話しさせていただきましたが
 柿本氏のからも「載っています!!」の第一声をいただきました。
 
 以下が、この冊子の特集「産学連携による高度人材育成」に掲載された
 都立高専「中小企業家経営塾」についての事例紹介の全文です。
 

 

   企業家が学生にものづくりと経営・人生を語る
 
           中小企業家経営塾
 
                         東京都立産業技術高等専門学校
   

  
     は じ め に
 
 本校と地元企業とのおつきあいは、
 本校の前身である東京都立工業高等専門学校の時代から
 20年を超える歴史を有している。
 
 なかでも東京中小企業家同友会大田支部のみなさんがその中心的な存在で、
 この間、さまざまな取組を双方から提案し、共同で行ってきた。
 
 平成13年、それまで企業家と教員が中心に交流事業を行ってきたが、
 当時の西村尚校長と井上忠道同友会高専交流委員長(井上製作所社長)との発案で、
 学生向け経営講義を行うことになり準備が進められた。
 そして翌年10月から、毎月1回合計5回にわたって企業家が
 経営、技術、海外事情、人材育成、人生について学生に語る
 「中小企業家経営塾」が開講した。
 
 当初、課外授業として、学生の自由参加形式で始められ、
 学生を集める工夫を案内ポスタ-等で行った(図参照)。
 現在は、一般選択科目「経営学」受講生が、授業とセットで課外授業に参加する方式へ移行している。
 今年で第5期を迎え、総勢20名を超える経営者の方々にご協力いただいている。
 昨年度より、藤田安彦校長の強い意向で、
 講師と塾長(同友会大田支部より選出)の方々には、本校の特任客員教授に就任していただいている。

 *東京都立工業高等専門学校と東京都立航空工業高等専門学校は、
   平成18年4月に統合し、東京都立産業技術高等専門学校となっている。
  

 
     目 的 ・ 概 要
 
 高等専門学校は、5年間の一貫教育課程を持ち、
 産業界に人材を供給する教育研究機構である。
 約7割の学生が本校を最終学歴として、社会へ巣立っていく。
 在学中に学んでいる原理や公式、実験実習が、
 どのように社会や企業で使われているか、案外わかりにくいのが現代の科学技術である。
 
 中小企業家経営塾では、
 高専3・4年生を対象に企業経営全般にかかわる講義が行われる。
 その講義を通じて学生は、学ぶ意義や心構え、就業意識、
 社会人としての責任、工学・技術の果たす社会的役割などを学ぶ。
 
 また昨今の企業は中国を始めアジア、アメリカなどで生産、営業活動するのは常識であり、
 海外事情に話題が及ぶことも多い。
 こうした話題からグロ-バルに活動する経営者・技術者のあり方を目のあたりにして、
 学生の国際感覚の涵養にも効果的である。
  

 
     学 生 の 声、 講 師 の 声
 
【3年A君】
 自分の誇りを持てる仕事に就きたいと思った。
 社長の顔は自信に満ちていて、仕事に情熱を注ぐ姿勢はとても輝いて見えた。
 貴重な体験とお話に感謝したい。
 
【3年B君】
 会社を設立することは、相当に勇気のいる決断だということを改めて思い知らされた。
 ハ-ドルがとても高いけれど、自分で会社を立ち上げる夢を実現するために努力してみたい。
 
【4年C君】
 自分のやりたいことはまだ分からないが、
 それをはっきりさせるべきだと気づかせてくれた講義に感謝したい。
 これまで意識しなかったが、
 高専はとても恵まれた環境であることもわかたったので、
 これからはフルに活用して目標を見つけていきたい。
 
【講師の講演後の感想(株式会社東日製作所会長 辻 洋氏のメ-ルより)】
 今回の講演で、正直このような若い人に私の気持ちが伝えられるだろうか、
 また経営の話をして欲しいとの依頼でしたが、
 若い人が経営そのものに興味があるだろうかと危惧いたしました。
 しかし、講義中の真剣な眼差しや、講義後の鋭い質問で、
 講演してよかったと感じました。
 さらに学生さんのレポ-トを読んで、私の言いたかったことをよく理解しているのに驚き、
 若い人に少しは役に立てたかと嬉しく思いました(写真1)。
 昨今は若い人への批判も多い中で、
 このように真剣に物事に取り組む学生さんに、日本の将来に明るさを感じました。
 

  
     お わ り に
 
 昨年から5回に一度は講師の会社へ出向き、
 技能体験や本社見学の後、講義してもらうなど、新しい取組も行っている(写真2)。
 地域産業界とより緊密に連携し、さらに発展させていきたいと願っている。
 
                         (産学公交流センタ- 中西佑二・遠山恭司)
 
 
 この事例紹介に掲載された図と写真は下記です。
 
 「中小企業家経営塾」のポスタ-(図)
   日本ヒ-タ-機器・小柴氏の紹介、サヤカ・猿渡氏の授業風景
 
 東日製作所 辻氏の授業風景(写真1)
 
 北嶋絞製作所での「実習」風景(写真2)
 
 


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