都立高専交流委員会ブログ

都立高専と城南地域の中小企業(特に製造業)との交流・連係を図り、相互の利益と地域社会・地域経済の発展を目指します。

その2  2016. 8.10 中小企業家経営塾 大連学生海外派遣 事前学習会 レジメ

2016年08月15日 | Weblog
 
 
 その2 となります。 
 
 
 
3.世界経済のグローバル(国境を超えた一体)化とは、その新しい段階とは?
 
 
  この200年で、世界はどのように変わったのか? 今世紀に何が起こるのか?
 
  歴史的転換期にある世界経済/中国経済の動向(内閣府『世界経済の潮流 2011 ①』)
 
 
  経済のグローバル化は、わが国の産業の前線にどのような影響を及ぼし、
  この前線で、大田区機械工業 は、どう戦ってきたのか?
  
  世界の工場/中国の台頭 →
  グローバルな産業再編 → 多くの分野での大企業の国際競争力の喪失
  自動車、工作機械等、わが国の主戦場は、リーマンショックが直撃
  
  付加価値を高め、市場の選択肢を拡大し、小さな世界企業 へ
 
  
  世界経済のグローバル化による グローバルな産業再編 とは
 
  世界と中国/日本の自動車生産/販売のデータ
 
  2016.04.27 日本経済新聞 2015年度 自動車 メーカー別 国内生産 販売 輸出
 
  世界と日本の粗鋼生産高の長期推移
 
 
  ここから
  
  大連経済技術開発区メインストリートの飲食店の求人広告 2010→2011→2012年 (写真)
  
       クリックすると、画像が大きくなります。
  
 
  胡錦涛政権時、リーマンショック前に
  企業の社会保障政策改革、農業税廃止と農村への補助金の導入
  
  事前学習文献『チャイナギャップを見極めろ』など、ご参照
  中国農民にとって2006年は、四千年の同国史上もっとも画期的な年 ……
  
 
  経済のグローバル化とは、
  世界経済の国境を超えた一体化、統合、ボーダレス化のこと
 
  また、そのことにより、一国的な政治、文化、制度が揺さぶられ、
  共通のルール、基本的な価値観の共有が要求されていくこと。
  
  国際化とは、「英語教育」のことではない(もちろん語学も必要)
  
  異なった文化/価値観(社会観……社会の成り立ち、つくられ方、
  人間関係のつくり方、政治観)と
  向かい合い、そこに共通のパラダイムを構築していくこと。
  
 
  新しいラダイムに踏み込む中で、液状化する世界
 
  日中/日韓ナショナリズム、
  中東秩序の流動化(アフガン/イラク、アラブの春、イスラム国)、
  クリミア/ウクライナ危機、ギリシャ問題に揺さぶられるEU統合
  世界に広がるテロ、英国のEU離脱、米国の大統領選挙 ……
  
  
  わが国にとっては
  
  国民経済/国民国家 の「終着駅」としてのわが国 (最終的に最も発展した)
  EU市場統合までは、世界で二番目の人口を有する市場に、フルセット型の産業構造を形成
  (冷戦により、対外安全保障は米国依存/アジアでは唯一の近代国家)
  →→ GDP世界第二位の経済大国へ 
         ↓    ↓    ↓    ↓    ↓    ↓
  世界経済は、市場、サプライチェーン(ものづくりの工程分業)、情報、金融等、あらゆる面で一体化
  金融は壊滅、情報 通信 は 大幅な貿易赤字、
  中途半端な大企業は「負け組」、中堅企業の多くは縮小均衡
 
  スマホの生産単位は、月産一千万台が単位
  
  そして ……
 
  自動車については、世界と日本、わが国メーカーのデータご参照
  工作機械は ……
  ファナック と 鴻海精密工業
  
  一方で、中国では10億人の既得権から遠い層が社会の前面に
  (胡錦涛政権 → 習近平政権 へ)
  
 
  経済のグローバル化に乗り遅れた国/地域では、深い疎外感が……
  
  
 
 世界経済グローバル(国境を超えた一体)化の 新しい段階 へ
  
 
 
 
 
 
4.日中の歴史問題の意味するもの (背後にあるもの)
 
 
 日本
 
  幕末以降、欧米の文化、産業革命を介したテクノロジー、欧米基軸の世界秩序に向かい合い、
  明治維新を介して、国際社会の主要なプレーヤーへと駆け上がる条件をつかみながら、
  国際社会の変化への対応と近代的な統治システム確立を結び付けることができず
  国策の誤り(実質的には統治システムの破たん)により、国家破滅の危機へ向かった。
 
 
 中国
  
  辛亥革命、孫中山(孫文)によるの中華民国成立(1912年)から、次の100年へ
  1985年日清戦争、義和団運動の挫折、日露戦争などを介して辛亥革命 → 実際は軍閥の割拠へ
  ロシア革命から、国民党/共産党の関係、抗日戦争を介して、中華人民共和国成立
  冷戦、中ソ対立、文化大革命を介して、国際社会への復帰
  4人組(文化大革命)への決着から改革開放(1978年)
  冷戦終結と天安門事件(1989年)を経て、グローバリズムと世界の生産センターへ
  この中国/近代国家形成の100年をどう総括し、次に踏み出すのか。
  
  中国共産党第18回全国代表大会による習近平体制の成立と集団指導制の中国
  とう小平の南巡講話(1992年)=改革開放の折り返し地点から20年
  この経験をどう総括し、次の課題を明確化するのか?
 
  改革開放後、わが国近代化150年のプロセスを30年で経験した中国
  「(中国理解の困難さの最大の理由は)とてつもなく多様で巨大な国が
   猛烈なスピードで変化し続けている事実そのものにある(人類未体験の道)」
  「『チータよりも早く走っている象』が 今日の中国」 (宮本雄二前駐中国大使『習近平の中国』)
  
  経済の爆発的拡大と既得権層への富の集中/発言力を強める国民
  輸出/投資主導の経済 から 消費主導の経済への転換
  中央政府/国営企業/地方政府中心の経済と市場経済を支える基盤の脆弱性
  国民の政治意識の未成熟、噴出する環境問題、社会的不正、産業災害
  「アンダー・ザ・ドーム」に見る問題解決の困難性  https://www.youtube.com/watch?v=UfXNyfxT3yo
  政治の中枢での統治システムを私物化する政治グループの蝟集と既存システムの機能不全。
 
  一方、全国郷鎮(町・村)企業が全工業生産の47%(2007年)を担う産業基盤(『チャイナギャップ』)
  国民への所得分配、既得権から遠い中小企業を支援するアリババなどの新しいビジネスモデルの登場
 
  虎も蝿も叩く反腐敗、共産党と中央/地方政府、国営企業と既存システムの「上から改革」。
  一方、市場経済、市民社会を基盤とする新しい経済/構造を準備していくことができるか?? 
 
 
 
東京中小企業家同友会 大田支部 都立高専交流委員会 
 
グローバルコミッション 田中基茂
東京都大田区山王 2-3-3 6F
TEL 5746-3041 FAX 5746-3081
gc-t@ac.auone-net.jp

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