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おなじみ、抜け忍オムイと、 |
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追忍である。 |
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この日は、猛烈な寒波が訪れていた。
闘いどころではない。下手をすると凍死しかねない寒さである。
そこで二人は、一時的に休戦し、和睦を結ぶことにした。 |
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二人は、一緒に毛布を被って、寒さをしのいだ。
呉越同舟と言うべきか……。 |
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「なあオムイ、寒いなあ」
「待つしかあるまい。低気圧が過ぎるのを、ひたすら待つのだ……」 |
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そうこうしているうちに ―― 追忍は、おならをしたくなってきた。 |
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毛布から出たくなかったので、そのままで音を立てずに放屁してしまった。 |
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追忍の尻から発せられた気体は、毛布の中を通って、オムイの首筋あたりから出て来た……。
もわ~ |
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「むッ!? こ、この匂い!」 |
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「ぐはあああ!」
「す、すまん、オムイ……」 |
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「き、貴様あ! 何て野郎だ!」 |
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「すまん! 許してくれ、オムイ!」 |
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「いいや、こればっかりは許せん!」 |
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「やり返す! 覚悟しろ!」 |
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「うッ!?」 |
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「や、やめてくれえ!」
追忍は思わず、オムイの尻を押さえたが……。 |
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しかし、その努力も虚しく、直撃を喰らってしまった。 |
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「ぐはーーーーッ!!」 |