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おなじみの光景である。 リュックに乗っているのは、おむさん。隣には、おかか先生。 |
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二人とも、リュックに乗るのが好きなのだが ―― |
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リュック争奪戦は、今日も、おむさんが勝ったようだ。 |
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「なあ、おい。私もリュックに乗りたいんだ。どいてくれないか」 |
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「いやです！ あくまでも早い者勝ちですからね！」 |
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「たとえ先生に恨まれようとも、僕は、どきませんっ」 |
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「……私は、恨んだり憎んだりはしないよ」 |
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「むしろ、思いっ切り愛してやる！」 |
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「お、思いっきり愛する？」 |
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「ど、どうするつもりですか！？」 「わははは！」 |
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「キスするのさ！」 |
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「うわっ！？」 |
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おむさんは、驚いて、リュックから飛び降りた。 |
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「ふふふ！ リュックはいただき！」 |
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おむさんは、逃げてしまった。 リュック争奪戦は、おかか先生が勝ったようだ。 |
