父と息子と

2010年11月16日 16時55分30秒 | B地点 その他

 

 

「僕たちの仲間を、あらためて紹介するよ」

← 「これが、ゆうちゃんだよ」
← 「これが、タキシード君だよ。ゆうちゃんに、よく似てるよね」
「タキシード君は、ゆうちゃんのお父さんだと思うんだ」
「僕は、そうだと思いたいんだよ」
「だって……僕は、僕自身のお父さんのこと、知らないから」
「お父さんがいたらいいな、って思うんだよ……」

しんみり
「おいおい。お前には、この私がついてるじゃないか」
「私は、お前のことを、実の息子のように思っているよ」
「お前も、私のことを、実の父親だと思ってくれ」
「……おかか先生! あ、ありがとう!」
「では、さっそくだが」

ずい
「親孝行をしてもらおうか」

ずずい
「……はあ?」
「私を父親だと思うなら、親孝行をしたいだろ?」

「あ、いや、そ、それはそうですが……」
「ではリュックから降りてくれ。私を座らせてくれ」

「ちぇっ。やっぱり、そういうことですか」
「はいはい、わかりましたよ。リュックを譲ればいいんでしょ」
「そうこなくちゃ」
「ふっふっふ。持つべきものは息子だな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


風呂に入って温まろうじゃないか

2010年11月16日 16時18分14秒 | B地点 おかか

 

 

「うう……寒いなあ」
「夕方になって、ますます寒くなってきたじゃないか」
「ええ、本当に。ひどく冷え込みますねえ」
「こういう日は、風呂にでも入りたいもんだな」
「……ん? 待てよ!」
「カメラの若造の家には、風呂がある筈だ」
「どうだ、思い切って行ってみるか? 熱い風呂に入ろうじゃないか!」
「いい考えですね! じゃあ僕、案内しますよ!」

というわけで ――

二人はかなり苦労をして、私(作者)の家まで来たのである。

しかし、余りにも運が悪いことに、この日、風呂は故障中であった。

「な、何だと!?」

浴槽と給湯器をつなぐゴムのパイプが破損し、水が漏れていたのである。


※実話

「そ、そんなあ~っ」