オムイ外伝 第五部(人情濃厚篇) 第37話 |
![]() |
これはオムイではない。 メカオムイ2号である。 |
![]() |
初代メカオムイは、見るからに武骨なマシーンであった。 ※初代メカオムイについては、メカオムイの逆襲を参照 だが、このメカオムイ2号はアンドロイドであり、外見は本物のオムイそっくりである。 |
![]() |
メカオムイは本来、オムイの分身として働くはずだった。 しかし今や、幕府の走狗となり果て、オムイの敵にまわった。 |
![]() |
なぜなら、追忍が、メカオムイの制御プログラムを、不正に書き換えたからである。 「ふへへへへ……」 |
![]() |
「ゆけい、メカオムイ! オムイを倒すのだ!」 「ショウチ シマシタ」 |
![]() |
「ぬかるなよ……」 「ワタシ ニ オマカセ クダサイ」 |
![]() |
「くッくッく。これでオムイもお陀仏だな……」 |
![]() |
「オムイ、 シンデ モラウ ゾ」 |
![]() |
こちらは、本物のオムイである。 「うッ!? メカオムイ!? な、なぜ俺を狙う!?」 |
![]() |
「はッ、そうか! 制御プログラムを書き換えられたのか!」 |
![]() |
「キョウ ガ オマエ ノ メイニチ ダ」 |
![]() |
「くッ、情けない……。メカオムイよ、目を覚ませ!」 |
![]() |
「考えろ! ほんとうの悪者は誰なのかを!」 |
![]() |
「真の悪は、追忍だ! その背後の幕府だ!」 |
![]() |
オムイの訴えを耳にして、メカオムイの動きが止まった。 「……」 |
![]() |
「何をしておるか!? さっさとオムイを殺らんかッ!」 |
![]() |
その時、あり得ないことが起こった。 メカオムイの瞳に、涙が滲んできたのだ……。 じわ~ |
![]() |
「むッ!? どういうことだ? 機械が涙を流すとは……!?」 |
![]() |
信じ難いことだが ―― メカオムイは、自我と自由に目覚めたのである。 |
![]() |
「何てこッた! メカにハートが宿ッたというのか……?」 |
![]() |
「ホントウ ノ テキ ハ キサマ ダ」 |
![]() |
「うッ!? こっちへ来る!?」 |
![]() |
「カクゴ シロ」 |
![]() |
「うううッ! しまッたー!」 |
![]() |
というわけで、追忍はメカオムイに倒されたのだった。 「ぐはーーーーーッ」 |
![]() |
ガクッ |
オムイ外伝 第四部(奇想天外篇) 第41話 |