オムイ対メカオムイ

2010年07月29日 17時03分11秒 | B地点 おむ

 

 

オムイ外伝 第五部(人情濃厚篇) 第37話


これはオムイではない。

メカオムイ2号である。

初代メカオムイは、見るからに武骨なマシーンであった。

※初代メカオムイについては、メカオムイの逆襲を参照

だが、このメカオムイ2号はアンドロイドであり、外見は本物のオムイそっくりである。

メカオムイは本来、オムイの分身として働くはずだった。

しかし今や、幕府の走狗となり果て、オムイの敵にまわった。
なぜなら、追忍が、メカオムイの制御プログラムを、不正に書き換えたからである。

「ふへへへへ……」
「ゆけい、メカオムイ! オムイを倒すのだ!」

「ショウチ シマシタ」
「ぬかるなよ……」

「ワタシ ニ オマカセ クダサイ」
「くッくッく。これでオムイもお陀仏だな……」
「オムイ、 シンデ モラウ ゾ」
こちらは、本物のオムイである。

「うッ!? メカオムイ!? な、なぜ俺を狙う!?」
「はッ、そうか! 制御プログラムを書き換えられたのか!」
「キョウ ガ オマエ ノ メイニチ ダ」
「くッ、情けない……。メカオムイよ、目を覚ませ!」
「考えろ! ほんとうの悪者は誰なのかを!」
「真の悪は、追忍だ! その背後の幕府だ!」
オムイの訴えを耳にして、メカオムイの動きが止まった。

「……」
「何をしておるか!? さっさとオムイを殺らんかッ!」
その時、あり得ないことが起こった。

メカオムイの瞳に、涙が滲んできたのだ……。

じわ~
「むッ!? どういうことだ? 機械が涙を流すとは……!?」
信じ難いことだが ―― メカオムイは、自我と自由に目覚めたのである。
「何てこッた! メカにハートが宿ッたというのか……?」
「ホントウ ノ テキ ハ キサマ ダ」
「うッ!? こっちへ来る!?」
「カクゴ シロ」
「うううッ! しまッたー!」
というわけで、追忍はメカオムイに倒されたのだった。

「ぐはーーーーーッ」
ガクッ