寄り添えば楽し

2010年07月11日 17時26分28秒 | B地点 おかか

 

 

「……雨が降ってきた」
「うわっ、凄い降りだ!」
「こりゃいかん!」
「いつもの小径が、まるで川のようだ……!」
「それに……おいっ、見ろ!」
「橋の下の吐水管から、あんなに水が!」
「集中豪雨か? う~む、不安だなあ……」
「おかか先生、大丈夫ですよ。僕がついてます」

「そ、そうか。うむ。ありがとう。心強いよ」
豪雨におびえたおかか先生は、すがるようにして、おむさんに寄り添った。
そう。

寄り添う相手がいれば ―― 不安に苛まれることはない。
寄り添う相手がいれば ―― どんな苦難も、乗り越えることができるのだ。
「……うむ、ありがとう。とっても気持が楽になったよ」
「何だか楽しくなってきた。……考えてみれば、まるでキャンプみたいだな」
「ははは! 楽しいな!」
「ちょ、ちょっと!? おかか先生?」
「は~っはっは~! 楽しいな~っ!」
「先生! もうちょっと危機感を持って下さいよ」
「ふふふっ。すまん。はしゃいでしまったよ」