バットマンの苦悩

2008年04月21日 16時42分00秒 | G地点 黒金

 

 

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闘いに疲れたバットマンは、憂鬱に襲われていた。しかも、バットモービルがエンコしてしまった。 

images  やむなく彼は、徒歩で家路を辿った。

トボトボ
images  贅を尽くした屋敷と忠実な執事アルフレッドが、疲れ果てたバットマンを暖かく迎えてくれるだろう。

「なんだ このペットボトルは? アルフレッドの奴、掃除をさぼったな。おーい、いま帰ったぞー」 
images  「うわぁっ」

ダダッ
images  「ほほほ。この屋敷、あたくしキャットウーマンが占拠したわよ」 
images  ガーン

「な、なんだってー」 
images  「しょうがない、今夜はここで野宿だ。たまには野宿もオツなものさ。ふふふ。ふ……。ちくしょう……」 
images  「ちくしょおぉぉぉーーー!!」 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


だってお金ないんだもん

2008年04月21日 16時33分00秒 | G地点 チッチ

 

  あっ ミーコさん こんにちは!

あら チッチ こんにちは 
  じゃあね さよなら

あっ いきなり去りますか 
  ……なかなかミーコさんと仲良くなれないなぁ 
  へっへっへ チッチさん 
  なぁに?

実はね イイモノがあるんですがね 
  これなんですがね

わぁ ミーコさんの写真だぁ! 
  わぁい 僕にくれるの? ありがとう!

こりゃ参った へっへっへ ちと値が張るんですがね 
  じゃあね さよなら

あっ いきなり去りますか 

 

 

 

 


バットマンの闘い

2008年04月21日 16時14分02秒 | G地点 黒金

 

 

images 「私はバットマン」
images 「この街の平和のため、私は今日も闘う!」
images 「むむっ、貴様は! 宿敵、ベンチのカド!」
images 「これでも喰らえ!」

ぐりりん
images 「ふふふ、楽勝だ」
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「貴様ぁ! 宿敵、吹き寄せられた桜のシベと花びら! 押さえ込みだぁ!」

がばぁっ

images 「うおおおーっ」

ばばばばばっ
images 「激しい闘いだったが、私の勝ちだ……と思う」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


いのち

2008年04月21日 16時12分00秒 | G地点 チッチ

  

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「ねえ チッチ。」

「ん? なあに?」

images  リリーさん、最近来ないね 。」

「ああ……リリーさんか……。」

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「リリーさんはね、3月の31日に、
ほら、このフェンスの向こうの駐車場で、
車の下になってたって。」

「ええっ!?」

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「ずうっとずうっと遠くへ
いっちゃったって
おばちゃんが言ってたよ。」

images  「……し、失礼だけどチッチ、君は
おばちゃんが言った意味、わかってるの?」

「もちろん、わかってるさ 。」

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「花で言えば
こうなっちゃったってことだろ。」

「う、うん。そうだね。ごめんよ。」

images  「思い出すと、涙が出てくるよ。」

「そうかあ……。
リリーさん、素敵だったね。
シャム猫の血が混じってたんだってね。」

images  「あのね、リリーさんには
リカちゃんって子がいるんだよ。いい子だよ。
リリーさんのいのちは、続いてるんだね。」

「そうなのか! 会ってみたいなあ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ちゅっ

2008年04月21日 15時31分52秒 | G地点 黒金

 

 

「私はバットマンである。今日は私の必殺技、愛のキッスをお目にかけよう」

  「むっ、私の手の甲にヘンな虫が!」
  ちゅっ
 

「ふふふ、どうだね? 私の圧勝だ! いや、まあ、なんとなくだが」

  「むむっ、あそこに宿敵キャットウーマンが!」
 
  くんかくんか

「ちょ、ちょっと、何よ、あんた?」
 

ちゅっ

「キャー!」

 

「いきなり何すんのよ」

「どうもすみません」

 

 

 

 

 


ち・つ・て・と

2008年04月21日 15時31分00秒 | 一期一会

 

images 猫ではない。狸だそうである。

images 野良猫たちのために置かれた餌を、食べていた。

images 野生だそうである。なお、皮膚病に罹っているらしい。

images 見慣れている人もいるかもしれないが、私にとっては実に珍しい。

images このブログの趣旨に沿わないが、敢えて掲載することにした。

 

 

 

 


しょっぱい水

2008年04月20日 17時25分00秒 | B地点 おむ

 

  おかか先生に謝ろうと思って
僕は待っていたんだ
 
  そして先生が来た
 
  「先生 ご、ごめんなさい、あの、その……」
 
  「ん~? 何のことだい?
おっ この草は香ばしいよ」
 
  先生はきっと
忘れたふりをしてくれたんだ
 
  色んな気持が急に込み上げてきて
僕は泣きそうになった
 
  泣き顔を見られたくなかったので
水を飲みに行くことにした
 

 

涙がぽとぽと落ちたので
水はちょっぴり
しょっぱかった
 

 

 

 

 

 


いらだち

2008年04月20日 17時20分10秒 | B地点 おむ

 

images  きょう僕は
おかか先生に食って掛かった
images  くだらない事にひどく腹を立てた僕は
先生をすっかり怒らせちまった
いや むしろ 悲しませただろうな
images  ちぇっ わかってるんだ
悪いのは僕だってこと
images  だけど
いくら理屈で反省しても
いらだちが おさまらない
自分自身に腹を立てているのかな
images  ちくしょうめ
「バカヤローッ!」とでも
叫んでみようか?
images  ……ああ ぼたん桜の花びらよ
僕も お前たちと同じさ
もう ぐったり 疲れちゃったよ
images  しっとりと湿った花びらに埋もれて
真っ暗な中で 何も考えず
静かに 静かに 朽ち果ててしまいたい
images  ……明日は朝一番に おかか先生に謝ろう

 

 

 

 


誰かに呼ばれた

2008年04月19日 16時19分22秒 | B地点 おかか

 

 えっ? 「来いよ」だと? 誰だ?

 

 んふふー 私を呼んだのは、お前たちだろ

 

 え 呼んでない? あそ

 

 ぺんぺん草よ お前だな?

 

 違うのか じゃあ誰なんだ

 

 ははーん アイツラかも

 

 ふふ 川面を漂う花びらよ お前たちが呼んだのだろう?

 

 あっ 鯉よ お前だったのか

 

 

 

 


よく当たる占い

2008年04月19日 16時18分15秒 | B地点 おかか

 

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「喉が渇いたな、若造」

「あ そうすね」

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「水を飲みに行くぞ。」

「はあ、お供します、先生。」

images 「私はね、水を飲む時に、ちょっとした占いをするんだ。」

「へえ、どんな占いですか?」

images 「ほら、あそこにアメンボがいるだろ。」

「あ、いますね。」

images 「水を飲む時は、このとおり、ヒゲの先がちょっと水に浸かるんだが、」
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「アメンボの足のように、ヒゲの先が水の表面にはじかれることが、たまにある。ほらね。」

images 「こうなった日は、とってもいいことがあるのさ。」

「ええー? ほんとですかぁ、先生?」

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「ほんとさ。今日はこれから、お前がマタタビをくれるだろ?」

「……先生の占いは、当たるようですね。」