咲きましたよ

 

 

 

	「先生っ！　みごとに咲きましたね！」
	「……なんだって？」
	「だから、みごとに咲きましたねって。」 「……どこに目をつけている？」
	「桜はもう散っただろ！　また私をからかうのか？」 「とんでもない。」
	「ふん不愉快だ。私はもう帰る。」 「まあまあ。お座り下さい。」
	「ほらあそこ。菜の花ですよ。綺麗でしょ。」 「なのはなー？」
	「あっ　ほんとだ。」
	「てへっ。ごめんね。」 「いえいえ。いつものことですから。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なにも絶叫しなくても

 

 

	僕がいつもいるこの場所では、 まだまだ様々な桜が楽しめるのです。
	向こうのソメイヨシノは散ってしまいましたが、 その手前では、ほら、
	ピンクの花が、いま盛りです。しかも、しだれ桜です。 葉も一緒に出ていますから、山桜でしょうか。
	しかし！ 更に素晴らしいのは、 僕の後ろにある、この桜です。
	この桜の木は！ なんと！
	白い一重と、
	ピンクの八重と！ 二種の花を、同時に咲かせるのでえぇぇえす！
	接木をしたのでしょうか？　ともかく凄い！ 僕が毎日ここにいる訳が、これで おわかりでしょう！

 

 

 

 

 

 

 

外部が内部であればいいのに

 

　外からじゃ、うまくいかない……。

　中から手を伸ばしてみる。

　で、引き寄せる。

　かりかり　もぐもぐ　ごくん

　おいしいなあ

　けど、今度からは、もっと内側に置いてくれないかなあ

 

気持いいんだもの

 

　これで頭ぐりりんすると気持いいんだよね

　でもヘンな顔になっちゃうんだ　ま　いいけどさ

　ぐ

　り

　りん

　……ふう　あー気持いい

　やっぱヘンな顔になった？

 

 

気品は尻尾の先までも