かっこよく去る(前編)

2009年06月12日 18時28分00秒 | B地点 おむ

 

 

ヒザの上である。
おむさんは、良い気分で、ウトウトしていた。
が、何かの気配で、ふと目を開けた。
すぐそばを、おかか先生が通ったのだ。
おかか先生の尻尾が、ふわりと揺れる。

おむさんは、思わず、攻撃してしまった。


「激しい触れ合い」を参照

ガッ
ブチッ

「あいたたた!」


つづく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


かっこよく去る(中編)

2009年06月12日 18時10分00秒 | B地点 おむ

 

 

承前


「す、すみません! 大丈夫ですか先生!」

「……またやっちゃった」
「ごめんなさい。先生。なんとお詫びしていいか……」

「いいんだよ。ちょっと毛が抜けただけだ」
「猫の本能さ。気にするな」
「申し訳ありません」
「この手……」
「この手が……!」
「この手が憎いっ!」
「……いいや、手が悪いんじゃない」
「あくまでも、僕が悪いんです」

「手が悪いわけじゃないし、お前が悪いのでもないよ」


つづく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


かっこよく去る(後編)

2009年06月12日 18時09分00秒 | B地点 おむ

 

 

承前


「……よし。こうしよう」

「私がここを去れば、問題はなくなる」
「えっ!?」
「さらば!」
「ま、待って先生! どこへ行くんです?」
ザッ
「うわああ!」

「せ、先生が。おかか先生が……」

「うううっ」
「どこかへ行っちゃったあああ!」
「……先生は、僕のために去ったんだ」
「先生の気持を、無駄にしちゃいけない」
「先生のことは、いつまでも忘れません」
「おかか先生、さようなら!」
「……ま、参ったな。すっかり雰囲気が盛り上がっちゃってるな」
「ふざけて隠れただけなんだがな」
「出るに出られん」