釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

晴れ渡った休日

2014-04-13 19:34:18 | 文化
玄関先の杏の花が今年はたくさん咲いた。剪定をしてもらったこともあるだろうが、他の花を見ていても、今年は咲くのが早い。恐らく春先に一気に気温が上がったことが大きいのではないかと思う。その杏の花を昨夜眺めていた。星が出て、月の明かりに照らされた杏の白い花びらがとても幻想的に見えた。夜空が良く晴れていたのだろう。星もたくさん見えた。今朝は1度で、日中は広く釜石ブルーが広がったが、最高気温は8度までしか上がらず、やや寒さを感じた。昨日、釜石へやって来たSL銀河が午前10時55分に釜石駅を出て、花巻に向かった。それより少し前に家を出て、車の中から沿道に咲くレンギョウや梅、白木蓮を眺め、早くも咲いて来た染井吉野があるのも見つけた。釜石自動車道へ入り、4つのトンネルを抜けると、遠くにまだ雪を冠った早池峰山(はやちねさん)が見えて来た。自動車道を降りると、住田町への旧道へ入り、適当な所で車を止めて、畦道を歩いた。立ち止まって、近くを見ると大勢の人がやはり車を止めて、SLが来るのを待っていた。しばらくそこで待っていると、遠くからあの独特の汽笛がこだまして来た。線路沿いにもカメラを抱えた人たちがいる。現在釜石ー花巻間を走るSL銀河は1940年に作られた61両の1つのC58(シゴハチ) 239で、JR東日本の復興支援プロジェクトとして、休日運行される。この蒸気機関車は大宮で復元されたもので、1月に3日かけて盛岡へやって来たものだ。4両の客車を引き、花巻から釜石へやって来ると、翌日、折り返して、花巻に向かう。やって来たSL銀河は現在の列車に比べるとずっとゆっくり走り、運転手や乗客がみんな手を振ってくれていた。やはり、遠野の田園地帯を走るSLは風情があるものだ。遠野駅で1時間ほど止まっているので、その間を利用して、住田町の山野草専門店である山田園芸へ行くことにした。山間へ入って行くと、まだ山裾の日陰には雪が残っていた。赤羽峠を下って、すぐ近くの産直を見てみたが、まだ見せはやっていなかった。さらに山道を下って行くと、右手に山田園芸の直販所がある。客は誰もきておらず、いつもの70代半ばの女性が一人店番をしていた。何度も来ているので、良く覚えていてくれたようだ。特別珍しいものはまだ置いていなかったが、いくつか購入して、また遠野へ引き返した。遠野も釜石と同じく良く晴れていたが、釜石のように雲がほとんど見えない青空の広がりほどではなく、少し雲が流れていた。これはいつもそんな感じがしている。やはり釜石の空はあらためて素晴らしいと感じた。遠野の風の丘に立寄り、そこでも少し山野草を購入し、すぐに283号線を猿ヶ石川沿いに走り、盛岡へ向かう396号線との分かれ道をそのまま花巻方向へ直進し、5分ほど走った所で、右折して、田園の農道を走り、線路際に車を止めた。線路を渡って、反対側にある田園の畦道を歩き、やはり適当な場所を見つけて、SLを待った。そこからも遠くの踏切にSLを待つ人たちがたくさんいるのが見えた。正面やや右手には同じく雪をまだ冠っている六角牛山(ろっこうしさん)が見えた。遠野駅を13時54分に出る。冬が去ったためか、今日は釜石より遠野の方が暖かい。近くの農家の家からも何人か出て来ていた。やがて汽笛とともにSLのライトが見えて来た。白煙と黒煙が出ていた。田園地帯に真っ直ぐに延びた線路をやって来た。さすがに近くで見ると迫力があり、また力強さも感じさせてくれる。ゆっくり走っているとは言え、シャッターを切っていると、あっという間に通り過ぎて行った。帰りにはまた上郷の産直に寄ってみた。入口付近で花を見ていると、元職場の職員で、娘もお世話になったNPOの方と出会った。お母さんを向かえに花巻まで行かれるところだと言う。2つほど花を購入して、再び釜石自動車道を走り、釜石へ入ると、かっては農家だったのではないかと思われる家の庭先に山茱萸(さんしゅゆ)の大きな木が2本黄色い花を咲かせていた。釜石でのこれからしばらくの休日はこうして花を楽しみに出かけることが多くなる。さすがに遠野は冬の気温が低いので、ほとんど花は見られなかった。わずかに一部で梅が見られた程度だ。釜石が終われば遠野でまた同じ花が見られる。
早池峰山を見て走るSL銀河

田園地帯に入ったSL銀河

遠野の田園地帯を走るSL銀河

釜石では最も早く咲いた染井吉野

木にたくさん花を咲かせて来た白木蓮 後方に桃も咲いて来ている

農家の庭先に咲いていた山茱萸

岩うちわ

雪割草

菊咲きイチゲ