*orange bicycle*

写真のこと、日常のことなど書いていきますですよぉ

2009-10-18 11:11:19 | Weblog
「enji gallery」
そんな名前の、小さなギャラリーがあったことすら
忘れかけていた、秋の夜。

新宿・ゴールデン街「こどじ」へ
森山 大道さんの写真展
「サン・ルゥ」を観に。
あっ、展示はもう終わってしまいました
ごめんなさい・・・

ご本人もいらっしゃいました。
「こどじ」の白熱電球の効果か
お酒のマジックか、
いや、写真家としての経験が
じわじわ滲み出ているせいでしょう。
写真で拝見するよりも、トークショーの時よりも
100倍すてきです。

たまたま、近くの席にいた
男の子と話していたら
彼の口から、懐かしいギャラリーの名前が。

自分のblogにも書いていたことすら
忘れてしまってた。
今はもう
新しいマンションに
なってしまっているという。

我が家の近所もまた然り。
この間まであった、古いおうちが
どんどん壊されて。
瞬く間に変わっていく東京。
残したい、と思っても
その気持ちは、世間からみれば
微小なものに過ぎず
これまた瞬く間に
時の流れにのみこまれてしまう。

だけど
そこに集うひとびとの気持ちは
変わらないでほしいなぁ。
いや、きっと変わらない。
場所が違っても。
何かの拍子でばらばらになっても、
ずっと繋がっていくはず。
同じ夢や、目標を
共有している限りは。

秋鯖の季節に

2009-10-07 21:34:02 | Weblog
馴染みの和食やさんにて
思いがけず
「さばずし」のお裾分けを
いただきました。

そっと潰さないように
エコバッグにくるんで持ち帰り
いざ、切り分けん、とばかりに
まな板の上へ。

下ろした鯖がまるまる、
ご飯の上にのっかってる。
胸びれ、背びれもついたまま。
包丁を当ててみて、ごつっとした部分を
そっと取り除き。
胸びれに付いた赤身を
その場でちょっと味見。
とたんに、口の中に広がる
えもいわれぬほろ苦さ。

持って帰ってくる間
電車の暖房であったまってしまったのか、
はたまた私の包丁さばきが
いまいちである故か
身崩れするさばずし。
黒光りする鯖の下から
のぞく青じその葉と
透き通るような薄切りの生姜。

崩れてしまったので、写真は無しで。

皿にそっと載せ
箸で、その分厚い身を
口に運ぶと。

ふわりと、脂ののった鯖の
まろやかな味。
青じその香り、生姜の甘み。
ご飯一粒一粒のつや。

実家にいた頃
父親がおみやげで買ってきてくれた
デパチカ押し寿司とは違う。
ましてや、100円ショップの
しめさばとは全然・・・
こんな風に比べること自体、
失礼かもしれないけど。
新鮮な魚は、それだけで
すごいごちそうになるんだ。

ああ、こんなに美味しいと分かっていたら
会社のみんなや、友達にも
お裾分けしたのにな。
メールしかけた手を、ふと止めた
50年ぶりの大きな台風
近づいてる、らしき晩。