*orange bicycle*

写真のこと、日常のことなど書いていきますですよぉ

11_Monsanto

2011-10-10 21:51:41 | Portugal
Portugalの旅行記を
また途中で放置したまんまでした・・・
果たして、どれだけのひとが
このブログを読んでるのか
よくわかりませんが
とりあえず続きを
書くことにいたします。

え、内容がよく分からない、という人は
このあたり*から読んでみてください
(私もわかんないや~)

********************

次の日、おじさんは私を
おじさんの家族と共に
隣町のIdanha-a-velha(イダーニャ・ベーリャ)
という街まで
車で連れて行ってくれた。

その日、街では
パンのお祭りが開かれていた。
Idanha-a-velhaは
おばさん(おじさんの奥さん)の
実家があるんだそうな。

おじさんは、そのフレンドリーな性格ゆえか
はたまた、ポルトガル人気質の
賜物によるものなのか
とにかく知り合いが
いっぱいいるらしい。
Idanha-a-velhaへ向かう道すがら
すれ違う人の約半分くらいの人と
あいさつを交わしていた。
おじさんの交友関係の広さには
ただただ、驚くばかりである。

「Monsantoには、14の村があるんだよ。
1つはEugeniaで、もう1つはIdanha-a-velha、
そしてもう1つは・・・」

廃墟のお城のような
古びた大きな建物を指差し
「この建物は、すべて1つの石で
できているんだよ。
来年あたり、この建物を改装して
Pousadaを開くんじゃないかな。
装飾がとても綺麗だからね」

「Monsantoの山のお城に行ったかい?
その昔、地震と火山の爆発があって
城は崩れ、教会の屋根は吹き飛び
たくさんの人が亡くなったんだよ」

おじさんは、他のポルトガル人よりも
いろいろな英単語を知っていた。
「英語がお上手ですね」と言うと
「とんでもない!
--もう40年も前の話だが
サンフランシスコに5年間
住んでいたんだよ」
おじさんはドイツに住んでいたことも
あるという。

Idanha-a-velhaの街はずれの小道、
丸太の杭が一直線に打ってあるところを
おじさんが「ほっ、ほっ」と
飛び移りながら渡り始めた。
ユーモラスなおじさん。
写真を撮らせてもらった。





10_Monsanto

2011-03-26 18:42:28 | Portugal
かくして、Portugalの村、Monsantoで
うんよく宿を見つけたわたくし。

おじさんに、宿である一軒家を
案内してもらう。
その家の玄関に足を踏み入れるか
踏み入れないかのうちに
もう私は、この家を借りることを
心に決めていた。
まだ建てられてから
それほど年月が経っていないのか
真新しい壁。

3つもあるベッドルーム。
バスルームは
1Fと2Fにひとつずつ。
あぁ~、友達連れてくればヨカッタ。

かくして、私はMonsanto
滞在中の2晩、この一軒家に
お世話になることになったのである。

おじさんは
奥さんや身近な人に対しても
私のような身元不明の東洋人に対しても
誰に対しても
分け隔てなくフレンドリーで
かといって、ベタベタするわけでもなく
とても穏やかで、紳士的だった。
こんな素敵なだんなさんを持って
奥さんは幸せだろうなぁ。





9_Monsanto

2011-02-02 22:36:09 | Portugal
「一軒家を貸している女性を
知ってるわよ。
1泊25ユーロで
一軒家、全部が借りられるわよ」

えっ!?
一軒家・・・
そんなそんな、ひとり旅には
持て余してしまうんじゃない!?

う~ん、どうしよう

「この坂を上って、上へ行くと
広場があって
正面向かって右のおばさんは
編み物をしてて、
左のおばさんは
居眠りしてるわ。
その、居眠りしてる方のおばさんに
尋ねてごらんなさい。
彼女のだんなさんは
英語が話せるわよ」

は!?

キョトーン

そんな
人をオキモノみたいに・・・

ポカーーン としていると
彼女はこう続けた。

「あなた、荷物が重かったら
ここへ置いて行ってもいいわよ。
なんなら、その女性を
ここへ呼んできてもいいわ」

・・・・・・

あまりにもヒトを疑いすぎるのも
問題だけど
正直、初対面だし
相手がどんな人かは
分からない。

「と・・・とりあえず
荷物持って、行って
その方と話してきます!」

なんだか、あまりにも予想外の展開で
キツネにつままれたような気分ではあるが
とりあえず
先へ進むしかない・・・。

彼女の言う通り
坂を上ったところに、広場があり
2人の女性が
並んで座っていた。
(ちなみに
左のオバサンは起きていた)

「こ、こんにちは!」
「(驚)こんにちは」
突然、見慣れないアジア人の小娘に
声をかけられたもんだから(?)
怪訝そうな顔をして
2人、声を揃えて挨拶を返してくれた。

「あの・・・
今夜、泊まれる部屋ってありますか?」

もはや単語のよせあつめでしかない
よれよれのポルトガル語で
話しかけてみる。
大丈夫かなぁ、ハラハラ・・・

さっきカフェに居た
彼女の言うとおり
左に座っていたおばさんが
立ち上がり
だんなさんを連れてきてくれた。

はぁ~
ありがたや!!!


8_Monsanto

2010-12-26 22:02:39 | Portugal
バスを降りようとすると---
何やら、声をかけてくる
お姉さんとお兄さん。

「今日、泊まるところ決まってるの?」
「いや、まだ・・・」
「よかったら、僕の働いてるホテル
見に来ない?」

んっ
こ・・・これは・・・

Nazareのみならず
ここ、Monsantoでも
客引き合戦は
繰り広げられたのである。

う~めんどくさいなぁ
どうしよう。

「あのー、私
Tourist Officeに行きたいんですけど・・・」
「3時にならないと開かないよ」

!!
お昼休みか・・・

彼は、そう言いながらも
半ば強引に
私のスーツケースを
持って行ってしまう。

彼が働いているという宿に着き
とりあえず、1泊の値段を聞く。

「う~ん・・・考えときます」
「また戻ってくる?」
「たぶん・・・」

いま2時を回ったところだから
あと1時間もある。
こんな、アップダウンの激しい
石畳の道で
重い荷物を持った手を離そうものなら
あっという間に
荷物は下へと
転がり落ちてしまうだろう。
う~~どうしよう。

スーツケース片手に、坂道を下っていると
坂の中腹にあるカフェのテラスで
まわりの人たちと談笑していたお姉さんに
呼び止められる。

「こんにちは」
「こ、こんにちは!」
「あなた、何かお困り?」
「ええと、宿を探してるんですけど・・・」
「3つ方法があるわ。
1つは*エスタラージェン、
もう1つは民宿、そしてもう一つは
一軒家」

今までの旅の過程で出会った
ラテン系のひとびととは
ちょっと違う雰囲気。
きれいな金髪をしていて
黒いドレスに身を包み
英語も、ポルトガル訛りが
あまり感じられない。

この女性は一体・・・!?

********************

*エスタラージェン
4~5つ星のちょっと贅沢な宿。
歴史的建造物を改装している場合も多い。


5_Porto

2010-12-08 22:26:31 | Portugal


ちょっと前---
Portugalの地へ足を踏み入れて---
から、うすうす身体で感じていた
特異な緊張感。

何を撮っても、なんだか
手応えが感じられない。
シャッターを切っても
あらかじめ、自分の頭の中にあった
「Portugal」のイメージを
どうしても超えられなかったんだ。
いや、知らず知らずのうちに
自分の頭のイメージに
振り回されていた、といったほうが
適切だろうか。

しかし---
ここ、Portoへ来て
たいそう重厚な、歴史ある建物が
今なお、当然のように使われ
息づいている光景、
銀行や郵便局に出入りするビジネスマンや
ちいさな食堂に列を作る若者たち、
店の前で腕組みするおじさんなんかを
眺めるうちに
私の中の、なんらかのswitchが
「ON」になった。

そうだ!!
こうやって撮ればいいんだ。

その瞬間に。
東京で撮っているときと同じ
あの感覚が
じぶんのもとへ降りてきたような
気がして。



3_Lavandaria

2010-11-23 21:40:23 | Portugal
コンコンコン、と
小気味良い ドアのノック音。
ドアを開けると ホテルの1Fの
カフェバーのお姉さんが
穏やかな笑みを浮かべて
立っていた。

オレンジ色の 夕陽に照らされた
その手には
丁寧に畳まれた 洗濯物があった。

受け取ると
柔軟剤のいいかおりが
ふわり と漂った。
Nazareの細い路地を ぶらついていると
時折漂ってきた あのかおりだ。

じぶんの洗濯物を 畳んでもらうなんて
もう長いこと してもらってないや。

洗濯物に袖を通して なお
そのかおりは ふわふわと身体を
包み込んだまま。
私はまた ちょっと泣きそうになった。


1_頭痛

2010-11-03 00:30:58 | Portugal
成田からオランダ・スキポール空港へ向かう
飛行機の中。

3人分並んだ席の、窓際の席。
右隣は、日本人の女の子2人組。
見たところ、学生さんのよう。
席に備え付けられているポケットに入れてあった
彼女のガイドブックに
ちらりと「ポルトガル」の文字が見えて。

ああ、彼女たちも渡航先は同じなんだ。
同じ飛行機へ乗り継ぎなんだ。

そう思って、話しかけてみる。

彼女たちはリスボンの
ユースホステルに泊まるという。

「飛行機の到着時間、けっこう遅いですよね。
どうやって宿まで行きます?」
とか
「(友達のほうを指して)
彼女はカナダに一年留学してたんですよー」
「へぇー!そうなんですかー」
どうりで、キャビンアテンダントさんとの
英語のやりとりが上手いはずだわ・・・

とか。

おしゃべりは楽しかったのだけど
じょじょに、いやな予感が。

頭痛。

もともと、けして
頭痛持ちではなかった私だけれども
このごろは、仕事がいそがしい時なんかに
この厄介者が
どどんとのしかかってくることも
しばしば。

うわぁ~
大丈夫かなぁ・・・

風邪薬は持ってきたけど
頭痛薬は持ってないや。
リスボンの薬局で調達かなぁ

結局、頭の重さはつづき
アムステルダム・スキポール空港にて
リスボン行きの飛行機を待つあいだ
空港に置いてある
カラフルで素敵な、
座り心地抜群のデザイナーズチェア
(だれがデザインしたか分からないけど)
に、深々と腰を沈め
うとうとと休息・・・

完全に眠っちゃったら
手荷物がアブナイから。
うつらうつらしながら
お願いじゃ、我が身にのさばりし頭痛よ
あの美しき夕焼けの彼方まで
飛んで行き賜え・・・
とばかりに、健康体が戻ることを
ひたすらに祈り続けて。