次に見学したのが、このホーンテッドマンションのごとき「太陽塔望遠鏡」。1930年建設で、通称では「アインシュタイン塔」と呼ばれています。この塔全体が望遠鏡の役割をしているという、とてつもない建物。その構造までもが、ミステリアスです。1998年に国登録有形文化財に指定されています。
実は、この建物の内部は、にゃんこ好みの素晴らしいレトロモダン空間で、もう萌え萌えポイント満載だったのですが、画像の掲載は自粛いたします。渡部潤一先生曰く、大掃除をする前は、
「入った人は変なウイルスとかで死んじゃうような、ピラミッドのごとき空間」だったそうで(^^; いやぁ~、ミステリアスでありました。映画のロケとかで使ったらピッタリなのになぁ~。
みずからここの探検に入ったのが、アーカイブ室の中桐正夫氏。お宝がザクザク出てきたのも、ひとえにこの方の情熱あってのこと。この日も、熱く熱く語っていらっしゃいました。まさに、探検隊の隊長って感じです。
萌え萌えのアインシュタイン塔で興奮状態のまま向かったのが、1926年建設の「大赤道室」。ここも味のあるフォルムですね。
ここも、国登録有形文化財に指定されています。大きなドームの屋根は木材でできています。船底を作る造船技術が使われているそうです。今は、天文台歴史館として、日本最大の屈折望遠鏡と、天文台の歴史が展示されていました。
広場の中にあるのが、自動光電子午環の建物を使った「天文機器資料室」。いろいろな望遠鏡や観測機器が展示されています。
最後は、1924年建設でメチャクチャ趣きのある「ゴーチェ子午環」へ。中には、砲台のような子午環が納められています。いにしえを感じられる建物と機材に、う~っとり(*^^*)1920年代に思いを馳せつつ、至福の文化財見学会は終了となりました。
最先端の研究をする国立天文台が、なぜ文化財に目を向け始めたのか?これは、渡部潤一先生のこの言葉にあらわされています。
「温故知新と言いましょうか、昔のことを良く知り、そこから新しい知識や道理を得ることが、今の時代だからこそ必要と思われたわけで…」
日本の天文学の歴史を遺せるのは、この国立天文台しかありません。歴史的遺産に光を当てる活動は、新設されたアーカイブ室が担当しています。彼らの尽力で重文指定もなされました。今回の講演&見学会、古いもの好きなにゃんこには、ピッタリの内容でした。しまった!逃した!と思った方に、いい情報を…。講演はありませんが、文化財の見学会は、定期的にガイドツアーが開催されていますので、ご興味のある方は、国立天文台のHPより事前にお申込み下さいね。(おしまい)
文化財ガイドツアー詳細→http://www.nao.ac.jp/about/mtk/guide/index.html
国立天文台HP→http://www.nao.ac.jp/
国立天文台 天文情報センター・アーカイブ室(アーカイブ新聞はこちらから)
→http://prc.nao.ac.jp/prc_arc/