この巻の最後「ローマ帝国滅亡」という見出しの節。本当にローマは滅びたのだ。しかし、滅亡の瞬間というものはないとのこと。西ローマ帝国ではロムルス・アウグストゥスを最後に、誰も次の皇帝にならなかった。だから、その紀元476年に西ローマ帝国は滅んだと。そしてローマという都市なしでローマ帝国はありえないのだから、それがローマ帝国の滅亡だということで納得するしかないようだ。
それにしても、ここでスキピオの、亡きカルタゴを前にした将来のローマを憂えた言葉を挟むセンス。塩野さん自身の言葉は必要ないということのようです。