大倉草紙

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【大阪】 女性画家の大阪 美人画と前衛の20世紀 (大阪市立近代美術館〔仮称〕心斎橋展示室)

2008年10月31日 19時17分55秒 | 美術館・博物館・記念館・資料館
10月17日(金)
当日の行程:【大阪市立近代美術館コレクション、その誕生と成長 モディリアーニ、ローランサンから今井俊満、バスキアまで(大阪市立美術館)】 → (大阪市営地下鉄・天王寺駅~心斎橋駅) → 【女性画家の大阪 美人画と前衛の20世紀(大阪市立近代美術館〔仮称〕心斎橋展示室)】


          


          
           上村松園『汐くみ』

「三都三園」と並び称された上村松園(京都)、池田蕉園(江戸)、島成園(大阪)の作品から展示されている。
上村松園の『汐くみ』、池田蕉園の『夕くれ』、島成園の『宗右衛門町之夕』が並んでいたが、好みでいえば、上村松園の『汐くみ』が群を抜いていい。
どうも、シナを作った女性や目が丸い女性の絵は苦手だ。


   
               島成園『無題』

島成園は、こちらの作品のほうが気に入ったが、じっと観ていると怖くなる。
女性の顔の痣と墨のように黒い髪と着物、そして背後の描きかけの絵。
すべてが迫ってくるのだけれど、袂から見える朱の色がなければ、これほどまでには怖くないのかも知れない。
島成園の顔に痣はなかったが、この絵は成園自身を描いたというのが定説で、発表当時は「求婚広告だ」などと言われたらしい。
この絵で求婚されたら、オソロシイ気もするのだけれど。


   
           木谷(吉岡)千種『をんごく』

江戸時代、七夕や盂蘭盆の夕刻に、船場あたりの子どもたちが列になって、前の子どもの帯を持って『をんごくなははなははやおんごく……』と唄い歩いたそうだ。
もともとは、遠国で流行った遊びということから、「をんごく」と言われるようになったらしい。
いとはんが、格子戸越しに「をんごく」を眺めるその後姿が美しい。


   
              橋本花乃『七夕』

少女たちが七夕飾りの準備をしている。
折り紙を折る少女、短冊に願い事を書く少女、ほおずきを持つ少女、笹に短冊を結び付ける少女。
少女たちはみな、利発そうだ。
かわいらしいというよりも、凛としている。
この作品は、着物の美しさにも惹きつけられる。


          
                桜井悦『朝』

これも気になった作品。

展覧会のタイトルがどうして「大阪の女性画家」ではなくて「女性画家の大阪」なのだろう、ということについては、秋の夜長の眠りにつくまでの間に考えることとにしよう。