大倉草紙

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【兵庫】 コロー 光と追憶の変奏曲 (神戸市立博物館)

2008年10月02日 20時33分33秒 | 美術館・博物館・記念館・資料館
9月27日(土)
当日の行程:(阪神・三宮駅) → 【コロー 光と追憶の変奏曲(神戸市立博物館)】【イートン・カレッジ/ダーラム大学所蔵 古代エジプトの美展(大丸ミュージアムKOBE)】 → (阪神・元町駅~岩屋駅) → 【シャガール展 色彩の詩人(兵庫県立美術館)】


          
   
              写真撮影用のパネル

神戸市立博物館にて、コロー展を観る。
博物館に入るとすぐに、撮影用の大きなパネルがあった。
「モルトフォンテーヌの想い出」(1864)である。


   
   「青い服の婦人」(1874)       「真珠の女」(1858-1868)

コローというと、先に挙げたパネルの絵のような印象が強いのだが、人物画も多く展示されていて、今まで知らなかったコローの魅力に触れることができた。
「青い服の婦人」は、ポーズといい、青色のドレスの感じといい、婦人の顔の陰影と髪のかたちといい、心惹かれる一点で、絵の前から立ち去り難い気持ちになる。
チラシで見たときよりも、肉感的な印象を受けた。

「真珠の女」の前は、人でいっぱい。
服の袖から出た手の手首から指先までにかけて、とても美しい。
指輪がアクセントになっている指は、細く、長い。
真珠のように見えるという額にかかった飾りよりも、手のほうが心に残っている。


          
      「ヴィル=ダヴレーのカバスュ邸」(1835-1840)

   
        「ティヴォリ、ヴィラ・デステ庭園」(1843)

展示されている作品は、ルーヴル美術館所蔵のものが多いが、「ヴィル=ダヴレーのカバスュ邸」は、八王子の村内美術館が所蔵している作品。
坂道の手前の道にできた木の影と、坂の向こうに続く道の明るさが対照的に描かれている。
そのためか、画面を覆う木々で坂の向こうの景色は隠されていても、広がりを感じる。

「ティヴォリ、ヴィラ・デステ庭園」は、柔らかな光と、奥行きのある風景、そして何よりも、中央に座っている少年がよかった。
けれど、解説を読めば、この少年は風景画に書き加えられたものなのだという。

コローの風景画は、どこかしらに人物や動物が描かれていて、やさしい雰囲気がある。