裸のヤコブ

・・・ ・・・・

【あ】タミちゃんと洋食屋と

2008年08月04日 | ある日の戯言
昨日とはうってかわって夏らしい北海道の中、帰札中。


で、昨日の続き。



学生のころ
ちょびっとだけ
下宿していたことがある。
下宿屋のおばあちゃんの名前は
佐藤タミ(仮名)といった。
女性からの電話を取り次がないことと
風呂上がりにセクシーなシミーズ姿で
私たちを困惑させること
そして
炊いた米は
日にちがたって
真黄色になるまで
学生に食べさせるとか
そんなことで有名な
腰が90度近く曲がっていることから
直角ババァと近所で呼ばれている
そんなタミちゃんだ。

ある日
私が玄関で
ブーツの手入れを
していたときのこと。

玄関横の食堂では
黒魔術ででも使えそうな大きな鍋で
カレーライスを作る
タミちゃんの姿があった。
その手には
鍋の大きさには不釣り合いの
カレーを食べるときの
あのスプーンが握られていた。
「あれで混ぜれるのか?」
という不安をよそに
タミちゃんは無言で
作り続け
私はブーツに油を塗っていた。

すると突然

「あ!」

という
タミちゃんの短い言葉が
私の耳に届いたのだった。
食堂を見ると

カレーの鍋を凝視する
タミちゃん、
そしてその手には…
なにも握られていないのだ。

そう
持っていたちっちゃいスプーンを
グツグツ煮たった大鍋の中に
落としてしまったようなのだ。

どうするのか
じっと観察する私。

するとタミちゃんは
意を決したかのように
袖をまくりあげ
煮えたったカレーの中に手を入れ
スプーンを探し始めたのだった。

「うわー、熱くないのか?」

などと
絶対熱いに決まっているのに
自問しながら
ことの成り行きを見ていた。
すると、無事スプーンを見付けたらしく
右手をカレーまみれにしながら
何事もなかったかのように
また鍋をかきまぜ始めたのだ。
年寄り恐るべし。

「今日はタミちゃんのダシ入りかぁ」
と思ったのはいうまでもない。


そんな昔話を思い出させた
昨晩の洋食屋。
だって、カレーを運んできたとき
ナミナミと盛られたルーの中に
おじさんの親指が
ずっぷりと
うまっていたんですもの。

「熱くないのか?」

とまたしても考えたわけです。
指もそうですが、
かけた皿を出すあたり、あのおじさんの今後が気掛かりです。



いやぁ、
携帯だと打ちづらい!

ということで
今日はこのへんで。
電池切れそうなので
宣伝やNEWSすらなし!
また今度!


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2 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
最初、題名見たとき (natty1193)
2008-08-04 22:01:35
なぜかタマミちゃんと思ってしまい
赤ん坊少女タマミ!?怖い話?と思っちゃいました
写真もちょっと妖怪人間?(失礼)とか思っちゃったし(笑)
タミちゃんですね・・・

私も学生の時、お好み焼き屋さんに下宿していたのですが
夏になると海の家をやってて、タダで手伝わされたなぁとか思い出しました。
ちょっとしたきっかけで、昔の事っておもいだすもんですね。
タミちゃん、さぞよいダシが出たでしょうね(笑)
返信する
まだまだ (Iyahkie)
2008-08-05 02:41:46
こんばんは、natty1193さん。

タミちゃんネタはまだまだあるんですよ。
なんてったって、伝説の女性ですから。
また機会があればそのときに。

では。

ONELOVE/Iyahkie
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