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 [ツイッター詩140] (9月詩)

2023年09月14日 | ツイッター詩
 [ツイッター詩140] (9月詩)


風が吹いている
(かぜがふいている)
という感受は
ひとり固有のもの
と同時に
この列島地域の中の
この地域のものであり
その家族で育った者のものであり
人間という世界普遍のものでもある

それらが織り合わさって
分離することは
難しい

雨が降っている
(あめがふっている)
という言葉の通りを
ひとり
ことばの人は歩いている
背中の影は見えなくても
確かに影を帯びている

ひとりの内には
他人と共通はあっても
言うに言われぬものがあり
その自然さに
ひとりの言葉は染まっている

だから
ひとりにしか見えない
ことばの人の
総量を推し量るのは
とても難しい

この人
その人
あの人
近づけば
違いは
匂ってくる
そうして
交差する
ぼくの視線と肌感覚に
少し見知らぬ道が
微かに浮かび上がってくる 


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