詩『言葉の街から』 対話シリーズ ６２８１－６２８５

詩『言葉の街から』　対話シリーズ



６２８１
この地にずっと住んできたから
「日本」や「日本人」なんて
気にしたことがない



６２８２
まず自分や家族や身近な人たちではなく
「この国が好き」や「純日本人」
から語り出すヘンな人々がいる



６２８３
この列島と言っても島嶼群があり
単色ではなく
人種も言葉もいくつかが混合・重層してきた



６２８４
もう靄(もや)は晴れないと思われた
この列島への人の移動を
遺伝子解析が明らかにし始めた



６２８５
ゴチック体の「純日本人」や「伝統文化」など
干からびた言葉たちは
バタバタとなぎ倒されていくはずだ