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[ツイッター詩138] (7月詩)

2023年07月11日 | ツイッター詩
 [ツイッター詩138] (7月詩)


ことばの人と言葉には
なかなか明かされない
主人公の生い立ちみたいな
ひとつの物語がある

言葉とことばの人を分離するのは
言葉が
トランプの札みたいに静態的ではなく
ことばの人と
ことばの人が選び放つ言葉とは
投函されてしまった手紙みたいに
もう戻らない関係にあるからだ
ことばの人と放たれた言葉とは
動態的・重層的に見るほかない

表現の通路を通って
ことばの人に放たれてしまうと
言葉は
風に乗り
言葉が流れて行く
言葉が舞っている
受け取りのスペクトルで
大きな中央地帯はあるにしても
いろんな人に
いろんな受け取り方をされる
言葉たち
(ああ うまく言えなかったなあ)

手品でもファッションショーでもない
言葉は
どんなに過激でも
アクロバットをしても
素朴な疑問とやわらかなハートを
隠し持っている
言葉よ
ほんとうは
そこにこそ
下り立って
しずかに耳を傾けて欲しいな
と願っている
言葉は

騒がしい周囲に囲まれて
ことばの人の放った
言葉には
静かな
小さく波立つ
ひそかな
通路が
まぼろしみたいに見える


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