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大川原有重 春夏秋冬

人は泣きながら生まれ幸せになる為に人間関係の修行をする。様々な思い出、経験、感動をスーツケースに入れ旅立つんだね

中間貯蔵施設、29日完成へ 青森・むつ、核燃再処理で

2013-08-26 14:32:05 | 原子力関係
東京新聞
2013年8月26日 14時56分
東京電力と日本原子力発電が出資する「リサイクル燃料貯蔵」は26日、青森県むつ市で進めてきた使用済み核燃料の中間貯蔵施設の建設工事をほぼ終え、報道陣に公開した。最終点検を経て29日に完成する予定。
 公開された建屋1棟には使用済み核燃料を収容し、空気で冷却する金属製容器「キャスク」の貯蔵部屋が24室あり、高さ約5・4メートル、直径約2・5メートルのキャスク288本(核燃料約3千トン)を保管できる。最終的にはもう1棟建設し、貯蔵能力を約5千トンに高める。
 施設は2010年8月に着工した。
(共同)

環境省、森林除染の条件緩和へ 30日に計画見直し発表 

2013-08-26 14:22:36 | 原子力関係
環境省、森林除染の条件緩和へ 30日に計画見直し発表 
2013年8月26日 13時43分東京新聞
 環境省の井上信治副大臣は26日、東京電力福島第1原発事故を受けて国が直轄で進める除染事業の計画見直しを30日に発表すると明らかにした。森林除染の条件を緩和するほか、これまで否定的だった再除染にしっかり取り組む方針を表明した。
 福島県庁で佐藤雄平知事と会談後、報道陣の取材に答えた。
 森林除染の対象は現在、住宅から20メートル程度が目安だが、井上副大臣は「生活に影響があるところは20メートルにこだわらず、しっかりやっていく」と明言。再除染についても「(汚染を)取り残したり、新たに線量が高かったりしたところはしっかりやっていく」と語った。
(共同)

榛名湖ワカサギ ボート釣り解禁 来月、3年ぶり

2013-08-26 14:19:57 | 原子力関係
榛名湖ワカサギ ボート釣り解禁 来月、3年ぶり

2013年8月26日東京新聞


 高崎市の榛名湖でワカサギのボート釣りが九月一日、三年ぶりに解禁される。榛名湖漁業協同組合(野口正博組合長)が二十五日、総会で決定した。
 二十日に採捕したワカサギは県の検査で放射性セシウムが一キログラム当たり六七ベクレルとなり、国の基準値(一〇〇ベクレル)を下回った。釣った魚は回収が条件となるが、検査で三回続けて基準値を下回るなどの条件をクリアすれば持ち帰りできる。
 二〇一一年に東京電力福島第一原発事故があり、検体不足もあってボート釣りは二年連続で解禁を見送られていた。 (大沢令)

損害賠償相談の日程決まる 9月から9市町で

2013-08-26 14:15:48 | 原子力関係
損害賠償相談の日程決まる 9月から9市町で
 東京電力福島第1原発事故に伴う損害賠償に関する巡回法律相談は25日までに、9、10月の実施予定が固まった。いわき市の9月の日程は3、17、24日に県いわき合同庁舎で開く。
 法律相談会は県と県弁護士会が協力して県内9市町で開催。原発事故に伴う損害賠償の請求手続きに関して、不明な点などを無料で相談できる。
 事前予約制で、相談時間は午後1時30分から同3時50分にかけての30分間。事前予約受け付けの電話番号は024・523・1501(平日午前8時30分~午後5時15分)へ。
(2013年8月26日 福島民友ニュース)

原発事故からの環境回復考える 日本原子力学会シンポ

2013-08-26 14:14:46 | 原子力関係

原発事故からの環境回復考える 日本原子力学会シンポ
 日本原子力学会は25日、福島市で東京電力福島第1原発事故からの環境回復について考えるシンポジウムを開き、被ばくや、農地除染をめぐる技術開発の現状などが紹介された。
 「住民被ばくの現状と環境動態」をテーマに、県内で被ばくの調査を続けている早野龍五東大教授、農作物への放射性物質の移行を低減させる技術開発に励んでいる農林水産省の中谷誠研究統括官らが講演した。
 早野氏は被ばく量は平均だけで論じるのではなく、個人個人の被ばく量に応じた説明、対策を取ることが重要と述べた。
 中谷氏はコメについて、土壌汚染の程度と収穫するコメの放射性セシウム濃度に関係が見られないことを指摘した。またもみすり機にあった異物がまざって汚染したとみられる例があることを紹介し、異物を玄米とともに排出する方法が汚染防止に有効と紹介した。
(2013年8月26日 福島民友ニュース)

福島県産食材、野外で味わう 裏磐梯・バーベキューフェス

2013-08-26 14:13:34 | 学習
県産食材、野外で味わう 裏磐梯・バーベキューフェス
 福島バーベキューフェスティバルin裏磐梯は25日、北塩原村の休暇村裏磐梯キャンプ場で開かれ、県内外から参加した家族連れら約1000人が県産食材をふんだんに使ったバーベキューを楽しんだ。
 東京電力福島第1原発事故に伴う県産農畜産物の風評被害払拭(ふっしょく)、県産牛肉の消費拡大を目的にJA全農が開いた。本県での開催は初めて。震災や原発事故で避難している浪江町や双葉町、飯舘村などの住民約150人を招待した。
 バーベキュー体験コーナーでは、福島牛や麓山高原豚、会津ひとめぼれのおにぎり、県産野菜などが提供された。参加者は、肉や野菜を炭火でじっくり焼き上げ、県産食材を味わった。
 本県の畜産物について楽しく学べる展示・体験コーナーや販売コーナーなども設けられ、にぎわった。ステージでは、ふくしま農業PRサポーターのスパリゾートハワイアンズ「フラガール」によるショーや、地元の火の山太鼓の演奏、畜産クイズ選手権などが繰り広げられた。
(2013年8月26日 福島民友ニュース)
好きにしろ!

1基の水移送開始 地盤沈下で移設のタンク

2013-08-26 14:12:52 | 原子力関係
1基の水移送開始 地盤沈下で移設のタンク
 東京電力福島第1原発の貯水タンクから汚染水が漏れ出た事故で、東電は25日、水漏れのあったタンクと同様に地盤沈下のあった地点から移設したタンク2基のうち1基の水の移送作業を始めたと発表した。このタンクの移送は26日夕方以降、終了の見通し。もう1基のタンクの水は移送先のタンクに空き容量を確保してから移送作業を始める予定で、移送完了まで1週間程度かかるとしている。
(2013年8月26日 福島民友ニュース)

復興、政策に思想生かせ 政治家・田中正造の行動注目

2013-08-26 14:10:30 | 学習

復興、政策に思想生かせ 政治家・田中正造の行動注目


田中正造なら原発事故にどう向き合ったかを議論したシンポジウム=栃木県佐野市

 「真の文明は山を荒らさず、川を荒らさず、村を破らず、人を殺さざるべし」―。明治時代に足尾銅山鉱毒事件に立ち向かい、住民救済に取り組んだ政治家・田中正造の行動や思想が東京電力福島第1原発事故後に注目を集めている。今年は正造の没後100年で、各地で顕彰事業が進んでいる。25日は栃木県佐野市でシンポジウムが開かれ、正造なら原発事故にどう向き合ったかが議論された。
 田中正造の思想を研究する小松裕熊本大教授が「3・11 田中正造ならどうしたか」と題して講演。正造の「窮民の一人を救い得ば、正造はここに死しても少しもうらみなし」という言葉を引いて、「被災者の話を丁寧に聞き、被災地に寄り添った問題解決に向け政府などにかけあっただろう」と指摘した。
 被災地の声を伝える報道が減っている現状に「足尾銅山鉱毒事件の被害者と同じように東京に集団で乗り込み、政府や東電に怒りを伝えるように言うのではないか」とした。
 なかでも「少しだも 人のいのちに害ありて 少しくらいは よいと云うなよ」という正造の短歌を紹介し、「鉱毒と同様に目に見えない放射能から子どもの健康を守るための調査などを実施しただろう」と述べた。
(2013年8月26日 福島民友ニュース)

がれき処理」2年遅れに 南相馬の完了時期調整

2013-08-26 14:09:18 | 原子力関係
がれき処理」2年遅れに 南相馬の完了時期調整
 東日本大震災に伴うがれき処理で、環境省が南相馬市のがれき処理の完了時期を当初計画していた2014(平成26)年3月から2年遅らせ、16年3月にする方向で調整していることが25日、関係機関への取材で分かった。
 同省は同市小高区に仮設焼却炉を設置し、がれきを処理する計画だが、焼却炉設置に向けた住民合意が進んでおらず処理するがれきの量も精査できていない。このため、関係者には、16年3月までにがれき処理が完了できるか疑問視する声もある。
(2013年8月26日 福島民友ニュース)

国直轄で再除染へ 環境省方針、効果を検証

2013-08-26 14:08:23 | 原子力関係

国直轄で再除染へ 環境省方針、効果を検証
 東京電力福島第1原発事故に伴い国が直轄で行っている避難指示区域の除染について、環境省は除染で十分に放射線量が低下しない一部地点を再除染する方向で調整していることが25日、関係機関への取材で分かった。再除染の効果検証が主な目的で、再除染の範囲は限定的になる見通し。
 同省は今月中に除染の工程表を見直す方針だが、再除染の具体的な方針や除染の完了時期が盛り込まれるかどうかは不透明だ。
 除染が完了した田村市都路地区や川内村の住宅地では、除染完了後も長期目標となる年間追加被ばく線量が1ミリシーベルトを超える地点が残り、再除染を求める意見が出ている。
 同省はこれまで再除染について「個別に協議し対応したい」として明確な考えを示してこなかった。しかし、工程表見直しに伴う一部市町村への説明で、線量が十分に下がっていない地点を再除染する意向を示した。
(2013年8月26日 福島民友ニュース)

タンク300基交換検討 第一原発の汚染水漏れ 東電が耐久性高いタイプに

2013-08-26 14:07:11 | 原子力関係
タンク300基交換検討 第一原発の汚染水漏れ 東電が耐久性高いタイプに
 東京電力福島第一原発の地上タンクから汚染水が外洋に流れ出ている可能性が高まった問題で、東電の相沢善吾副社長は24日、漏えいがあったタンクと同型の約300基を交換することや汚染水監視組織の強化を検討していることを明らかにした。汚染水漏れが相次ぐ、接ぎ目をボルトで締めるタンクを溶接タイプに切り替えることが想定される。同日、県庁に内堀雅雄副知事を訪ね、汚染水漏れの経緯などを説明した。
 相沢副社長は内堀副知事との面会後、記者団の取材に対し、「(汚染水が漏れた同型の)タンクのリプレース(交換)計画を現在検討している」と述べた。
 同原発には、これまで汚染水漏れが確認された、部材をボルトで接合するタイプのタンクが約300基ある。これらのタンク内の汚染水を別なタンクに移送した後、耐久性が高いとされる溶接タイプを新設することや、現在のタンクに漏えい防止措置を取ることなどが想定される。
 実施時期について、相沢副社長は「いつとは言えないが、できるだけ早い時期に示したい」と述べた。
 ボルトで接合するタイプは比較的短い工期で大容量のものを作ることができる。漏えいのあったタンクは一昨年9月に設置された。
 内堀副知事は東電の相沢副社長と石崎芳行副社長(福島復興本社代表)に対し、早期の適切な対応を求め、申し入れ書を手渡した。

■監視態勢を強化
 東電は、汚染水の漏えい発覚後、漏えいが確認されたタンク周辺の監視を1日2回から、3時間ごとの同8回態勢に変更した。
 相沢副社長は、汚染水対策に当たる本店側の機能の強化に加え、「不具合を早期に発見できるように組織の人数を増やしたい」と監視態勢を充実させる考えを示した。

( 2013/08/25 08:24 福島民報 )

双葉、広野町長と意見交換 根本復興相「復興加速」

2013-08-26 14:05:38 | 原子力関係
双葉、広野町長と意見交換 根本復興相「復興加速」
 根本匠復興相(衆院本県2区)は25日、双葉町の伊沢史朗町長、広野町の山田基星町長とそれぞれ意見交換した。
 ともに冒頭以外は非公開で行われ、根本復興相は終了後、長期避難を余儀なくされている双葉町と帰還促進を図る広野町を訪問したことについて「(同じ双葉郡の中で)実情がまったく異なりそれぞれの課題に則した議論ができた。全省庁一丸で、国と県と市町村がスクラムを組み復興の加速化を図りたい」と語った。

■双葉町長、帰還見通しの明示求める

 いわき市の双葉町いわき事務所では、伊沢町長が根本復興相に、町への帰還見通しの明示や町外コミュニティーの早期整備などを求める21項目の要望書を手渡した。
 伊沢町長は東京電力福島第一原発の汚染水問題への対応などを訴えたという。町外コミュニティーについては「国の帰還目標に町の帰還計画は左右される。対応を早くするよう強く求めた」と話した。

■広野町長、賠償継続と復興支援要望

 広野町役場では山田町長が、旧緊急時避難準備区域での賠償継続と復興に向けた実効性のある支援などを求める要望書を根本復興相に手渡した。
 山田町長は広野駅東側開発整備事業の一部を国が予算化したことに触れ、「町民との用地交渉に着手できる。今後も財政支援を継続してもらいたい」などと求めた。


( 2013/08/26 11:16 福島民報 )

住民被ばくの現状探る 日本原子力学会シンポ

2013-08-26 14:03:38 | 原子力関係
住民被ばくの現状探る 日本原子力学会シンポ
 日本原子力学会のシンポジウム「東京電力福島第一原発事故後の環境回復の取り組み-住民被ばくの現状と環境動態-」は25日、福島市のコラッセふくしまで開かれた。早野龍五・東京大大学院理学系研究科教授は、個人ごとに内部・外部被ばくの積算線量を把握し、それぞれの状況に応じた行政による説明や支援が重要になるとの認識を示した。
 早野教授は県民の今後の健康管理について、積算線量計やホールボディーカウンターにより、個人が生涯の内部・外部被ばく線量を知ることが大切になると説明した。
 その上で、行政側の役割についても指摘。「(各種調査で)県民の多くは被ばくレベルが低い現状にあるとみられるが、少数ながら比較的数値が高い人もいる。個別の説明、対策が必要だ」と訴えた。
 中谷誠・農林水産省農林水産技術会議事務局研究統括官が農地除染、油井三和・日本原子力研究開発機構福島技術本部福島環境安全センター長代理が放射性物質の環境動態についてそれぞれ語った。
 講演の後、東京電力の担当者が福島第一原発1~3号機原子炉建屋の除染の状況、汚染水漏れの現状と対応などについて説明した。
 シンポジウムは県の共催で、学会所属の研究者や県内の自治体関係者、市民ら約200人が参加した。

■対話集会など展開 学会内「福島特別プロジェクト」 今年度

 日本原子力学会が東京電力福島第一原発事故に対応する目的で昨年6月に学会内に設置した「福島特別プロジェクト」は、平成25年度も住民との対話集会などの事業を展開する。現在、運営形式や開催時期を検討している。
 24年度に実施した「対話フォーラム」を引き継ぐ。従来通り、福島市にある環境省の「除染情報プラザ」への専門家派遣、水田の試験栽培なども継続する。

■個人ごと線量把握を 東京大大学院理学系研究科教授 早野 龍五氏

 被ばくによる影響のリスクは生涯の積算線量に比例する。つまり、(周辺環境からの)1時間当たりの線量、(食品などに含まれる)放射性物質量ばかりを気にするのではなく、積算線量計による測定値、ホールボディーカウンターの測定結果が重要だ。
 (調査結果では)多くの県民の内部・外部被ばくのレベルは低い。
 ただ、比較的数値が高い人もいる。健康管理は個人ごとに生涯の内部・外部被ばくの積算線量を把握し、それに基づいて(行政が)説明、対策を個別に取るという段階に入った。「平均値」だけで論じていてはいけない。

■営農再開へ技術開発 農林水産省農林水産技術会議事務局研究統括官 中谷 誠氏

 農地除染には反転耕や表土の削り取りがあるが、表土層が薄かったり、すぐに石が出るような土地では実施できず、回数も1回に限られる。こうした場合、水でかき回す方法が有効だ。1回の除染効率は高くないが、どんな土地でも繰り返しできるメリットがある。
 食品衛生法の基準値を超えるコメはほとんどなくなったが、問題は大豆などの豆類とソバ。放射性セシウムが検出されないような技術が課題だ。
 被災地の営農再開を進めるため、農地の再汚染を防ぐ除染方法の確立、果樹や畜産分野の除染技術の開発を進めている。

■セシウム移動を調査 日本原子力研究開発機構福島技術本部福島環境安全センター長代理 油井 三和氏

 日本原子力研究開発機構は、放射性物質の移動と、それに伴う影響を見る環境動態研究に取り組んでいる。当面は浜通りを中心に進める。
 具体的には現地調査で放射性セシウムの移動データを取得し、移動予測モデルを開発する。移動による被ばく線量の変化を推定し、線量低減に有効な抑制策などを提案していく。
 当面は浪江町の請戸川など5つの河川をはじめ、森林、ダムなどでセシウムの移動を調べる。
 環境動態調査は始まったばかり。再汚染の可能性なども視野に調べる。

( 2013/08/26 11:19 福島民報 )

「黒い物質」の測定に関する覚書

2013-08-26 14:01:56 | 原子力関係
2012年6月29日
「黒い物質」の測定に関する覚書
京都大学原子炉実験所  小出 裕章

.はじめに
 福島原発事故からすでに1年以上の時が流れた。
原子力発電所から北東に広がる60万ベクレル/m2という猛烈な汚染地域からは、
約10万人の人々が追われた。

 しかし、日本の法令を守るのであれば、
放射線管理区域に指定して一般の人々の立ち入りを禁じなければならない、
4万ベクレル/m2の土地は、東北地方、関東地方の広大な地域に広がっている。

 日本の国は、その広大な土地を捨てることができないと判断し、
人々をそこに取り残した。被曝を避けたければ、その土地を捨てて逃げるしかないが、
国は何の賠償も支援もしないという。

 力のある人の中には自力で逃げた人たちもいるし、
せめて子どもを被曝させたくないとして、子どもと母親を逃がし、
父親は汚染地にとどまっている人もいる。

 しかし、農民や、酪農・畜産家などにとっては、土地そのものが命であり、
容易には逃げられない。

 今現在、数100万人の人たちが、放射線管理区域の中で生活し、
子どもを産み、子どもを育てている。

 国は、除染をすれば、被曝量を減らせるかのように言うが、
人間には放射能を消す力はない。

 「除染」とは汚れを除くという意味だが、本当のことを言えば、汚れは除けない。

できることは、汚染を移動させることでしかない。 

 そのため、私は「移染」という言葉を使っている。

 そして、人間が自分で汚染を移動させる他に、自然もまた汚染を移動させている。

 山に降った汚染は、里に降りてくるし、川に流れた汚染は海に流れる。

 また、被曝にとって最大の問題であるセシウムは土などに固着して濃縮する。

 人々が取り残され、子どもたちもそこで日々の生活を送っている場所に
「黒い物質」があるとのことは、ずいぶん前に聞いた。

 それについての調査は、神戸大学の山内知也さんが素早く取り組み、
猛烈なセシウム濃度になっていること、
その正体が藍藻類の死骸であることを突き止めている。
  
 すっかり遅くなったが、
私自身もその「黒い物質」を測定する機会を得たので、結果を報告する。

.試料と測定
 「黒い物質」の試料はほぼ同時に2つのルートで私の手に届いた。
一つは東京の下町さらに多摩地区のもの、そして2つ目が南相馬市のものである。

南相馬はセシウムの汚染密度が10万ベクレル/m2を超える汚染地帯であるし、
葛飾区、江戸川区など千葉県に接する一部の区は、
4万ベクレル/m2を超えた汚染を受けている。
 試料の一覧を表1に示す。

表1  「黒い物質」試料一覧
試料名採取場所番号など受け取り形状
東京1東村山市、学校0(1/2) 100ccポリ容器入り
東京2東村山市、学校0(2/2)100ccポリ容器入り
東京3葛飾区水元公園3100ccポリ容器入り
東京4葛飾区水元公園4100ccポリ容器入り
東京5葛飾区水元公園5100ccポリ容器入り
東京6葛飾区水元公園6100ccポリ容器入り
福島県南相馬市1川房奥01ポリ袋入り
福島県南相馬市2金谷商店前07ポリ袋入り
福島県南相馬市3金谷商店前08ポリ袋入り
福島県南相馬市4シャーレ入り

 測定はGe半導体検出器を使うガンマ線スペクトロメトリで行った。試料は次章で示すように高濃度のセシウムを含んでおり、試料の開封、測定容器への移し替え操作などをできる限りしないようにした。それでも、特に南相馬で採取した試料の中には、放射能量が強すぎて、測定システムのデッドタイムが90%を超えてしまうものがあり、試料の分取をせざるを得ないものもあった。しかし、受け取った状態のまま測定した試料もあり、その場合、あらかじめ効率校正した容器を使っていないため、定量結果に10%程度の誤差があるだろうと思う。その点お含みおき願いたいが、環境試料であることを考えれば、十分に受け入れていただけるだろうと思う。

表2  「黒い物質」試料測定条件など
試料名測定形状測定日測定試料重量測定時間
東京1100ccポリ容器のまま2012/5/305476.2
東京2100ccポリ容器のまま2012/5/3057100.7
東京3100ccポリ容器のまま2012/5/30618.1
東京4100ccポリ容器のまま2012/5/305111.3
東京5100ccポリ容器のまま2012/5/30729.55
東京6100ccポリ容器のまま2012/5/30659.93
福島県南相馬市1大面積試料皿に分取2012/6/70.686.28
福島県南相馬市2大面積試料皿に分取 2012/6/71.09.8
福島県南相馬市3大面積試料皿に分取 2012/6/71.016.7
福島県南相馬市4シャーレのまま2012/6/71209.95


.測定結果
 代表的なスペクトルを図1に示す。
 これは「東京1」(東村山市の学校で採取した黒い物質)試料を効率校正済みの容器に移し、982分(夕方から翌朝まで)測定したものである。長時間の測定をしたため、測定系のバックグランウンドである天然のK-40やBi-214もスペクトル上に見てとれる。しかし、Cs-137、Cs-134が高濃度で含まれていて、明瞭なピークとして現れている。
 南相馬市の黒い物質はさらに高濃度のセシウムを含んでおり、表面でのガンマ線量率を測ると100μSv/hを超えた。それをGe検出器にかけたところ、検出器のデッドタイムが90%を超えてしまい、正常な測定ができなくなった。そこで、1g以下の試料を分取し、効率校正が済んでいる大面積試料皿(50cmφ)に薄く広げて測定した。そうして得られたスペクトルの一例(福島県南相馬市1、川房奥)を図2に示す。この場合、わずか0.68gの試料を6.3分測定しただけで、Cs-137とCs-134のγ線が明瞭のピークとなり、測定系のバックグラウンドである天然の放射性核種などまったく見ることもできない。

******************************


それぞれの試料に存在するセシウム134と137の濃度を表3に示す。
表3  「黒い物質」試料中セシウム濃度 単位はBq/kg
Cs-137Cs-134合計
東京1    14,000±8,500±59    22,000±140
東京2    13,000±8,400±51    22,000±120
東京3170,000±870110,000±720 280,000±1,600
東京4180,000±860110,000±640 290,000±940
東京5150,000±68089,000±500  240,000±1,200
東京6120,000±59074,000±470  190,000±1,100
南相馬1
3,800,000±21,0001,900,000±14,000 5,700,000±35,000

南相馬21,500,000±8,800760,000±6,100 2,300,000±15,000
南相馬31,900,000±7,600990,000±5,400 2,900,000±13.000

南相馬4    6,700±79      4,300±63   11,000±140


南相馬市で採取された黒い物質には、1kg当たり200万~600万ベクレルものセシウムが含まれている。また、東京の下町、葛飾区水元公園で採取した黒い物質には1kg当たり20万~30万ベクレル、東村山市の学校で採取したものにも、1kg当たり2万ベクレルを超えるセシウムが含まれている。
 これまでの日本の法令では、1kg当たり1万ベクレルを超えるCs-137、Cs-134は放射性物質である。そうした物質は、放射性物質として厳重に管理されなければならないものであったし、放射線管理区域以外に存在することも許されないものであった。それが今では、人々が普通に生活している場に存在してしまっている。

.なすべきこと
 福島原発事故により、福島県を中心に東北地方、関東地方の広大な大地が放射線管理区域の基準(1m2当り4万ベクレル)を超えてセシウムで汚染されている。日本の政府はそれを知ったうえで、人々をその汚染地に取り残した。今現在も子供を含めた100万人を超える人々が汚染地で日々の生活を余儀なくされている。そうした地では、本報告で示したように、猛烈にセシウムが濃縮された物質がマイクロスポット的に分布している。また、放射線管理区域に指定しなければならないほどの汚染を受けていないところ(例えば、東京の東村山市)にも、セシウムが濃縮された物質が存在しており、本来なら放射性物質として管理しなければならない。
 法令に従うのであれば、当然、それらの物質の撤去と管理が必要であるし、何よりも子どもたちが遊ぶ場所からはそのような物質を早急に撤去する必要がある。

 最後に、これらの試料は多数の人々の苦闘の中で集められたものであることを記し、彼らに感謝します。

汚染水移送開始 第一原発 漏えい疑いのタンク1基

2013-08-26 14:01:41 | 原子力関係
汚染水移送開始 第一原発 漏えい疑いのタンク1基
 東京電力福島第一原発の地上タンクから汚染水が漏れ出た問題で、東電は25日、漏えいが疑われるタンク2基のうち、1基の汚染水を別のタンクに移す作業を開始した。1基の貯水量は約1000トンで、順調に作業が進めば26日夕方に終了する。
 残り1基の汚染水約千トンの移送は、移送先タンクの容量を確保し次第、開始する。東電は「今後1週間以内に終了させたい」としている。
 漏えいが見つかったタンク1基からの移送は21日に完了している。このタンクは、別の場所に設置していた際、基礎部分が沈下したため解体し、現在の場所に移して再利用していた。今回、汚染水を移送する2基のタンクも同様の理由で解体、移設したため、漏えいの疑いがあるとして汚染水を別のタンクに移す。

( 2013/08/26 11:19 福島民報 )