☆ 知新 温 (Arata On) ☆ のお菓子だぁ~い好き!

食空間カメラマン 知新 温 (あらた おん)の日々是修行←話題脱線中
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アンリ・カルティエ=ブレッソン展レポート

2006年04月10日 | 展覧会な1日

皆様、お元気でしたか?とるてん☆です。先週は、仕事で関西方面に行っておりま
したので、大阪に立ち寄り、20世紀を代表する写真家アンリ・カルティエ=ブレッソン展
を見て参りました。

実は、恥ずかしながら私。一昨年の訃報の際も、「誰ですか?その方は?」程度の
認識で、今回も何の予備知識もなく、会場に足を運んでしまった訳なのですが。

写真を見るなり、「なんじゃっ、こりゃあ~」(松田優作さん風)に
思わず叫んでしまいました。初めて、広重の浮世絵を見た時以来の衝撃で、
頭クラクラです。(えーと、浮世絵ファンです。)

会期が4/16日までで、申し訳ないのですが、写真が好きな方もそうでない方も
一見の価値ありです。「突然言われても、都合つかないわ~!」という方には、
朗報が。5月に渋谷でドキュメンタリー映画が上演されますので、ご安心下さい。
映画館で、お会い致しましょう。私は、確実に、参ります。

さて、写真をご覧になって頂ければ、能書きなんぞは不要なのですが、それでは
報告にならないので、ご興味のある方だけ、この続きをお読み下さい。(長いでーす。)

アンリ・カルティエ=ブレッソンは、報道写真家の草分け的存在と言われています
が、報道写真の、と言うよりはむしろ、写真表現の無限の可能性を感じさせて
くれる。そんな展覧会です。「写真を芸術にまで高めた。」と称されるのも、誇張
ではないなぁと思えます。(写真で、ここまでっ!)

作品は、センセーショナルな被写体を好んで選んでいるのでもなく、かと言って
センチメンタルでもない。なのに、見る者の心情に深い印象が残るのはなぜでしょう?

5月革命時、ソルボンヌの象徴的なカット。44年パリ解放時、機関銃の銃口に体を
向けて撮影したカット。ジャコメッテイの日常を切り取ったポートレイト等々。
そこには正に撮影者が写り込んでいるからです。

それでは、写真に写り込んだ、この強い存在感は、どこから来るのでしょう?

それは、的確なシャッターチャンス、練られたアングルや構図、造形的な感覚と
いった技術的な側面はもちろん。ブレッソンの内面的な要素が、大きなウエートを
占めているからなのでは、と考えさせられます。

撮影時の集中力、被写体に対する敬意と愛情、撮影意欲、そして、社会への深い
洞察力と問題意識。歴史の節目に、証言者となりうる現場にブレッソンが身を置い
ていたのは、単なる偶然ではないでしょう。 

「もはや、写真で表現したい、目新しい題材は、なくなってしまった。」と言われ
て久しい昨今ですが、それは、撮影者が自らのフィルターを磨いていないばかり
に、発見出来ないだけなのかも知れません。

「もっと、技術も教養も深めて、どこまでも写真の可能性を追求しておいで。」
と言われたような気がして、会場を後にしました。今よりずっと、写真が好きに
なれると思います。ブレッソンの公式HPは、こちらへ。

最後に。「凄いよ、大阪芸術大学。ありがとう!」と申し上げ、報告を終らせて
下さい。(本当に長っ!)こんな風に、写真文化を守り、育てていって下さいね。

ちなみに・・・。今回の図録、全441カットで、2千円なり。0が一つ足りない
かと思い、確認した私でした。


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11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (フリーダ)
2006-04-11 01:32:20
ブレッソンのサルトルの写真、京都へ行くときの退屈を紛らわすために買った週刊誌で見ました。



アングルと言い、サルトルの顔といい、とても印象的な、と言うよりも一度見たら目に焼きついてしまいそうだと思ってたところです。



ところで、京都の桜、まだちょっと早かったかな~「近為」行きましたか~?



ところで例のブログちょっと訳があって閉じちゃいました。
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ブログ、好きでした。 (とるてん)
2006-04-11 18:45:18
>フリーダさん

ブレッソン、いいですよー!カミュが格好良くて、惚れてしまいました



京都は、仕事場以外は遊びに行けず。。。

でも、木屋町の桜は満開できれいでしたよ。



独特のノリが、病みつきになる、フリーダさんのブログ。好きでした。でも、日記もありますしね。そちらに、遊びに行かせて下さい。
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いい経験でしたね。 (京都人)
2006-04-12 13:23:24
京都での仕事お疲れ様です。



そんなに凄い写真展だったのですか!

自分もドキュメンタリー映画みに行ってみようかな?



しかし図録安いですね。
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カルチャーショックでした。 (とるてん)
2006-04-12 18:17:56
>京都人さん

写真は、絵画にかなわないんじゃないかと思っていたです。

それに、芸術写真といわれる物や、モダンアートが理解できなかったので、今まで、写真展では、たいした感銘も受けなかったのですが。



今回は良かったです。ぜひ、コンタクトが見てみたいな、と思いました。機会がありましたら、図録、お見せします。印刷でも十分にその良さが伝わると思いますので。
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そこまでとは (京都人)
2006-04-12 22:22:32
今度何かの機会があれば是非、図録みして下さい。
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受け手の感性にも寄りますが。 (とるてん)
2006-04-12 22:47:41
>京都人さん

そんなに、写真史に精通していない私です。が、少なくとも、現在流通している写真とは一線を画していたと思います。



私ら、サボり過ぎかもしれんです。



もしかしたら、Cクラスの写真展でお会いできるかも知れません。(行きますか?)
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Unknown (ケンタッキー)
2006-04-13 16:08:15
遊びに来ました!

ものすごい文章、充実していますね。

読みごたえ、あります。これだけ内容が充実していると、読む方も楽しめますよね。

更新も待ち遠しくなります。



これからも遊びに来ますね。
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よろしかったら、長文にお付き合い下さい。 (とるてん)
2006-04-13 18:59:53
>ケンタッキーさん

お越し頂き、ありがとうございます。掟破りブログです。(笑)

何と申しましょうか。もともと、文章がくどいんです。とかく、長くなり気味で。。。



週1ですので、忍耐力を培うと思って、よろしかったら、お付き合い下さい。



こちらからも、遊びに行かせて下さい。よろしくお願いいたします。



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写真史に関しては (京都人)
2006-04-13 22:18:20
写真史に関しては全く勉強していないので、ほんとにサボり過ぎです。勉強した方が写真の幅は広がるかもしれませんね。



それとCクラスが写真展をしているの知りませんでした。Fクラスはしているの知っているので行こうかと思ってますけどね。
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すまんです。言葉が足らなかった。 (とるてん)
2006-04-13 22:31:38
>京都人さん

いや、写真史は別に勉強してもしなくてもいいと思っているんですが。写真を撮ることで、サボっているというか、もっと、きちんと撮影に悩み抜いた方が良いかなぁ、と思ったんです。



こう、1シャッター入魂を見せつけられると、自分の写真があまりにも薄っぺらなので、やる気が出ました!



Cクラスは、15日まで渋谷で写真展をやっています。会場は、ここ。

http://www.salon.tsstyle.jp/

Fクラスも、見に行ってきまーす!
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