GAIA所員のひとり言

建築設計事務所の一所員の、建築はもちろん、社会の様々なことについてのひとり言。

映画『沈まぬ太陽』から思うこと。

2009-11-09 18:15:05 | Weblog

映画『沈まぬ太陽』を見てきました。
3時間22分にもおよぶこの映画はなかなか見ごたえのある作品となっていました。

  C) 2009「沈まぬ太陽」製作委員会

あらすじ:
日本航空をモデルにした国民航空社員で同社の労働組合委員長を務めた主人公、恩地元が受けた不条理な内情を描き、人間の真実を描いた作品。単独機の事故として史上最悪の死者を出した御巣鷹山の日航機墜落事故を主題に、人の生命に直結する航空会社の社会倫理を鋭く描いている。

『沈まぬ太陽』は山崎豊子さんの作品。
小説では5巻におよぶ長大な作品であり、その映画を1回の作品に仕上げるのは難しく、小説読んだ方にとっては物足りないところもあるかもしれません。しかし、読んでいない人にも物語がわかりやすくまとまっており、3時間22分の長時間映画でありながら、その長さで飽きることはなく最後まで集中して見ることのできる作品でした。
今回の映画の特徴として、その長時間上映ゆえに途中10分間のインターミッションが設けられていることがあります。
これは邦画では黒澤明監督の『七人の侍』、『赤ひげ』以来のこと。このインターミッションはなかなか新鮮です☆長時間座った腰の痛みも一気にリフレッシュできます♪ナイスっ!!
また、このインターミッションを設けることで、観客は気持ち的余裕を持つことができます。息をするのも忘れてしまいそうな事故から続く緊迫したシーンにほっと一息いれてくれたのがこのインターミッションです。
そして、このインターミッションの際に流れているバイオリンの音色。この演奏者は、ダイアナ湯川さんという方で、御巣鷹山の日航機墜落事故でお父様を亡くされた遺族でもあるバイオリニストだそうです。
その音色は美しく、重く、作品をより深いものとしているように感じました。

正直なところ、作品中の御巣鷹山の日航機墜落事故の箇所は、事故の内容が表面しか描かれていないという印象を受けました。(上映時間の関係上仕方がないのでしょうが。)
しかし、この映画はその事故を通して、社会のあり方、会社のあり方、家族のあり方、そして人間としての生き方を説いているというところに重きを置いているように感じたのでそれで良いのだろうと思います。
人は何を思い、何を大切にし、なんのために生きるのか、そして自分のあり方とは何のか。。。主人公・恩地の生き方を通して、「」というものを考えさせられた作品でした。

ラストに見えるアフリカのサバンナの一面の夕陽はなんとも美しく、最後まで目が離せなくなりました。

この作品を見て、1人1人感じることが違うと思います。それで良いのだと思います。
壮大な景色の中でぜひ自分と見つめあってみていただきたい、そんな作品でした。
tomo

 

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