土の音(食育のグリーンノート&土の音工房)

「食と健康セミナー」(食養料理教室や講演会)の開催中。
「土の音工房」で、オカリナ製作販売・演奏・教室(初心者~)を主宰

古代悠久の楽器「管」と「弦」の邂逅♪

2015-10-06 | オカリナ・心・癒し・ライアー

古代悠久の楽器「管」と「絃」の邂逅♪ (再)

磐笛・土笛 & 箏(ソウ、こと)・琴(キン、こと)…

オカリナ(Ocarina)類 と ライアー(‥Leier‥)類…

古代の土笛に起源を持つ管楽器 オカリナを作り始めた頃、歴史的背景から 古代の絃楽器や生理的に保守的なヒトの感性に思いを馳せ、正倉院に破損した状態で残っていた古のハープ「箜篌(くご)」の元の姿を想像しながら、構造など製作下絵を色々描いてみた。

日本随一のハープ専門製作所 青木ハープ(福井県)を訪ねると社長さんの丁寧な説明に興味が尽きなかった。

「越前竹人形とハープ」(坪田 忠右ェ門 著、1994)には、日本でハープが作られるようになった背景が戦時中を含め苦心惨憺な道を経たロマンとミステリアスな事実として記されてある。

今のペダル式ハープの普及は、後に「越前竹人形の里」創業者となる師田保隆(もろたやすたか)氏がペダル構造を発明した功績も大きく、特許申請内容は工業試験場で確認できた。
「ペダル式小型ハープの創始者福井の師田保隆」(光山香至 著、1990)。

初めてハープに触れるご縁を頂いたのは、オーケストラアンサンブル金沢(OEK)の定期公演(2000.3.13)
で、グランドハープの演奏を披露された 吉村智子(当時)さんだった。

岩城宏之指揮OEKとの共演で「ハープと管弦楽のためのコンチェルトシュテュックOp.39」(ガブリエル・ピエルネ - Gabriel Pierne 1863-1937 France) を聞いたのがきっかけとなった。

ご自宅で初めてグランドハープを手をとって教えて頂いたとき、ご自身が関わる中で日本の男性のハープ体験は初めてと言われたのは意外だった。彼女が学んだフランスでは、むしろ男性が普通にハープを弾くそうだ。

なるほど、日本音楽界の大先達 眼が不自由だった 宮城道雄が 80絃の箏を発明した実績もあり、男性への普及が進んでもよいはず。

北陸初として企画した「つちのふえ(オカリナ)交流会」(2000.11)は、プログラムの流れとして、古代から現代を通じた西洋と東洋の音楽・哲学の邂逅をテーマとした。

管楽器のオカリナに対して、絃楽器の象徴としてのハープの演奏は吉村さんにお願いし、改めて 古代悠久の「管」と「絃」の楽器の邂逅の歴史に想いを馳せる機会とさせてもらった。

大きなグランドハープを会場へ車で運んでくれたのは 渡辺 寛先生(元 合唱団指揮者)で、折々に音楽全般のアドバイスを戴いていた。

さて、ここまでがプロローグ…

ライアー(‥Leier‥)を初めて見たのは、金沢城公園での 木村 弓さんの演奏会。不思議な指の動きと音色の秘密を知りたく、オカリナで「いつも何度でも♪」をリクエストされる度に思い出していた。

樹木の廃材利用で ミニ竪琴「エコ・ライアー」の製作を思い付いたのは、懇意の木工房で見つけた手頃な大きさの端材から!

普通は即ごみ箱行きの芯材だった。芯部分の工作は硬く時間を要し危険を伴うけれど、下図面を描き慎重に加工して芯を抜くとライアーの丸いフレームに木目がマッチして丈夫な本体を作ることが出来た。芯材応用のライアーは滅多にないかも知れない。

木工房の窓から入る風は心地よいけれど、削る木屑を全身に被るので極力眼を細め手元を注視する。小型帆船(7mヨット)製作時代以来か…緊張の顔つきは隠せない♪

木の香りが届いたらしく、筆者の初期作品のオカリナを持ち 今も吹いてくれている友人で、若い頃にレコード針の会社で仕事をしていた 谷内律夫さんがやって来て、小さく可愛い竪琴の本体を見つけ目を丸くしている。

小学生時代、宇宙工学の第一人者で知られた糸川英夫氏の著書を読んで夢を描いたけれど、この糸川氏がバイオリンを設計し45年もかけて完成させ、80才でコンサートを開かれたと知り、常に可能性を切り開く糸川氏の姿勢は生き方の指針となっている。

初製作のライアーは、レミソラシレミ・七絃のペンタトニックスケール(五音音階)に仕上げてみた。
これなら、小さな子どもから 大きくなった子ども まで体験できそうだ d(⌒ー⌒)!

製作の途中、試し弾き を行ってみた♪
弦の先端加工でケガをした指先はご愛嬌f(^^;

★「Leier ライアー 初音出し」2014.10.4 YouTube:https://youtu.be/Yhr8Z8xOwb8

※ハープの起源は狩人の弓との説があり、紀元前4000年のエジプトや紀元前3000年のメソポタミアの遺跡に記録が残るという。

古代ギリシアの竪琴(撥弦楽器)は、形態の違いなどで リュラー、リラ、ライアー等と呼ばれ、時代・地域によりライアーのスペルも様々(古典ギリシア語:λυρα、英・仏:Lyre、独:Lyra、Leier、伊:Lira)。

リラ「lira」は 以前の通貨単位でもあるし、星座の「琴座」も、Lyra、Lyreと呼ばれる。
但し、ライアーと言うと外国では発音が「liar」(嘘つき)と間違えることがあるらしい(@_@;)